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突然交通事故にあった長男の闘病日記

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アメリカ在住。ビジネススクールでmaster degreeを取った26歳の長男が新しい職に就く前に交通事故に遭う。長男と家族(夫、次男、私、愛犬)での闘病日記。
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#外傷性脳損傷

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】3月24日(木) 0日目:突然の事故

朝4時頃に誰かが家のドアをノックしている。 昨晩友人宅に行くと言って出かけた長男だと思ったがどうもポリスのようだ。 夫を起こして彼が対応してた。外で話し込んでいるので私も行ってみた。 どうも交通事故を起こし今ERにいる、critial conditionだという。 すぐに服を着替え、寝ている次男に声をかけ夫と二人でERへ向かう。 向かう先は隣のcountyにある大学病院のshock trauma center。 ERへ向かう道中は深い霧だった。雨も少し。標識も見づらい。これが

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月12日(火) 19日目:お母さん

朝 夫が看護師に電話をした時、 昨晩  Oral and Maxillofacial Surgery の医師が長男の顔をビデオに撮りにきた、また術後の状態を診るためにCTスキャンも撮ったとの報告があった。 医師の朝の巡廻は11時前後が多いので、今日は朝9時に家を出発。10時過ぎに病院に着いた。 病室では長男がベッドの上でいつものように虚ろな表情で寝ていた。 声をかけると目を開けた。 手にはいつものように医療用のボクシンググローブ。体にはベッドに固定する服が被せてある。

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月13日(水) 20日目:Precedex

今日の長男は私たちの訪問中ずっと寝ていた。 昨晩、agitationが酷かったようで夜勤の看護師に Precedex を投与されたようだ。 その副作用なのか?長男は目をしっかりと開けることはなかった。 長男のいるICUでは看護師は12時間勤務の2交代。 7:30amから8am、7:30pmから8pm、の間がシフトチェンジの時間帯らしい。 このシフトチェンジの時間帯で患者の状況等を引き継ぎするようだ。 また看護師一人が担当する患者は最大2名までとなっている。 この看護師にサ

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月14日(木) 21日目:step down

事故から3週間。 長男の病室に行くと、目を開けた長男が医療用のソファに座っていた。 手に被せてあった医療用ボクシンググローブは外されており、手が自由になっていた。 しばらくすると、Oral and Maxillofacial Surgery を担当したdoctor の一人がやってきて長男の頭に刺さっているホッチキスを外しにきた。 結構な量(30個以上?)あるので外すのも大変だ。 痛みがあるのか、長男の顔が不機嫌だ。 あまりに痛みが出て頭を動かし始めたので、残り1/3のホッ

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月15日(金) 22日目:Speech Language Pathologist & Occupational Therapist

Speech Language Pathologist : 言語聴覚士 Occupational Therapist : 作業療法士 今日は、Speech Language Pathologist と Occupational Therapist が長男のevaluation に来た。 長男は気管切開をしているのでチューブの穴のところに蓋をして、Speech Language Pathologist は喋りの確認をしていた。 ただ、気管切開をしていると痰が多くでるようで、

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月16日(土) 23日目:$58,000

長男の自動車保険会社から自損事故の補償をしたいので、病院のbill(請求書)が必要と夫に連絡があった。 長男は、 3月24日から30日の夜まで、大学病院のAロケーションに入院 30日の夜にヘリで同じ大学病院のメインキャンパスに転院 と、二つの病院にかかっている。 最初の病院で担当していた脳神経外科医は、大学病院内にオフィッスを構える doctor だったので、その  doctor のオフィッスから約$2,000の請求書が家に届いていた。 3月24, 25, 26, 27,

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月17日(日) 24日目:Olanzapine

これまでの長男の agitation で投与されている薬。 Precedex (Dexmedetomidine) : 麻酔薬のひとつ。商品名は「プレセデックス」。抗不安薬、 鎮静作用、 鎮痛作用を持つ。デクスメデトミジンの特徴は、プロポフォール、フェンタニル、ミダゾラムなどの薬剤に比べ呼吸抑制が少ないこと、また半覚醒状態での鎮静が図れることである。 参照 wikipedia より Seroquel (Quetiapine) : クエチアピンは、ジベンザゼピン系の非定型抗精

