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【AD1652】シータギフト徹底解説!!

はじめに

初めまして、デュエプレ環境調査グループBEANS所属のさに丸と申します。
今回は、自分がベートーベンカップのAll Divisionにて使用し、レート1652まで上げることのできたシータギフトについて解説します。

3時間後には新弾によって環境が変わるため、構築記事としての需要はあまりないとは思いますが、1つの読み物として見ていただければと思います。

ADにおけるシータ系デッキ

リストを紹介する前に、19弾環境ADでの一般的なシータ系デッキの立ち位置について軽くお話しします。

シータカラーの強みは《超次元リュウセイ・ホール》や《ドンドン吸い込むナウ》などによる中盤の強さであり、実際にNDでは【シータ刃鬼】や【シータディメンジョン】が環境トップとして活躍していました。

どちらもBEANSのデッキリストより引用

しかしADにおいてはそうではなく、BEANSの統計グラフを見ても、【シータ刃鬼】は4.5%程度しか存在しませんでした。

環境総括レポートより引用

【バルガライゾウ】や【速攻】など、速度負けする相手が多く存在するADでは、シータカラーの得意なロングゲームに持ち込むことはND以上に困難です。

しかし【MRC】という明確に有利な相手も存在し、先に挙げた2デッキにも《永遠のリュウセイ・カイザー》がよく刺さるため、構築を工夫すれば環境でやれるのではないかと考えました。

以上の背景を踏まえて、次のデッキリストをご覧ください。

デッキリスト

【白緑アガサ】以外の環境デッキに対して《フェアリー・ギフト》+《永遠龍》の通りが良いのではないかというところからデッキを組み始め、【速攻】系を見て《ボルシャック・スーパーヒーロー》、【MRC】を見て《サイバー・N・ワールド》を採用しました。

細かい採用枚数については諸説あると思いますが、調整を重ねてこの構築にたどり着きました。

採用カード解説

《フェアリーライフ》

初動です。S・トリガーが優秀なため、他の2コストブーストより優先して採用しました。

《霞み妖精ジャスミン》

同じく初動です。クリーチャーなのが優秀で、《母なる大地》の種になったり【ライゾウ】相手に打点として使ったりすることができるため、こちらも他の2コストブーストより優先して採用しました。

最初は《大地》を4枚入れて《ジャスミン》は2枚だけでしたが、初動が引けない試合が目立ったため泣く泣く《大地》を1枚削りました。

《お目覚めメイ様/眠りの森のメイ様》

現環境の台風の目となっているカード。1ターン目に引けないと腐ってしまう点や確実に使用可能マナが増えない点などデメリットはあるものの、「初手にあったら最強」という理由だけで4枚採用しています。

特に【ライゾウ】や【アガサ】相手に後攻を取っても《メイ様》を絡めた3ターン《リュウセイホール》からワンチャンス生む動きは、他のどんなカードにも真似できません。本来そんなことができてはいけないのですが…

【青単】の《アクア・ガード》だけでなく【黒緑速攻】の《ねじれる者ボーン・スライム》もあるため、先行1ターン目に2コスト初動を埋めてまでこのカードを出すかどうかはND以上に熟考する必要があります。

そして最大限注意したいカードが《電磁無頼アカシック・サード》です。
このカードと《偽りの王 ヴィルヘルム》しかクリーチャーを入れない【白抜き4cアカシックサード】というデッキタイプが一定数存在するため、1ターン目に軽率に《メイ様》を出すと相手の3ターン《ヴィルヘルム》という犯罪に加担してしまうことになります。

逆に言うとこの3枚以外裏目はほぼ存在しないため、2コスト始動でもどうにかなりそうな手札だったら出さない、後続が続かなそうだったら出すというように自分はしていました。

次弾で《学校男》や《停滞の影タイム・トリッパー》も実装されるようですが、その程度では到底止まらない気がしています。

…まあ可愛いから大丈夫か。

《フェアリー・ギフト》

本構築のキーカード。先述の通り、多くの環境デッキに速度負けしないために採用しました。
腐る場面も多いので、《大地》や《ジャスミン》を押しのけてまで4枚採用するかどうかは諸説あるかと思います。
しかし《ギフト》+《スパヒ》《ギフト》+《永遠龍》を勝ち筋とする対面への再現性を落としたくないため、勇気の4枚採用に至りました。

