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ベース譜って難しいなというお話(前編)

マンドローネ Advent Calendar 2019に参加させていただきました。誘ってくださってありがとうございます!

私は立命館大学マンドリンクラブ 2019年度ローネトップのまめと申します。

私は高校でセロを弾いていまして、ローネは大学から始めました。現在ローネトップ3年目です。
最初はセロとローネを兼任していましたが、人数不足のベースから指揮者が出ることになり、ベースの音域をカバーするためにローネ専任となりました。

ベースの後輩(とても頼りになる!いつもありがと!)もいますが、ベースローネの音の方向性などに口出しをすることが多いです。


自己紹介はこのくらいで。

今回の話、長いので前編と後編に分けました。
後編はほぼ今年の定期演奏会の曲の話ですが、あたたかい目でお付き合いください。


さて、本題です。




今まで何回も、“ローネ譜がないからベース譜を弾いて”と言われ、ベース譜を弾いてきました。

4年しかローネを弾いていないから思うのかもしれませんが、
ローネでベース譜って難しくないですか…?


まず、オクターブの上げ下げが難しいです。
メロディーを邪魔しないように、どこまでをオクターブ上げるかの判断とか、判断した後の指の動きとか…

(余談ですが、ローネ譜で低い「ソ」が出てきた時の二度見はローネ奏者あるあるだと思っています。ローネ譜だよね?どう弾けと...?)



でも、オクターブの上げ下げより何より、楽器の仕組みから違う楽器同士で、音の性質を寄せに行くって難しいな、と思います。


確かにローネとベースの音域はほぼ同じです。

しかし、だからといって“ローネ譜がないからベース譜を弾く”というのは、わりと無茶だと思います。
その無茶をこなしてしまうところがローネ奏者のみなさんのすごいところではないでしょうか。



ローネ奏者さんがいらっしゃる演奏会を見に行くと、音量とかトレモロとか楽器を弾く技術もすごい勉強になるのですけど、
ああ練習しなければと思うのですけど!
この人はここをこう弾くのか、というところがとても勉強になります。



私はベースが総譜上にいる、というのは“ベースが出す音”が必要だ、ということと解釈しています。

したがって、ローネが総譜上にいないとき、ローネの音をベースに近づけるべきか、ローネとして存在するべきかという判断が難しいなと思うのです。



具体的には、ダウンとトレモロの判断です。


私は基本的にダウン・トレモロの使い分けは、4分音符以上がトレモロで、8分音符以下ダウンです。
また、pizz指示はダウンで、arco指示はトレモロにしています。
ですが、ベース譜面のときは、“ベースの音”に寄せるべきなわけで、pizzやarcoとあっても、曲によってはトレモロとダウンを使い分けています。

このarcoはトレモロ?…違う、ダウンや!とか、
このpizz、拍頭に合わせにいくやつ?それともベースの発音に合わせてちょっと発音遅らせるやつ?とか、

判断、難しくないですか?

いつも迷います。
どう弾くかの判断は曲によるし、個人にもよるし。

誰かが指示をくれたら楽ですけど、私には私のこだわりがあるし。


一番楽なのは、“ローネとして”煽ってよし!といわれたときです。
私は後ろから打ち込みで他パートを煽る、「打楽器は敵!(ベースも時に敵!)」の煽り担当なので。
鈴木静一先生の曲は特に…

…そんなことをしていたらピックの持ち方が打ち込み向けになってしまいました。
ダウンが大好きなこともあり、最近ではarco指示でもダウンすることが多いです。
(指揮者もダウンで!って言うし…)



逆に一番大変なのは、静かな曲です。

ベースさんが美味しい曲なんて、ものすごく気を使います。

ベースにはないピック音を出したくないから、なるべくトレモロしたくないです。オールダウン希望です。
でもダウンをするにしても、ベースのようなまるい音を出すのは難しい。


私が今まで感じてきている“ベースに寄せた音”の難しさは、ダウンの難しさの部分が多いです。

トレモロを多用する曲をよく弾かれる方とは、難しいポイントが少しずれてるかもしれません。


トレモロ、もちろん難しいです。

3回生の時に弾かせていただいた「イルボート」のソロは本当に難しかったです。
トレモロの苦手な私は冒頭3音が?マークでした。
…どうやったらなめらかになるんだ…!?

確かにトレモロは難しいです。

でもダウンも難しいと思いませんか?

ぼぉんとなる、あのベース独特のpizz音は、どうやったら出せるのでしょうか?
ここ2年、ローネを弾く度に思います。



(ここから余談Part2です。)
結局、自分の弾く音は、客席でどのように聞こえているのでしょう?

ベースしか聞こえてないみたいに聞こえてるのかな?
ベースに寄せてるとはいえど!そう聞こえてたらかなり複雑です。ローネもいるんやで!!

録音していても、耳で聞く本番の音って録音とは違いませんか?
違うと感じる私の耳が悪い…?

頼みのアンケートも、メインはマンドリンとか全体とか…他についてばっかり…
ローネについても何かコメントを…ください…


…もはや自分の片耳を客席に置いて音を聞きたい…!
ハリーポッターシリーズで出てくる伸び耳ほしい!

音がどう聞こえているかによって、工夫の仕方も変わるのにな~と思いながら、舞台上でローネを弾いています。


以上で、「ベース譜って難しいなというお話(前編)」は終わりです!

長文を読んでくださってありがとうございます。

後編は定演前日12/10(火)に公開になりますので、そちらもよろしくお願いします!!

下の画像は、立命館大学マンドリンクラブ 第56回定期演奏会のビラです。

私が卒業したら、しばらく立命のローネパートは休業です。
しばらくの(と信じたい!)見納めなので、ぜひお越しください!!!

曲については、後編で。

マンドローネ Advent Calendar 2019にはこちら