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グローバルスターアップなのに東京にいる意味

弊社はすでにインド、ミャンマー、ルワンダ、ブラジルから発注がきており、引き続きウガンダ、インドネシアで実証実験を行っているグローバルスターアップである。

一方で、海外展開を目指す「アプリ会社」の定石は現地(狙う市場)もしくはシンガポールに移住したり登記したりして活動を行う。UIUXや営業の文化を現地人が分かっているためだ。

しかし、私は基本東京にいるし、東京に帰ってくる。その理由はいくつかある。

エンジニアの採用が日本だから

弊社が管理すべきプロダクトはアプリもあるが、それよりもOSである。OSとは「ハードウェアをソフトウェアとして扱うための技術」である。例えばGPSというセンサーをコントロールするためのソフトがOSには存在する。

そしてハードウェアに近いソフトウェアの開発ができるエンジニアはメーカー企業の多い国に「比較的」多い。日本、韓国、中国、台湾だ。「比較的」というのはもちろんインドにもアフリカにもいるが、絶対数・優秀な人の見つけやすさ・比率が違う、という意味だ。

さらにそういったメーカーで働いているエンジニアは現在面白い仕事に出会えていないため燻っている。ガラケーが主戦場から消え失せてからは、Androidの保守運用か、売れるかもわからない二番煎じのR&Dを行っている。(僕も一時期派遣で1社いたことがある)そういった人たちを採用しやすい環境なのだ。

しかも日本では10年前に「30日でできる!OS自作入門」という本が出版されているおかげで、OSを開発したいエンジニアのコミュニティが厚い。優秀なエンジニアの開発したいものランキングトップ3が、CPU、プログラミング言語、そしてOSなのである。そのためセキュリティキャンプにも未踏にもOSを開発したいエンジニアが一定数存在する。

あまり「日本人だから」というくくり方を積極的にはしないが、セキュリティという細々とした開発はおそらく日本人に適している。もちろん中国や韓国といったスマホ大企業にいる人たちも優秀だろうから、そこからも採用したいと思っている。

現状OSと端末のデバッグを近くで見れる

弊社はまだまだスターアップとしては初期のステージいる。プロダクトも完璧ではない。もちろんバグも一定数「少なからず」発生する。そのコミュニケーションをエンジニアと行う上では距離的に近くにいたほうが楽である。

もちろんゴリゴリ弊社ではSlackを使ったリモートワークもしており、できる限り効率化をしているが、いざとなったときはこのほうがいい。

いっそインドに日本人エンジニアを全員連れて行って移住する、という手もあるかもしれないが、採用面で苦労することになるだろう。

多国に行く必要がある

アプリ会社の場合、インドネシアやインドなど一つ国・地域を決めて展開するのが定石である。

しかし弊社はハードウェアが最終製品であり、スマートフォンというある程度知られたUIUXであるため、あまり現地に根付く必要がない。

そのため実証実験もサンプル端末を現地に1台送って、アプリと回線のテストをするのがメインなので、究極的には現地に行かなくても済んでしまうのである。

実証実験を行っている企業が1社あったとして、その実証実験が終わる期間は企業によってばらつきがあり、待つこともしばしばある。待っている間は他の企業と実証実験を進める。その結果でも多国に行く必要がある。

そういったオペレーションの簡単さがあると、同時並行に多国展開できるのだ。そうなるとビジネス面においては出張から帰ってくる国も東京でもいいし、東京じゃなくてもいい。そんな状況だから東京にいる。

※インド、アフリカ、南米など、距離だけを考えれば、中東のほうがいいかもしれない笑。しかし採用面が大きい。

日本にも大きな市場がある

ニーズを新興国で見つけ、現在比率的にも新興国で進めているビジネスだが、実は日本を含めた先進国にもニーズがある(ありそうだ)。

消費者向けではなく業務端末向けなのだが、ガラケーではアプリは使えないし、iPhoneではオーバースペック、Androidではセキュリティが心配という観点から何社かお問い合わせをいただいている。

住みやすさ・ストレスのなさ

私は大学時代に1度アメリカに留学をした経験から、日本のご飯と自然と温泉がいかに好きか思い知らされた。はっきり言って日本では友達はできづらいし、たぶんテレビなんかに出たら炎上しやすい部類だが、圧倒的に日本は住みやすい。

ただの精神衛生上の話なので、合理的に考えたら簡単に切り捨てることはできる。なので一番下の優先順位だが、昨今「起業家うつ」が有名になっているように、持続的に経営していくにはとても重要な観点である。

一方で、、、

今後圧倒的に心配なのは資金調達である。7月下旬にはアメリカ、9月下旬には中国の投資家にお会いしてきた。日本の同じステージで、投資金額の相場が一桁違ったりすることもある。

弊社はハードウェアスタートアップであり、例えばシャオミはシリーズAで40億円調達をしている。もちろん最近日本では3桁億円のファンドが続々と立ち上がっているが、そう考えると日本で引き続き同等の調達ができるかはわからない。

もしトラクションが上手くでて、日本でいい条件で資金調達できないとなると、アメリカ・デラウェアに親会社をたてて、アメリカに引っ越して投資家と頻繁に会う、なんて選択肢も存在する。

また、シリーズA以降で弊社が一気にスケールする際に、各国にヘッドクォーターが必要になる。現地の営業オペレーションをゴリゴリに回していくことになる。

結局、どちらも重要な視点は採用だ。アメリカの投資家とネットワークのあるCFOを採用し、現地HQを採用していけるCOOを採用することが重要である。先日採用ページを公開したが(以下参照)、引き続き採用活動を行っているので興味ある方はぜひともご連絡いただきたい。

CxO候補となる営業人材の募集
https://note.mu/sunblaze/n/n813d6a50dfc5


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