同型に対してブーストが遅れた場合に《恵みの大地ババン・バン・バン》を早出ししたり、2コスブースト→《ギフト》+《N》で雑にリソースを稼いだりと、デッキの柔軟性を上げる優秀なカードでした。
緑単色という色も《メイ様》との噛み合いが良く高評価です。

《ドンドン吸い込むナウ》

山上5枚から1枚サーチするだけでも強い上に、除去とS・トリガーまで持っているハイパーカードです。

中速デッキの青単色カードの採用候補については過去に考察しましたが、ADは【速攻】系が多いことと、除去対象がいなくてもサーチとして打ちたい対面(【ライゾウ】や【アガサ】など)が存在するため、このカードを選びました。

…などともっともらしいことを並べましたが、要はパワカだから採用しました。そんなに深く考えてません。

《超次元リュウセイ・ホール》

このカードこそ、「パワカだから採用した」という一言で片付けていいくらい強力なカードです。
現環境においてシータカラーでデッキを組む理由にまでなっているカードだと思います。

【速攻】系には3000火力+《勝利のガイアール・カイザー》、【ライゾウ】や【アガサ】などのリミットデッキにはブースト+《勝利のリュウセイ・カイザー》、余裕のある時やゲーム終盤にはドロー+《アクア・アタック<BAGOOON・パンツァー>》など、効果3種類 × サイキック5種類の計15択を状況に応じて選択することができます。

《メイ様》のことを考えると多色カードはなるべく採用したくないですが、そんなことを言っていられないほどに最強なカードです。

色基盤としても優秀なので、よほどのことが起こらない限りシータカラーのデッキには今後も4枚採用されると思います。

《サイバー・N・ワールド》

一生涯Tier1デッキこと【MRC】へのメタカードであり、無いと勝てないため採用しました。
《ストリーミング・チューター》には劣るものの、単純なドローソースとしても優秀です。

3ターン目の《ギフト》+《N》は大きくリソース差を付けられるのも強力ですが、可能な限り早く殴り切りたい【ライゾウ】対面では最速で出せるW・ブレイカーとしても活躍します。

《吸い込む》に比べて汎用性がやや低いことや《母なる大地》で実質的な枚数増加ができることも鑑みて、最終的な採用枚数は3枚に落ち着きました。

《ボルシャック・スーパーヒーロー》

【速攻】、【青単】、【ドリームメイト】などへの解答札です。

《ギフト》と合わせて最速3ターン目に出すことができるのが強みであり、3ターン目ともなれば上記の対面にも間に合います。
逆に、4ターン目だと間に合わないことがほとんどです。

仮に初動が引けず相手に横並びを許したとしても、5マナとクリーチャー1体さえあれば《母なる大地》からこのカードを出して全体除去することが可能です。

上記のビート対面だけではなく、クリーチャー軸の【MRC】に対してもこの動きは有効です。
お得意の《時空の戦猫シンカイヤヌス》+《変貌の覚醒者ジョジョン・パワード》のリーサルも、《大地》1枚で簡単に返すことができます。
まともにやっても勝てなそうな場合は、この勝ち筋に賭けてなるべく盤面にクリーチャーを残すようにしましょう。

3ターン目に手打ちできる全体除去としては他にも《温泉 湯あたり地獄》がありますが、前述する《大地》との噛み合いや、【ドリメ】の《メイ様》、【青単】の《超閃機 ジャバジャック》などへの殴り返し要員として機能する点を評価して《スパヒ》を採用しました。

《母なる大地》

紙版から大幅な弱体化を受けて実装されたカードですが、7コストでも十分オーバースペックな強さを誇るカードです。なんだよ3コストって。

確定枠ではありませんが、《N》、《スパヒ》、《永遠龍》といった、対面によって絶対に必要なカードたちの実質的な枚数の底上げとして採用しました。

今は亡き【青緑鬼流院刃】ほどではありませんが、《N》を使ったロングゲームを見据えた対面ではなるべくマナゾーンに埋めない方が良いです。【MRC】や【5C】相手に《ババン》を出した後は、このカードが山札に何枚山札に残っているかで大きく勝敗が変わります。

S・トリガー付き確定除去としても優秀なので本当は4枚入れたいカードですが、他の緑単色カードたちと相談して3枚にしました。

《永遠のリュウセイ・カイザー》

《ギフト》と同じくデッキコンセプト。
多くの環境デッキに対して通りがよく、出したら勝ちの対面もNDより多いです。
【速攻】系や【ライゾウ】に対しては、最速でこのカードを出すことを目的に立ち回りましょう。

