建築積算入門 和室材
和室とは
伝統的な日本の家屋に特有の、畳を敷き詰めた部屋のこと。
家の中心になる部屋には、床の間がある。
畳の敷かれた枚数で部屋の大きさを測る。
空間は障子や襖で囲まれ、その開閉で隣の空間との関係を変化させる。
和室の真壁仕様と大壁仕様の違い
大壁仕様と真壁仕様の2タイプの納め方がある。
洋室関係は、構造材の柱が見えない様に、壁を柱の外側で仕上る大壁仕様、また、和室は柱の内側で仕上る真壁仕様がある。
真壁仕様は、日本古来の壁の納まりで現在まで受け継がれています。
早く言えば、大壁仕様は西洋、真壁仕様は日本の壁の納まり。
現在は本格的な和室より、柱を見せず和室の造作材を少なくした、現代和風イメージのモダンな和室も好まれるようになり、大壁仕様で納める和室のほうが多い。
また、最近の和室の壁にも、工期短縮や施工の簡素化 及びローコスト化が進み乾式工法が採用され、従前の塗り壁仕上げからクロス仕上げの方が多く採用されるようになった。
和室造作材
主な和室の造作材は、出入り口や窓の開口部に設ける敷居・鴨居、床・壁・天井を見切る畳寄せ及び廻縁、床の間の形式によって変わるが、床柱や床框・落し掛、格調高く演出する長押などが一般的に採用される。
造作材の樹種は、化粧構造柱の樹種によって使いわけ、白みの桧やスプルース、若しくは、若干 桧より赤みの杉や松などの樹種が使われる。
和室造作材の一部を紹介します
床柱
床柱は、床と床脇の間にある柱で、和室全体の調和も床柱で決まるので、
材質や木目などにこだわったものが用いられる。
格式高い床の間には、桧の正角大面取りの柱を用いるが、
現代の一般住宅では黒檀・紫檀・桧の突板貼り(集成材芯)若しくは、杉磨き丸太・人工絞り丸太などが用いられている。
また、床柱のサイズは和室の広さによって使いわけられ、広い和室ほど大きくする。
床框・床板
床框(とこがまち)は、本床において床の前に取り付けられる水平材のことで床縁ともいう。
床の間の床は薄縁(うすべり)を基本としますが、最近では、ケヤキや松などの床板も多く使われている。
また、床框と地板が一体となったケヤキなどの段床板も使われている。
落し掛け
落とし掛け(おとしがけ)は、床の間上部の小壁下に取り付けられる水平材。一般的には、杉杢の突板貼り集成材の落し掛けが多く使われている。
無双
床の間の奥の一辺の天井回りの下端につける細長い材で、これに掛軸などをかける。
長押
長押(なげし)は、和風建築や社寺建築において、化粧のために柱の側面などに取り付けられた水平材のことで、
元来は長方形断面を有していたが、室町時代後期以降は今の台形断面となった。
長押の材種は、柱の材種に応じて使いわけられ、一般的には桧柾目の突板貼りの集成材が多く使われている。
付鴨居
付鴨居は、開口部の鴨居の取り付く高さの、開口部が無い壁に取り付ける水平化粧部材。樹種は鴨居と同じものを採用。
長押を設ける場合は必ず付鴨居が必要(鴨居のうえに設置するから)。
建築積算に興味をお持ちの方へ役立つ記事を掲載していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
お読みいただきありがとうございました。
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