遺書として(4)

賛成の数が多いからと言って、何一つ価値のある証拠にはならない。-デカルト

世界を多次元で考える。近い将来はそういう価値観が大事になってくる。
自分視点で考えるのか、相手視点で考えるのか、そして個人で考えるのか、組織で考えるのか、そういったいろんな視点というのが求められていくだろう。
多様化、グローバル化が進めば、そういった感覚が必要になるのもあるが、AIなどの新しい存在との共存の上でも大事になってくる。

AIの時代というのに何が大事になってくるのか、それは倫理、道徳というのも大きな一つの要素だ。今の生成AIでも多くのことができてしまう。それによって本物そっくりのフェイクニュースも世界で起きているし、AIモデル、AI役者というのが出てきて、既存の仕事を奪っている、そのようなことも起こっている。
そしてこのようなものに対して、一次元的な見方、いいか悪いかという見方はあまり効果的ではない。AIというのはまだ成長中の存在であり、世界でその競争が行われている。どちらか一方の選択で上手くいくという単純なものではない。AI、量子コンピューターの考えと同じように量子論的に、重ね合わせの価値観をしていかないといけない。
重ね合わせで考えていく上で大事なポイントは個人で考えるか、組織で考えるか、ということだと思う。今のChatGPTは個人の未来についての予測はできない、しないことになっているが組織が今後どうなるかの予想はできる。国、企業、、、などの大きな組織であれば個人、一人ひとりの行動は予想できなくてもその集合体である組織の予想はできる。
視点を変えて、近代からの世界的な思想、主義の歴史を考えると20世紀に入って帝国主義から資本主義と社会主義という大きな2つの主義が現れ、冷戦を経て、社会主義が倒れていったことで資本主義が強い価値観になっているように思う。資本主義を否定しようとは思わない、しかし、本来、資本主義と社会主義というのも重ね合わせで考えないといけない、そういうものだと思う。物理経済などでゲーム理論予想をを利用して予想をしたりするが自分たちの利益のために社会主義的な考え、共産的なみんなで利益を得ようというやり方がいい選択の場合もある。こういう場合、個人、自分だけで考えればもっと最大の利益を得ることも可能だが確率や継続を考えれば、みんなで一緒に利益を得るほうがいいという選択が最適になったりする。
個人で考えるべきか、組織で考えるべきか、というのを重ね合わせで考えていく時代になっている。資本主義的な個人、自分だけの利益を優先するべきか、共産主義的な組織の利益を優先するべきか、そういうものを考えていく時代になってくるだろう。そしてそれはAIの時代、多様化とは別にこの考えが大事になってくる。
一つはAIの成長のため。AIというのは利用者のトレーニングによっても成長が変わる。質のいい利用者を集めることがAIの競争に大きく関わってくる。そのような仕組みで成り立っているが個人だけの利益を優先するような人たちが利用しているAIがあるとした場合、そのAIの未来というのはどうなるだろうか? 個人利益を追求する人、例えば今だと過激なことをするインフルエンサー、炎上系のユーチューバーなどがいるがそれと同じような人もでてくるだろう。個人の利益のためなら組織の利益は無視する。そのようなことになればそのAIという組織は他のユーザーは離れていき、質の悪いユーザーしか残らず、いいトレーニングがなくなり、競争に勝てなくなる。そういうことが起きる可能性が高い。そして二つ目は今のAIはゼロからイチを作り出すような行為はしない、としている。だから、新しいものを作り、それをAIに入れる、トレーニングする人材が必要。これはとても複雑なことになるように思う。なぜなら多くの生成AIというのは多数決によって答、AIの回答というのを選択しているからだ。多数決によって決まる。画家のゴッホなんかは生前は絵の価値を認めてくれる人がいなかった。その状況でAIに情報を入れられたら、ゴッホの絵というのは価値のないものと判断をされる。AIは多数決で正しいだろうという選択をするが、その選択というのを決めていくのは利用者のトレーニングも関わっている。自分もまだこの説明に上手く言語化できていないが組織がゴッホのような無名な状態でも上手く判断できるようにするにはどうすべきか?というのは課題ではあるだろう。科学で言えば、「エーテル」というのは存在している、常識レベルで存在しているとされていた時期もある。それを否定したからアインシュタインの「相対性理論」がある。AIという組織の常識の中で個人の考え・アイデアというのをどう守っていく、育てていくか、というのは大きな問題でもあるし、多次元的な価値観、重ねわせの価値観がないと難しいようにも思う。

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