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#smileの人々

Smileの人々

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最終回「17歳」

向いてる事、向いてない事。

そんな事を考えるよりも、自分がどれくらいの時間、その事に向いて来たかという事が大切なのだ。

自分に向いているものは、最初から何ひとつ無かった。

ただ、ピアノの方や、音楽の方を自分がずっと向いていたから、僕は音楽家なのだ。

そして、その音楽家の生活の中の隙間の時間を全てキックボクシングに費やして来た。

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第9話 「サンドウィッチ」

当日の朝、6時。

3時間は寝れたかなというくらいで、すぐにお風呂にお湯を溜めた。

これが、最終調整だった。

しっかり身体を温めて、少し水を飲んだ。

身支度をして、体重計に乗ってみた。

66.7キロ。

よし、このまま会場に行こう。

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第8話 「帰ってください」

試合の前日練習。

基本的には、身体を温めたり、汗をかいて体重調整をするらしい。

けど僕は、いつも通りの練習をし、その後はマススパークラスというハードな全体練習にも参加した。

最後にみんなでストレッチをしている時に、クラスを担当していた日本人の先生から全員に向けて、明日、僕が試合だという事が高らかに宣言された。

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第7話 「愛されている」

試合が迫るタイミングで、新しいアーティスト写真の撮影と、おかしな二人のPodcastの収録があった。

奇妙くんを見ると、不思議に笑顔になる。

ホッとするというか、自分が子供の頃に帰ってしまうというか。

とにかく、僕のくだらない話をずっと聞いてくれるから、いつまでも喋ってしまう。

昔から、ずっと同じように、この日も思いのまま、最近あった事や昔の話をしていた。

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第6話 「とても素敵な笑顔」

負のループは、一切の手を緩める事なく、僕の身体に居座っていた。

身体が、とにかく重たい。

練習中のスパーリングで、大阪のジムの先生に集中力が切れていて危ないから、リングから少し出ようと言われた。

重たい身体は、心を弱くしてしまっていた。

パンチやキックを必要以上に避けてしまったりしていたし、自分の攻撃は、とても消極的なものになっていた。

このままでは、ダメ

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第5話 「生活に彩りを」

アマイワナちゃんのリリースパーティーに出るワンダフルボーイズは、いつもと違う。

僕が、ピアノを弾いて歌う、ピアノフルワンダフルボーイズのスタイルだ。

ピアノの練習にも熱が入った。

毎日、心ゆくまでピアノを弾いて、ジムの練習に向かった。

この頃から、水分調整の時期に入った。

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第4話 「指が踊っている」

身体がこれ以上の減量を拒絶しだしてから、何日か経った頃、いつものジムとは違うパーソナルトレーニングを受けてみた。

何か、新しいヒントがあるかも知れない。

そんな気持ちだった。

予定では、NISHINOHOUJINの時に68キロ。

その1週間後のアマイワナちゃんのリリースパーティーの時に67キロ。

そして、そのまた1週間後の試合まで、67キロの身体で過ごそうと

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第3話 「どれも大切に」

毎日、3時間から4時間の練習をした。

下北沢のジムは、440というライブハウスが入っているビルの4階にある。

毎日、440のビルボードを見るのが、僕の日課になっていた。

1度、そのビルボードに奇妙礼太郎ワンマンライブと書いていた事があった。

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第2話 「何もかも違う」

ちょっと考えさせてください。

僕は、タイ人トレーナーのボーさんに、そう言って練習を続けた。

練習が終わってシャワーで手と足だけを洗って着替えた後、ボーさんがまた近づいて来た。

ボーさんは、頭をクシャクシャとするゼスチャーを僕に何度も見せて来た。

そして、言った。

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第1話 「上手いけど弱い」

向いていると思える事は、何ひとつ無い。

ピアノは、兄弟で僕だけ軍を抜いて下手だったし、ラグビースクールでは気が強い人がやるポジションをずっとやってた。

結局、そのポジションは高校の最後まで続いたけど、花形のポジションでは無い。

ひたすらにタックルをするだけのポジション。

絵を描いたら、小学校の担任の先生にコンクールにエントリーしたいと言われて出したけど見事に佳

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