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18-19 PL 第24節 Arsenal × Cardiff

前節のビッグロンドンダービーで勝利を飾ったものの、FAカップ4回戦ではマンチェスターユナイテッドに敗戦。さらにソクラティスとコシェルニーのCB2名がその試合で負傷交代。ソクラティスは約1ヶ月の離脱。コシェルニーは重症を免れたものの今節は欠場。さらにCBの枚数不足が深刻化してしまった。

そして今節は悲しい背景も。フランス、ナントからカーディフへ移籍が決定していたエミリアーノ・サラという選手が機上していた飛行機が数日前に行方不明に。未だサラは見つかっておらず、サッカー界は悲しみに包まれていた。この日のエミレーツスタジアムもその悲しさを表すかのように雨が降り続いていた。

PLでの前回対戦時レビューはこちら
18-19 PL 第4節 Cardiff City×Arsenal

■チーム概要
・アーセナル(監督:ウナイ・エメリ)
フォーメーション
基本:4-3-1-2

・カーディフ(監督:ニール・ワーノック)
フォーメーション
基本:4-5-1

■前半

試合開始早々カーディフは前線から強度の高いプレッシング。アーセナルはこれをいなしながらボールを前進させる。アンカーポジションのエルネニーが2CB間へ落ちてビルドアップ。ハーフスペースにゲンドゥージ、トレイラを配置してリンク役に。両SBを高い位置へ押し上げる。

そして早くもアーセナルに決定機が訪れる。2分、ムスタフィからボールを引き出したエジルがパスをスルーしてラカゼットへ。ラカゼットはボールをトレイラに預けて前線へ。トレイラから左ハーフスペースのゲンドゥージへ渡り、大外からポケットへ侵入したコラシナツへきれいなスルーパスが通る。中へ出したクロスは残念ながらGKに阻まれゴールはならず。しかし開始早々にきれいな崩しを披露したアーセナルが上々の立ち上がりを見せた。

対するカーディフはアーセナル陣地では4-4-2気味にプレッシング。自陣からは4-5-1でマンマーク気味に守備を形成。ゲンドゥージにはアーター、トレイラにはロールズ、エジルにはグンナルソン。流動的に動くアーセナルの中盤にぴったりついてきていた。そしてボールを奪うと前線のFWニアッセへ。タメを作ってリードやパターソンが上がってくる形。アーセナルは久々の試合となるエルネニーや本職がSBのモンレアルがCBに入っていることで対応が中途半端になることがあり、前半20分までに何度かピンチを迎える。

その後はカーディフのマンマークに手を焼くアーセナル。特に開始早々に見られたようなSBを使ってサイドを深くえぐるような崩しが見られなくなった。

前半終了間際、お互いにカウンターの応酬でオープンな展開になるものの得点は動かず、スコアレスで試合を折り返す。

■後半

後半開始早々にアーセナルが動く。エルネニーに替えてイウォビを投入。イウォビは左SH、右SHにオーバメヤン、両CHにトレイラとゲンドゥージで4-2-3-1のような形に。サイドに枚数を増やすことでサイドからの攻略を狙っての交代ではないかと思われる。

カーディフは基本的なゲームプランは変えず。マンマーク守備を基本に、ボール奪取時はワントップのニアッセに預けてカウンターへ移行する狙い。

アーセナルは、ビルドアップ時にエジルが頻繁に下がってボールを引き出しつつ、マーカーのグンナルソンを引っ張り出す。その空いたスペースにイウォビが入る形が多かったが、なかなかDF-MFのライン間にボールを入れられず。アーセナルがボールを保持する時間が長くなるものの決定機を作れない時間が続く。

なかなかカーディフの守備を崩せないアーセナルだったが、65分に試合が動く。決定機を作ったのはイウォビ。左サイドでコラシナツ、エジルと共に3人で左サイドに起点を作り中へ侵入。一度はカーディフに止められるが、トレイラが再度ボールを奪取。ハーフスペースに位置したイウォビへボールが渡り、大外からポケットへ入ってきたコラシナツへ絶妙なスルーパス。コラシナツがペナルティエリア内で倒されたことでPKを獲得。イウォビ投入の効果が実った形だった。このPKをオーバメヤンが決めてようやくアーセナルが先制する。

その後もアーセナルは左サイドを中心に攻め込む。ビハインドになったカーディフが少し前がかりになってきたことでDF-MFのライン間が徐々に空き始める。そのタイミングでエジルに変えてラムジーを投入。その空いてきたスペースを突いて追加点を奪うことが狙いのように見えた。

そして82分、アーセナルが追加点を奪う。右サイドからラカゼットがドリブルで独力突破しフィニッシュまで一人でやりきりゴールを決める。素晴らしいゴールだった。

このまま試合が終わるかと思われたロスタイム、カーディフのメンデス=ラングがゴールを決めて1点差になったものの試合はそのまま終了し、2-1でアーセナルが勝利。

試合結果:Arsenal 2 × 1 Cardiff

■得点
66分:オーバメヤン(PK)
83分:ラカゼット(アシスト:オーバメヤン)
93分+3分:ナサニエル・メンデス=ラング(アシスト:ゾホレ)
■交代
45分:エルネニー → イウォビ
60分:リヒトシュタイナー → ジェンキンソン
70分:リード → メンデス=ラング
73分:ニアッセ → ゾホレ
76分:エジル → ラムジー
81分:アーター → ハリス

◾️感想

カーディフのマンマークディフェンスに苦しめられたアーセナルだったが、好調のコラシナツを活かす左サイドへのテコ入れが功を奏し、何とかカーディフDFをこじ開けることに成功。
その後はカーディフよりも上回る個の力で差を見せ、この試合を勝利したアーセナル。
ただ、やはりまだまだエメリアーセナルのアイデンティティは見えてこない。この冬の移籍シーズンで誰を獲得し、その選手をどう組み込んでいくのか、楽しみでもあるし不安でもある。
次節はマンチェスター・シティ戦。ここで勝つことができればチームとして波に乗れるだろうが、負けるとまた5位6位争いへと落ちてしまう。戦力差は大きいが何とか勝ち点1でも稼いでおきたい試合だ。