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「さきどり佐知子とナイトムーン」

映画のお仕事は、順調だった。


エリーが、たくさんスケジュールを埋めてくれていて、そのどれもが素敵な作品だった。

ある日、映画関係のスタッフの人に忠告された事があったわ。


ジョンペルチアーノとは、別れた方がいい。


って。


心の中で、あなた、彼の何を知ってるの?

って、思ったの。

顔には出さなかったけど、適当に聞き流した。

ジョンペルチアーノは、いつも優しかった。

確かに、容赦の無い所はあったけど、たくさんの人達に出資して、新しい雇用をいつも作っていた。


彼の事を、ただのマフィアだって言う人は、本当の世の中の事を、知った気分でいたいだけなんだって、思ってた。

私は、プリマに本当の名前を知られている事も忘れて、撮影とジョンペルチアーノとの、甘い日々を過ごしていたの。

とても、充実してたわ。


ジョンペルチアーノには、たくさんの家族がいてね、彼が言うファミリーって言う言葉に、そのうち憧れるようになった。

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