4枚採用しているため【MRC】に対してもかなりの確率で甘いぜスウィート!することができ、2ターン目に抜かれようものなら実質エクストラWINです。

終盤に《ディメンジョン》をSAで走らせるフィニッシャーとしての役割もあるため、ロングゲームになりそうな場合はなるべく1枚手札にキープしておきましょう。

《次元院のディメンジョン・ホーン》

サブフィニッシャー。
【アガサ】や【祝門】など、《永遠龍》だけでは勝ちきれない対面へのフィニッシャーとして採用しました。

《「祝」の頂 ウェディング》や《真実の神羅 プレミアム・キリコ・ムーン》、《ボルバルザーク・エクス》など、フィニッシャーとして優秀なカードは他にも何枚かありますが、
・緑単色であるため、メイ様と相性がいい
・5、6枚目のホールとしても一応機能する(フィニッシュ時以外も腐らない)
という点を評価して《ディメンジョン》を選びました。

基本的には後述する《ババン》とセットでの運用がメインですが、中盤に出す試合も多くあります。
【ライゾウ】対面で《勝利リュウセイ》がいる時に《時空の喧嘩屋キル》+《勝利のプリンプリン》を出して打点を増やしたり、【青単】対面で《永遠龍》がいる時に《キル》+《時空の封殺ディアス Z》を出して《殲滅の覚醒者 ディアボロス Z》への覚醒を狙ったりと、《ディメンジョン》にしかできない器用な立ち回りも存在します。

序盤にマナゾーンに埋めるかどうかは慎重に考えましょう。

《恵みの大地ババン・バン・バン》

《ディメンジョン》をフィニッシャー運用するためのカード。
一般的な【シータディメンジョン】には3枚採用されていることが多いですが、【速攻】系や【ライゾウ】相手には出さずに勝つことも多く、16マナまで伸ばす必要性がNDほど高くないと判断したため2枚採用としました。

手札から出す8コストとマナ爆誕で出す9コストとの違いは大きく、《ババン》が1ターン着地するかどうかで勝負が決まることは少なくありません。
「どうせマナ爆誕で出せるから」と、安易にマナに埋めるのは禁物です。
2→4→6→8と動いて最速で《ババン》を出すかどうかを初手と相談してから埋めましょう。

《時空の喧嘩屋キル/巨人の覚醒者セツダン》

ババンを出して16マナまで伸ばした後、《龍圧の覚醒者ヴァーミリオン・ドラヴィタ》のついでに《ディメンジョン》で出せるのが強いため、2コストのサイキックであるというのが1番大きな採用理由です。
《時空の英雄アンタッチャブル》など他の2コストサイキックとの差別化点は大きく2つあります。

1つは他のサイキックにバウンス耐性を与えること。
この効果は主に【青単】対面で有効であり、自分の《紅蓮の怒 鬼龍院 刃》や《ディアボロス Z》が《クリスタル・スーパーパラディン》以外で処理されなくなります。

もう1つはWブレイカーの《セツダン》に簡単に覚醒すること。
《ディメンジョン》で《キル》+ パワー6000以上のサイキックを同時に出せばそれだけで4打点であり、可能な限り早く殴り切りたい【ライゾウ】対面では大きく勝ちに貢献してくれます。
アタック時はパワー7000まで上昇するため、【青単】の《ジャバジャック》や【MRC】の《レッド・ABYTHEN・カイザー》を殴り返せるのも優秀です。

《勝利のプリンプリン》

説明不要の万能カード。
19マナまで伸ばすと《ディメンジョン》から《裏ドラヴィタ》とセットで出せるため、相手のブロッカーや大型獣を止めながら走ることもできます。

このデッキ唯一のエイリアンである点も優秀で、【祝門】や【エイリアン】の《聖隷王ガガ・アルカディアス》をケアできます。
逆にこのカードしかケアできるカードがないため、止めたいクリーチャーが特にいなくても《ガガアルカ》ケアのためだけに出しておくことがたまにあります。

【アガサ】や【ライゾウ】などに既に面展開を許してしまい《ヴァーミリオンドラヴィタ》を出してもどうにもならなそうな場合には、《リュウセイホール》や《ディメンジョン》によって《唯我独尊ガイアール・オレドラゴン》のリンクを狙うことがあります。

