2023明治安田生命J1リーグ後半戦と全体総括 サンフレッチェ広島 その1

振り返るよ広島を

実は書き始めている今、第32節終了時点なので少し早すぎるかなと思いつつ、今シーズンを振り返っていきたい。前半戦は前回のnoteにて、今回は後半戦を中心に見ていく。

不調と混乱と模索

17節横浜FM戦、スキッベ監督は4バックの奇策を打ち出し強敵に立ち向かうという選択肢を採った。山﨑のアンカー抜擢など思い切った起用を見せるも決定力を欠いたチームはエウベルの個人技を前に0-1と沈む。18節新潟戦、前半戦の借りを返すべく臨んだこの試合。前半のうちに2点奪われるという全く同じ展開と終盤まで攻めあぐねる"再放送"という言葉のよく似合う0-2の敗戦となった。あの流行り病の餌食となってしまった20節鹿島戦。鉄板3バックが揃って不在の緊急事態に急造3バックで何とか1-1の引き分けに持ち込む気概を見せた。リーグ戦ではないがこの後の展開を考えるととても大きな意味を持った天皇杯栃木戦。0-2の結果と試合後のひと悶着など選手、サポーターら全員が気を落としていたこの時期。私も正直、記憶にないくらい負けたことしか覚えていないのがこの辺りですが。棚田をワントップに起用、この苦境を乗り切るためまたしても抜擢を見せた21節横浜FC戦。ボールを保持できるが終始横浜ペースのように感じてしまっていたこの試合、後半41分に決められたゴールで完全に負けを覚悟したなかで、世にも珍しいキーパーのリスタートの隙をついての同点弾。負けなくて良かった1-1の引き分け。この試合をもって約1か月の未勝利となり代表ウィークに突入した。システム変更や若手の抜擢など様々な策を講じるも、ことごとく結果に繋がらず厳しい連戦となった。この後、要であった森島司の移籍などチームが大きく変化していく。今シーズンで最も苦しい時期だったと誰しもが記憶しているだろう。

チームを変える移籍と帰還

広島サポーターになるきっかけになった森島の移籍は衝撃と悲しみ以外に何も浮かばなかった。加藤陸次樹を完全移籍で獲得!!このニュースが吹き飛ばしたのではあるが。攻守に奔走できる日本人ストライカーは当然スキッベサッカーにハマると感じていた中、迎えた22節湘南戦。ピエロスも塩谷もスタメンに復帰していたが、終始圧倒しながら一撃に沈む今シーズンの負けの典型例の試合となり0-1で敗北。次節が23節浦和戦。試合前日、監督はあの選手の起用を示唆した。11番満田誠。前半戦振り返りで何度も触れたスキッベサッカーの屋台骨である彼の復帰はチーム、サポーター、広島に関わる全員が待望していた。エディスタ最後の"ピースマッチ"であった試合、2戦続けてスーパーゴールによる失点を許す。後半、まず加藤の移籍後初ゴールで追いつく。加藤の抜け出し、見ていた塩谷の縦パスと移籍と復帰が融合したようなゴール。後半攻め立てた中、2万人を超える観衆を前にベンカリファのAT劇的ゴールで勝ち切った。様々な思いを背負った久々の勝利は今季のスキッベサッカーを象徴する"劇場"。広島が横浜FMの10番を獲得できるなんて思ってもみなかった。マルコス・ジュニオールが加入後初のベンチ入りをした24節川崎戦。スキッベ体制下で勝利のなかった難敵川崎相手に前半、あのルヴァン決勝みたいなピエロスのゴールで先制。追いつかれ折り返した後半、マルコスが上手すぎる移籍後初ゴールで勝ち越す。再度追いつかれたが、後半ATにマルコスのアシストから満田の劇的すぎる決勝ゴールにより勝利。新たな仲間の"移籍"加入、主力選手の"復帰"はチームの風向きを変える。スキッベ監督が示していた「主力が戻ってくれば勝てる」は間違いではなかったと、私の監督への忠誠心はより強いものになっていくのである。

書きながら長すぎるなと感じたので、この辺りで一旦切っておく。ではまた。続きも書くよ。

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