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月18日(月) 25日目:Physical Therapist

Physical Therapist : 理学療法士 これまで数回 physical therapist (PT)が長男の evaluation に来ていたらしいのだが、agitaion が酷く evaluation が出来なかったらしい。 今日は午後から PT が長男の evaluation をしに来た。 PTが来る前は agitation が酷く、枕、ぬいぐるみ、帽子、携帯電話を投げたりしていた。 携帯電話は床に投げると壊れると分かっているのか、ベッドに投げつけてい

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月19日(火) 26日目: Rehabilitation Center 1日目

本来なら昨晩ICUからリハビリ施設へ移動の予定だったが、今日の朝、長男は施設へ移動された。 お昼くらいに夫とリハビリ施設へ。 これまでの大学病院のICUでは、病室に入れるのは二人までだった。 が、ここのリハビリ施設のTBI(traumatic brain injury)棟には、一人しか病室に入れない。 写真付きのID(私は自動車免許証を提出)を入口で渡し、そのIDと引き換えにTBI棟に入れる入館証がもらえる。 まずは私が入館証をもらって長男のいるTBI棟の病室に行った。

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月20日(水) 27日目: Rehabilitation Center 2日目

今日はリハビリ施設には訪問できない日。 ただし、長男の携帯電話が大学病院に忘れられていたので、夫が携帯をピックアップした後にリハビリ施設にドロップオフして来た。 夫は先週末から仕事に復帰した。 夫の仕事は早朝から午前中に終わるので、その仕事終わりに携帯電話の対応をしてくれた。 私は長男が使っていた部屋の掃除をした。 案の定、埃だらけ、ゴミは散らばってるし、バスルームも汚い…。 ベッドのシーツ、枕、ブランケットを洗濯した。 今後、この部屋は次男が使うことになる。 大学が5

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月21日(木) 28日目: Rehabilitation Center 3日目

長男の agitation に凹んでる私の代わりに夫がリハビリ施設へ行った。 というより、長男の入院で私の持病の検査が出来ずにいたので、今日は私は自分の血液検査に行ってきた。 今日の長男は一日中忙しかったようだ。 TBI病棟には、専門医、看護師、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、他 多くの人たちがteamになって各患者のケアをしている。 ENT(ear, nose, throat) doctor が長男の耳、鼻、喉の確認をしに来たようだ。特に問題はなかったらしい。

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】5月22日(日) 59日目: 投薬

Escitalopram:エスシタロプラム 日本での適応は、うつ病・うつ状態、社会不安障害である。 参照 wikipedia より 長男がリハビリ施設に入院中に 「死にたい」 と言ったことを医師に伝えたら、この薬 Escitalopram を処方された。 しかし、その後、記憶が戻ってきた時に 「せっかく助かったんだから、自分の命は大切にしないとダメよ。」 と言うと 「あたりまえじゃん」 と長男。 医師に長男の「死にたい」という言葉を伝えたのが、ちょうどagitation

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】5月23日(月) 60日目: 二か月

もう二か月なのか、まだ二か月なのか。 長男の交通事故から二か月。 長男がここまで回復できるとは、その時は全く考えていなかった。 「本当に死ぬと思ってたのよ」 と何度も言っている私。 長男はうんざりしてるようだが、我慢して聞いているようだ。 長男に障がいが残った場合、私が生きてる間は長男のケアができるが、もし私と夫が死んだ後は次男にその負担が行く。 そういうことなど、色々と頭の中をよぎっていた。 そういう話を夫にした時、 「先のことを考える必要はないよ。今のことを考えれ

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】5月24日(火) 61日目: Physical therapy #3

今日は午後2時から長男の理学療法の日。 その前に、夫を病院にdrop offして長男をdrop off。 夫は去年の夏にankle replacement(人工足関節置換術)をしたのだが、今度は足首の別の箇所で関節痛が出てしまった。 そのため、専用のサポーターを作っているのだが、そのフィッティングの為に病院へ行くことになた。 長男を理学療法施設にdrop offした後に速攻で食料品の買い物をする。 ちょうど終わったところで、夫からpick up してとメッセージ。 夫