《ヴァーミリオンドラヴィタ》と違いS・トリガーで返されてしまうリスクもありますが、《オレドラゴン》でしか勝てない状況もあるため常に頭に入れておきましょう。

《アクア・アタック<BAGOOON・パンツァー>》

《リュウセイホール》から出せる置きドローソース。
手札がいっぱい欲しい時に出します。
…正直それ以外の説明事項はあまりありません。

水のハンターがアタックされない効果は断じてインクのシミなどではなく、場の《勝利リュウセイ》を《凍結の摩天 ダイイング・メッセージ》などから守るためだけに出す場合もあります。

《メイ様》がいる状態で出すとすごい勢いで山札が減っていくので、ライブラリアウトには気をつけましょう。
筆者はそれで負けた試合が少なくとも5戦はあります。

《紅蓮の怒 鬼龍院 刃》

筆者のお気に入りカード。
【シータディメンジョン】に採用されるのは珍しい印象ですが、ADだとこのカードはND以上に強いです。「採用理由は愛」だけではありません。

このデッキでは特に、《永遠龍》との相性がとても良いです。

例えば【青単】対面では、8マナで《永遠龍》を出した次のターン、9マナ下で《ディメンジョン》から《キル》+《紅蓮の怒》を出し、タップキルを繰り返すことで、盤面にバウンスの効かないサイキック軍団を並べることができます。
これにより《アクア・サーファー》を完全にケアすることができるだけでなく、3体以上もの小型クリーチャーを1ターンで処理することができます。

また【ライゾウ】対面では、《永遠龍》がいる時に《リュウセイホール》を撃って盾を詰めたい場合、《紅蓮の怒》を出せば、

1. 《紅蓮の怒》でW・ブレイク
2. 《イージスブースト》を踏む(《永遠龍》効果でタップして出る)
3. 《永遠龍》で上から叩き、《紅蓮の怒》効果で7コスト以下のハンターを出す
4. 出したハンター(《勝利リュウセイ》など)でW・ブレイク

というように、最初の2点で《イージスブースト》を踏み、返しのターンで《真実の王 ヴィオラ・ソナタ》を出されても、《イージスブースト》を踏まなかった時と同じ数の打点を維持することができます。

しかし上記の手順だと《黒神龍オドル・ニードル》をケアできないため、《永遠龍》と《紅蓮の怒》どっちから殴るかは相手の構築と相談しましょう。

余談ですが、筆者は《ヴィルヘルム》入り【ライゾウ】のアンチチャンネルを運営しています。

《勝利のリュウセイ・カイザー》

説明不要の万能カードその2。
主に4マナの【MRC】や、5マナの【ライゾウ】【アガサ】相手に出すことが多いです。
特に【ライゾウ】対面は、相手の《龍仙ロマネスク》にこのカードが間に合うかどうかでほとんど勝敗が決まります。

雑に強く、《パンツァー》と違い確実に1ターンは仕事をするため、筆者は困ったらとりあえずこのカードを出していました。

《勝利のガイアール・カイザー》

説明不要の万能カードその3。
【速攻】系への盤面処理や、終盤のSA要員として広く活躍します。

相手の《メイ様》処理にこのカードを出すとき、なんか悔しく感じるのは自分だけじゃないはず。

《時空の精圧ドラヴィタ/龍圧の覚醒者ヴァーミリオン・ドラヴィタ》

《ディメンジョン》のお供といえばこのカード。
呪文封じが非常に強力で、T・ブレイカーなのも優秀です。

といってもNDほど活躍の機会はなく、出した瞬間勝ちな対面は【MRC】くらいです。

表面の7コストの方も堅実に強く、【MRC】や【ハンター】相手には表面でも十分機能します。
また、《永遠龍》がいる状態で出して無限トンカチマシーンにすることも稀にあります。

相手が覚醒条件を忘れていて、《永遠龍》と《勝利リュウセイ》が並んでしれっと覚醒することも何度かありました。皆さんも気をつけましょう。

《時空の封殺ディアス Z/殲滅の覚醒者 ディアボロス Z》

《ディメンジョン》のお供その2。
NDだと【青単】くらいしか刺さる対面がなく、筆者は不採用にしていました。
しかしADでは【ドリメ】や【速攻】など刺さる対面が多く、採用価値はNDより高いと思います。

