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ケアートミュージアム no.8

こんにちは!
社会福祉法人サンシャイン企画室の藤田です。

引き続きまいります!ご存知「ケアートミュージアム」連載第8回です。

早速いきましょう!

「無題」 2021年12月製作、横20.0cm、縦20.0cm、ダンボールにアクリル絵の具

これはデイサービスのご利用者FN様の作品です。タイトルは「無題」。

<妄想解説>
これまた凄い作品です。

わたしが見るにこれはきっと深海魚たちの日常風景を描いたものに違いありません。彼らはおそらく海底に沈んだ船を寝床にしているのでしょう、上下方向に描かれた黒い棒状の物はその沈没船の帆柱かなにかのようです。

画面中央、左に向かって大きな口を開けて白い目をギロンとさせている魚はおそらく、深海のギャングと呼ばれている「ホウライエソ(蓬莱鱛)」です。下腹部どころか背中にも発光器をもっているのでしょう、全身が黄色に妖しく光っています。

ホウライエソ Wikipediaより

上の写真にありますように、このホウライエソ、すんごいを持っていてそれで獲物を捕らえたら放さないようにできています。捕らえた獲物はそのまま飲み込むそうです。ですがその牙が大きすぎて、せっかく捕らえた獲物を飲み込めなくなりそのまま餓死してしまう頓馬な者もいるとか。この絵のホウライエソもひょっとすると沈没船のマストを獲物と間違え噛み付いたものの、飲み込めなくて立ち往生しているのかもしれません。

ホウライエソの他にも色々な深海魚が描かれています。ホウライエソのすぐ下には、まるで鞍を付けた首も脚もない馬の胴体のような魚が描かれています。これはなんなんでしょうか?

そしてさらにわけがわからないのは、その馬の胴体のような魚のお尻部分のすぐ下に立っているかのように描かれている黒いなにかです。右手を水平に差し出している人間のような形をしています。お腹がでっぷりと出ているので、どこかユーモラスな感じもしますが、本当に人間だとしたら、彼は何者なのでしょうか?

光の届かない深海で人知れず繰り広げられる、さんざめく魚と光の饗宴

その情景を鮮やかに捉えてみせたこの作品は作者の想像力が際立つ傑作です。

ということなので、もしわたしがこの絵に題名をつけるなら、ずばり「にぎやかな深海」はどうでしょうか?


タイトル背景画:サンシャインスタッフのご子息作

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