#17 佐賀市

画像1

佐賀は毎年11月初頭、およそ5日間にわたってバルーンフェスタという大規模イベントが開催されている。世界中から集まった競技者によるバルーンの大会であり、名前の通りお祭り騒ぎとして目や舌を楽しませてくれる秋の風物詩として毎年ほぼ必ず行っていた。今年は言わずもがな、早朝や夕方にバルーンは空を飛ばず見送りのボレロは流れない。

先日、別用で普段なら会場となる河川敷を通過した。夕と夜の境界となる時間に気温は冷えバイクには寒さがまとわりつき、首元や袖口の隙間を塞ぐ。そうか、もうこの時期か…と肌感覚にリンクする昨年の記憶を懐かしむと共に、河川敷が「ただの河川敷」であったことに寂しさを覚えた。


写真について。実はこれバルーンフェスタで撮影したものではない。
時間をおいて11月30日、長崎へ向かう道すがら、同じ場所を通過する際にたまたま空に浮かぶいくつかのバルーンが目に入り無人の河川敷で撮影した。

バルーン自体はおそらく大学の部か、所属はわからないがいくつかの団体があるようだ。ただの道となった河川敷を仕事のため走るトラックと遠景の煙がミニチュアのように合わさって、得も言われないかわいらしさと楽しさを感じた。

今年、彼らは活動するのだろうか。水色と青だけしかない佐賀の秋空はすこしさみしい。もし大会がなくても空に登るのであれば、河川敷で寝っ転がってフィルムカメラを片手に眺めてみたい。


場所:佐賀市内
撮:2019/11月30日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?