GoToキャンペーンは焼け石に水

GoToキャンペーンの問題は焼け石に水にしかならない所なのだよね。そもそもなんで旅行需要が冷え込んでいるかというと、コロナが広がりつつあるからで、それを放置したままどんなに金を注ぎ込んでも、二度とまともな消費者は戻って来ない。これはどの産業にも言える。検査徹底で拡散を止めるしかない。

GoToを始めとして、コロナの拡散速度を抑制できないあらゆる施策は金の無駄でしかない。火が燃え広がりつつある街でどんなに新築に補助金を出しても、結局全ては灰燼に帰す。火があるならどれだけ小さいうちに消し止められるかが勝負で、PCRは最も高精度に火元を探せるツールだから使わない手はない。

コロナの問題は、放置すればするほど日々の新規感染が増え続けることで、新規感染の増加が続く限り収容できる医療機関とかホテルを増やし続けるしかない。これは結局どこかで必ず破綻するから、感染連鎖を絶たない限り、何も問題は解決しない。そして感染者は人口の1%に満たない。探す以外の手はない。

探すのを渋りつつ経済を維持しようとすると、必ず感染も拡大する。すると遅かれ早かれ医療は逼迫するから、それをやるたびに大規模な自粛をやらざるを得なくなる。検査データの粒度が粗ければ粗いほど、広範囲で大規模で非効率な自粛が必要になる。非感染者同士の自粛には、効果がほぼないためだ。

感染拡大は、感染者と非感染者の接触でしか起こらない。そして日本では感染者は1%以下の水準だから非感染者も巻き込む全員自粛は、効果はあるけれども経済被害も大きくなる。詳細な検査さえできれば、ポイントを絞って徹底追跡したり、地域限定でロックダウンするなどのより細かい対応ができる。

全員検査など求めていない。有症者濃厚接触者高リスク者の検査を徹底することができれば、たとえ無症状感染者がいたとしても、その周辺の誰かが網に掛かる可能性が高くなる。日本は再生産数が2以下で、検査は日に7000件程だから、10万件程検査ができれば、再生産数も1以下にはなると思われる。

つまり検査は、わずかしかいない感染者に、できるだけ的を絞って対策するための、高精度なレーダーの役割を果たす。活用できればできるほど、感染連鎖が広がる前に抑え込める可能性が高くなり、追跡調査の手間も減る自粛の月4兆の経済被害に較べれば、はるかにコスパの高い対策が、検査隔離となる。

とはいえ観光業が売上げ前年同月比99%減とかで瀕死であるのも事実であって、単にGoToを止めれば解決する話でもないとも思う。しかし何とかコロナを収束させなければあらゆる産業が立ち枯れるので、検査隔離等の感染抑止策にはGoTo以上に全力で資金や資材や人材を集中させなければならないことになる。

ちなみに検査を抑制して感染を蔓延させながら経済を回そうとすることは全く解決にならない。それについてはこちらの記事を参照されたい。


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