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ケアートミュージアム no.1

こんにちは!わたしは社会福祉法人サンシャインの「サンシャイン美術館」通称「ケアート美術館」より、また新しくここnoteにて連載企画の始まりをお知らせします。

題しまして「ケアートミュージアム」。

そもそも「ケアート」とはなにか?これは「ケア」と「アート」をくっつけて作った造語でして、その意味は「介護が必要になった人が作った芸術作品」ということなんですが、そう限定せず、介護とアートをコラボしちゃおう、介護をアートから見てみよう、といった曖昧な感じを含ませております。われながらいいことばだと思っています。

わがサンシャインを舞台にして創作された、そうした「ケアート作品」は順次、サンシャインのホームページの中の「ケアート美術館」で発表されていく予定ですが、今回の企画は、中でもわたしがオススメしたい作品をnoteの場をお借りして、みなさまにお届けしようというものです。

そして、ご紹介したい作品とともに、その作品がもつ魅力から影響から、否応なく生み出されてしまった、簡単なテキストもつけていきたいと思います。

どうぞよろしくお付き合いください。


「ぼうし」 2021年9月6日制作 20.5x20.3 ダンボールにアクリル絵の具

これはデイサービスのご利用者OS様のオリジナル作品「ぼうし」です。

<妄想解説>
この絵を見ていても、「ぼうし」というタイトルがどこから出てきたのかよくわかりません。むしろひと目、豊満な肉体をした女性の姿にしか見えなくないでしょうか?

両膝を軽く合わせ、下半身を少しだけ左にひねりつつ、左右の腕は肘から先を合わすようにして顔を隠しています。でもその左から顔の半分だけのぞかせ、首を傾げながらなにやら左の方を見ている。その視線は流し目のように魅力的で、じっと見つめられていると、ついうっかりしてしまいそうです。

胸には水着のような濃い緑色の胸当てをしているようですが、なぜか下半身には何も履いていません。

その胸当てと膝の間には、ふくよかなお腹が堂々と見えていて、その中央付近にはおへそような図形すら鉛筆で描かれています。

この女性は緑色の肘掛けをした大きな西洋椅子に座っているようですが、それがどんな形の椅子なのかはよくわかりません。向かって右手に見える灰色の敷物からすると、床あるいは椅子の座面には熊の皮が敷いてあるのかも。

肌を彩る絵の具は大胆に、左右の膝、太もも、お腹の上の部分、そして両肘に塗られていますが、絵の具が置かれていない部分も多く、キャンバスとなるダンボールの色をそのまま使っているようです。ひょっとすると肌は日焼けで色づいているのかもしれません。

左の肩の辺りには白っぽい色が置かれているので、これは湿布かもしれません。とするとここに描かれている女性は、年若いと言うよりは、そのお腹にふさわしく、ある程度お歳を召した方なのでしょうか。

そうした女性のほぼ全身像が小さなキャンバスの上下いっぱいに描かれているので、その小ささに似合わず、かなりな迫力が画面から感じられます。

ということなので、もしわたしがこの絵に題名をつけるなら、ずばり「ジパング」はどうでしょうか。


タイトル背景画:サンシャインスタッフのご子息作

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