見出し画像

顔に刻まれた年輪

顔はその人の人生を表す履歴書だ。なんて言葉がある。幼いときはその限りではないけど、成人してからの顔だちは、その人の性格や人となりをよく表していると感じる。社会人になる前は幼げだった学生も、2、3年たつときりりとひきしまり(そして少し疲れたり)、いつも怒ってばかりの人の眉間には大きな谷があり、人との距離をつくる。笑い皺がある人は愛嬌があり、道を聞かれがち。とあるコメディドラマで、妙齢の女性が笑ったら皺ができちゃうから、笑わないようにしてるの、というシーンがあったが実にもったいない。モアイみたいなのっぺりした顔に魅力を感じるのは難しい。SMAPの「モアイ」は名曲だけれども。

樹木の年輪は春に大きく成長するときとそれ以外の季節とのギャップでできるらしい。顔に刻まれるのもその人の成長の跡だ。その枝が伸びていく先が明るいかはいったんおいとくとして。月日が経って人生が終わって、その顔を誰かがのぞきこんだとき、いい顔だなって思ってほしい。多少いびつに歪んでいても、素敵な木の年輪を見たときのように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?