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原風景というもの

ある離島を訪ねた時感じたふわふわとした感覚。きれいな所だと知っていたし人気の島、仕事で来たのではあるがストレスがあるとも思えない。いやな感じと言えばそうだけど、それほどでもない。強いて言えば居心地の悪さ。

冷静に分析してみると気がついた。というか知っていた。

その島は沖縄離島に多い隆起珊瑚礁、つまりはぺったんこの島。ここが原因。

子どもの頃、広島の高陽団地で大きくなった私は、視界の中にいつも山の緑や、太田川、三篠川、その支流の小川があった。小学生の頃は虫をとったり、川釣りをしたりが日課のような毎日。小中高の教室からの景色にもそれらがいつもあったのだ。

この感じが失われると、少し落ち着かないあのふわふわしたものを感じるのだ。

大人になって一度台南市に2年ほど住んだとき、初めの一月目くらいで強いストレスを感じた。物珍しさも落ち着いた頃だったので5月病のようなものかと考えていた。その事を知ってかしらずか台湾人の上司が、渓谷に連れて行ってくださった。そこで、山の緑とせせらぎを見てすーっと楽になるのを感じ、このことに気がついた。

そう、ぺたんこの地形は私にとってはある意味鬼門なのだと。幸い今暮らしている渡嘉敷島は沖縄離島のくせに山が深く、緑も豊富、そしてついでに世界に誇るきれいな海がある。私の原風景をフォトショで補正したような所。

思えばなんと幸せな所へたどり着いたものだと我ながら感心している。


ここで育つ我が子たち、故郷を、そして原風景となるこの島とどう付き合いながら成長するのか。

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