【ライゾウ】のトリガードラゴン三銃士を全てケアできるため、【ライゾウ】対面の詰めとしては《ヴァーミリオンドラヴィタ》より優秀です。
《DNA・スパーク》を踏んだら思いっきり泣きましょう。
筆者が励まします。

採用候補カード解説

《魂の大番長「四つ牙」》

《リュウセイホール》から出せる汎用置きブースト。
普通は《紅蓮の怒》をクビにしてこのカードが入ることが多いですが、筆者は【ライゾウ】への詰めとして《紅蓮の怒》をかなり高評価しているため、《四つ牙》よりも優先して採用しました。

主な不採用理由としては、
・《メイ様》と役割が被る
・中盤には《勝利リュウセイ》や《パンツァー》の方が優先して出したい

といった2つが挙げられます。

といっても強力なカードであることに違いはなく、超次元ゾーンが9枠あったら真っ先に採用したいカードではあります。

《時空の剣士GENJI・XX/剣豪の覚醒者クリムゾンGENJI・XX》

【アガサ】絶対殺すマン。

【アガサ】に負けすぎて一瞬だけ採用していました。
しかし実際はあまり使う機会がなく、《ヴァーミリオンドラヴィタ》を優先して出すことが多かった上に、ブロッカー軍団を乗り越える役割も《ディアボロスZ》でどうにかなりそうだったので不採用としました。

《フェアリー・シャワー》

汎用リソース札。
S・トリガーも付いていてかなり優秀なのですが、「多色だから」というのが最大の不採用理由です。

1ターンの遅れが敗北に大きく繋がるADでは、《メイ様》の多色濁りはなるべく避けたい事象です。
《リュウセイホール》並のスペックがあれば話は別ですが、《シャワー》はそのリスクを増やしてまで採用するほどのカードではないと判断しました。

《勝利宣言 鬼丸「覇」》

不可能を可能にするカード。
NDでは採用されていることも多いですが、先述のようにADは《永遠龍》だけで勝ち切れる対面が多く、必要ないと判断したため不採用です。

赤単色も《スパヒ》や《永遠龍》で十分確保できているため、シンプルに枠がないことも理由の1つです。

このカードがないとバリューが下がる《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》
も、自ずと不採用となりました。


相性解説

19段環境が終わった今となっては何の役にも立ちませんが、一応主要デッキとの相性も記載しておきます。

【ライゾウ】…五分

相手の《ロマネスク》が出る前に《勝利リュウセイ》が出せて、《超天星バルガライゾウ》が出る前に《永遠龍》を出せれば大体勝てます。
逆にそれができなければ大体負けます。

先2《メンデルス・ゾーン》は諦めですし、トップ《ヴィオラ》も諦めです。
対戦しているうちにそこまで【ライゾウ】に強くないのではないかと気づいてしまいましたが、初見殺し的な強さもあり勝率はそこそこ良かったです。

相手が9マナ圏に到達する前に《永遠龍》を絡めて殴りきるのが主な勝ち筋であり、そのためには《ギフト》+《永遠龍》の動きがほぼ必須です。
《ジャスミン》すら打点として流用することがたまにあるため、この対面は《ライフ》から優先して使いましょう。

【MRC(クリーチャー型)】…有利

「ガン」が付くレベルの有利対面です。
呪文型に比べて《ヴォルグ・サンダー》のバリューが低いため、《N》を出すだけで2ターンは稼ぐことができます。

また《スパヒ》の刺さり方も尋常ではなく、《埋葬虫ベリアル・ワーム》や《封魔ロノヴェル》などのシステムクリーチャーや、普通のシータ基盤では処理に困る《レッド・ABYTHEN・カイザー》も処理できます。

先述のように、《ヤヌス》+《ジョンパワード》のリーサルも《大地》から《スパヒ》を出すだけで返すことができるため、劣勢のときはできるだけ盤面にクリーチャーを残すことを意識しましょう。

【MRC(呪文型)】…微有利

基本的に5キルしてくるものだと思って立ち回りましょう。
「まだ死なんやろ…」と思って《N》を出し渋っていると平気で速度負けします。

《N》を出しても追加の《ヴォルグ》で簡単に返される上に、パワー7000を複数体出されてビートされるのも結構厳しいです。
相手側の練度によって勝ちやすさがかなり変わると思います。

