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ケアートミュージアム no.10

こんにちは!
社会福祉法人サンシャイン企画室の藤田です。

引き続きまいります!ご存知「ケアートミュージアム」連載第10回です。

早速いきましょう!

「無題」 2021年12月製作、横20.3cm、縦20.0cm、ダンボールにアクリル絵の具

これはデイサービスのご利用者IS様の作品です。タイトルは「無題」。

<妄想解説>
ははあ。これはあれですね。水木しげるさんの『ゲゲゲの鬼太郎』がモチーフになっています。

ここで『ゲゲゲの鬼太郎』をご存じない方のために、ググってみた結果をご紹介しましょう。

「鬼太郎」の大元は、昭和10年頃の『墓場奇太郎』という紙芝居にあるそうです。昭和29年、水木さんは紙芝居作者をされていて、紙芝居の出版社社長からこの『墓場奇太郎』を題材にして紙芝居を作るように指示され、「奇太郎」の作者承諾の上で4作の紙芝居を作られた、これが「鬼太郎」シリーズの原点だということです。

その後様々な紆余曲折を経て、昭和40年に『墓場の鬼太郎』というタイトルで週刊少年マガジン(講談社)に連載され、昭和43年にはタイトルを『ゲゲゲの鬼太郎』と変更し、同時にテレビアニメにもなったそうです。その後は色々なメディアで手を変え品を変え連載されることになります。

この「ゲゲゲ」というのは、水木さん(本名は武良茂(むらしげる))が幼い頃に自分の名前を「しげる」と言えずに「ゲゲル」「ゲゲ」と言っていたことから着想されてつけられたようです。

水木しげる(1922-2015)さんのマンガは他にも『悪魔くん』や『河童の三平』などのいわゆる「妖怪もの」が有名ですが、紙芝居作家、貸本作家(1958年デビュー)から始まる経歴は長く、『水木しげる漫画大全集』(講談社、2013-2019)は全103巻、別巻5巻、補巻5巻、索引1巻からなるという、実に膨大な作品を残しておられます。(ちなみに手塚治虫さんの漫画全集(講談社)は全400巻でした)

おっと話が逸れてしまいました。話を戻しましょう。

この絵中央にいるのは左が「ねずみ男」、右は「目玉おやじ」と思われます。二人して塹壕のようなところから上半身だけ出してあたりの様子を窺っているのでしょう。二人の背景に広がるのは戦火によって赤黒く焼け出された夜空でしょうか。モワモワと火の粉というか粉塵のようなものが漂っています。

二人の左右に描かれている2本の棒状の物体は焼け残った屯所の柱かもしれません。察するに敗色濃厚な様子ですが、彼らは妖怪ですから、特に問題はないでしょう。

それより彼らの視線に注目ください。二人ともやや上を見ているようです。かれらの視線の先にあるであろうまだ暗い東の空からは、未だ昇らぬ太陽から、可視光ならぬ細々と寒々とした、しかし確かな「希望」の光が注いでいるようです。

ということなので、もしわたしがこの絵に題名をつけるなら、ずばり「希望の光」はどうでしょうか?


タイトル背景画:サンシャインスタッフのご子息作

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