磐梯町の考える自治体DXのアクションプラン(システム編)
福島県磐梯町CDO補佐官の大久保光伸です。エンタープライズ・アーキテクチャによる自治体関連システムの全体最適や経済圏グランドデザインを中心に第1クォーターの取り組みを振り返ります。
▶ エンタープライズ・アーキテクチャ
まず外部要因として、この3ヶ月間で中央省庁から3点のアップデートがありました。
1. 内閣官房IT総合戦略室によるガバメントクラウド先行事業の公募(基幹業務/セキュリティ)
2. 文部科学省による『教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン』の改訂
3. ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)クラウドサービスリストの更新
ガブクラの公募資料には移行スケジュールが掲載されており、共同クラウドの保守延長や廃止を検討するにあたって重要な情報が記載されています。また、文科省のセキュリティガイドライン改訂は昨年末に更新された自治体セキュリティガイドラインの改訂と同様、パブリッククラウドの利活用について政府標準ガイドラインの更新内容が反映されており、首長部局と教育部局を横断する『自治体システムと教育機関システム(公務系/学習系)』の連携可能性について大きく前進するアップデートでした。
ISMAPについては、磐梯町にて昨年度から試行中であったTeamsがMicrosoft Office 365の登録カテゴリに含まれており、今後の正式導入に向けていよいよ準備が整った状況です。
これらの方向性を踏まえて、自治体関連システムの全体最適を考慮するとこのような概念になります。ブレイクアウト通信については第三者機関によるセキュリティ診断や検証環境を用いた評価を経て慎重に判断する必要がありますが、パブリッククラウドへ移行するメリットの一つとして優れたDDoS攻撃対策があげられるため、ゼロトラストセキュリティモデルの実装(IAMを中心に、SIEM、IAP、CASB/SWB/DLP、MDM、EDR、Complianceの各機能を整理)と合わせてチャレンジしてみる価値はあると考えています。
(ご参考)Microsoft 365 E5 で実現する WVD セキュリティ考察
パブリッククラウドの選定については、ネイティブのサービス+αにて前述の仕様を実装可能なこと、業務と親和性が高いこと等の基準を設け、評価した上で決定していきます。また、来年度以降に着手予定のLGWAN接続系については、IPAが提供するシン・テレワークシステムの試行を並行して行う方針です。
▶ 経済圏グランドデザイン
職員や知人に協力を頂きながら、民間企業と同様のアプローチをおこないペルソナ設定から着手しました。カスタマージャーニーマップやビジネスモデルキャンバスを用いて、収益構造やタッチポイントの整理、そして”価値の再定義”を行うことを目的としています。第1クォーターにローンチされた主な関連施策はこちらです。
▶ 仲間たちを講師に迎えての職員向け勉強会
FinTech/CivicTech/GovTech業界の専門家として活躍中である仲間たちの協力を得て、初回のガイダンスからシナリオに沿った勉強会を開催してきました。
お忙しいところお力添えを頂きました講師の皆さまのご協力に心より感謝いたします。(開催レポート: 5/10 5/13 5/20 5/24 6/3 6/17 6/24)
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