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夫の夢のために妻ができること

昔から、友人たちと恋愛の話をしていても「やってもらいたい」という願望ばかりで自分達は彼らに何かを与えてきたのか?と問うと疑問が残ったりする。親は子供に無償の愛を与えるけれど妻は夫に同じ愛を与えられないのか。

結婚するまで私は東京にある会社でバリバリ働いていた。海外赴任したこともあったし会社の中でこのまま「出世街道」なるものを突き進むと思われていた。そんな私が突然、結婚して仕事を辞めますと伝えたことで会社内に衝撃が走ったことは想像に難くない。37歳で徐々に周りも「あいつは結婚しないのか?」と諦め始めた頃だったのかもしれない。

そんな仕事大好き人生を送ってきた私が、今は夫の夢を叶えるために夫中心の生活を送っているというとそれまた驚かれる。「あなたから仕事を取ってしまったら満たされないんじゃない?」とか「家にずっといられないでしょ?」とか色々と言われて、かくいう私自身もそう思っていた。

けれど今は全く違う。夫のためにお弁当や料理を作ったり全ての家事はわたしが担当する、と宣言して夫には仕事に集中してもらったり。それは夫がそれだけ大きな責務や事業を成し得ようとしているゆえに、夫婦協力しなければ成功しないと思い始めたからだ。

もしわたしが「絶対に働きたい!」「家事は分担で!」なんて言い始めたらおそらく彼の夢は叶わない。夢の実現には人並み以上の努力と時間、経験が必要ということをわかっているから私は働く選択肢を諦めた。決してネガティブな決断ではなく快く引き受けた。

しかしこの決断に至るまでにもちろんいろんな葛藤があった。これまで働き続けた人生だった故に「働かないことへの罪悪感」「収入を得ない焦燥感」「コミュニティに属さない孤独感」など挙げればきりがない。けれどこれは私が婚活の時に願っていた家族の形の一つであり、まさしくそれが叶っているのである。

「自らが経営者の家庭で生まれ育ったので経営者の苦労や現実も理解している。母親が父親にしてきたようにお相手の成功をサポートしたい」そんな趣旨のことを結婚相談所のプロフィール欄に書いていた気がする。

この話をすると「本当に願った人と結婚できたんだね」と驚かれることが多い。私たちは夫の夢の実現のために一緒に歩んでいるのだ。

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