「雨降る朝に」140字小説

朝、寝台で雨の音を聞く。朝の雨は良い。君は濡れるのを嫌がって、いつもより遅く出て行くから。残念なことに、今朝は通り雨。すぐに雨音が遠くなって行く。腕の中で、眠たげに君が身動いだ。
「…雨?」
「…うん」
些細な僕の嘘。
もう少しだけ、このまま。

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