【白緑アガサ】…不利

ランクマを回している時は捨て対面だと思っていました。

パワー13500の《偽りの羅刹 アガサ・エルキュール》を超えられるクリーチャーがほとんどおらず、《吸い込む》も《大地》も除去手段としてあまり有効ではありません。

《ディメンジョン》から大型獣を出して捲ろうにも、相手の盾に《ダイイング》が埋まっていた途端タップスキルすら使えず沈没します。

《覇》や《刃鬼》がない以上、NDよりも相性差は深刻です。
気合いで先4《ヴァーミリオンドラヴィタ》をして迎え撃ちましょう。
筆者は2回やったことがあります。

【青単】…五分

ビートデッキの中では1番キツいです。
3ターン《スパヒ》ができれば大体勝てますが、《封魔ゴーゴンシャック》がそれを邪魔してきます。

もたもたしていると飛んでくる《超新星マーキュリー・ギガブリザード》がとにかく重く、こいつのせいで《永遠龍》を出しても勝ちきれない試合がそれなりにありました。

相手に《ゴーゴン》がないか、こちらが十分にブーストできていれば、色々間に合って勝てることも多いです。

【黒緑速攻】…微有利

【青単】と違い3ターン《スパヒ》への妨害がないため、こちらの盾が残っている状態で《スパヒ》が出せればほぼ勝ちです。

盾からS・トリガーだけでなく、《ギフト》か《スパヒ》の内足りない方が来ても解答になるため、そこそこ分の良い勝負ができるとおもいます。

とはいえ揃わないときは揃わないですし、平気でノートリ貫通されることも多いです。
そういう時は諦めて次に行きましょう。ランクマは試行回数が命です。

【ドリームメイト】…有利

基本的には遅い【黒緑速攻】のため、《スパヒ》も《永遠龍》も間に合うことが多いです。

相手の場に《幻獣提督ウー・ワンダフォー》がいる時に、迂闊に《永遠龍》をタップするのは危険です。
《桜丸パグの助》と《囚われのパコネコ》でパワーが3000上がるため、《永遠龍》と相打ちを取られてしまいます。

1ターン《メイ様》をされると途端に相性が五分〜微不利くらいになるため、プレイングよりも祈ることが勝敗に直結する対面です。
2ターン目なら《メイ様》を出されても結構間に合います。

《メイ様》から《災勇鬼ダイゴクウ》を出されたら、一度太陽の光を浴びて休憩しましょう。「流れ」というものは確実に存在します。

【シータ刃鬼】…微不利

デッキパワーを下げてメタに枠を割いている都合上、何も考えていないフルパワー刃鬼には当然パワー負けしがちです。
当たるたびに「それどうやってライゾウに勝つねん!!」とキレていた記憶が蘇ります。

とはいえ最低限の【シータディメンジョン】基盤は揃っているので、ブースト合戦に勝てれば試合にも勝てます。
日頃から《メイ様》を愛でることで勝利をもぎ取りましょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

20弾の実装で大きく環境が変わることが予想されるため、このデッキがADでそのまま活躍できるかどうかは保証できません。
《ギフト》入りの基盤の考え方や採用カードなどが、少しでも皆さんのデッキ制作の手助けになれば幸いです。

あとがき

最後に、19弾環境に対する筆者の個人的な総括を少し書き記させてください。嫌な言い方をすると「お気持ち表明」「自分語り」というやつです。

19弾環境は今まで以上の上振れの押し付け合いという印象で、かの有名な「先1メイ様」がその最たる例です。
実際駆け引きも何もなく負けてしまう試合も多く、自分が勝てないことを環境のせいにしてしまったことも何度もありました。

しかし、なんだかんだで終始モチベーション高くランクマッチができたこともまた事実で、筆者はこの約2ヶ月間でND707戦、AD628戦の計1335戦もランクマッチをやっていたようです。平均1日22戦…

自分がここまでモチベーションを高く保てたのは間違いなくBEANSのおかげなので、BEANSのみなさんにはとても感謝しています。

最高レートを大幅に更新できたり、大型大会で運良く結果を残せたりといったこともあり、決して良い環境ではありませんでしたが良い2ヶ月だったなというのが振り返った感想です。

20弾では《暴走龍 5000GT》や《神聖麒 シューゲイザー》など自分の好きなカードが多く登場するので、実装がとても楽しみです。


以上でこの記事は終わりとなります。
ここまでの長文を読んでくださりありがとうございました!

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