記事一覧
やすかれ、わがこころよ
暖冬らしくずっとぬるかった
雨が降った春先、真空みたいなかんじ。首元がすかすかした服を着たい年はだいたい上手くいってない。あの図書館に行きたいのにいつまでも行かない理由を説明できない。自分が朝起きたときの気持ちさえ寝る前に分からないのは、あまりに無防備すぎるよね。神様のバランスは納得できることが少ない。
つめたい石みたいな、透き通ってこもるにおい
いつも嗅ぎたいと思っているにおいがある。街中の工
「祈り/彼らとの時間」
どこかでなにかが焼けたみたいな匂いがする。
薪なのか、餅なのか、石油なのか。
師走は必ず、なにかがどこかで燃えている。
一番暖かいセーターを
奥からひっぱり出して着る。
スーパーではペンギン型のカキ氷機がいつまでもワゴンに乗せられている。
(きっと目の上についた割引シールは
剥がすと後が残るだろう。)
あの子が居なくなったのは夏だったのに
思い出すのは毎年冬だったりする。
煙草が一番おいしかった
夜の中に朝をみつけたい
夜が全然得意ではない。
小さい頃、隣で寝ている母の寝息が聞こえてきたら、この世にたったひとり取り残された気がしてほんとうに不安で仕方なかった。中学生の頃、文化祭の練習と称して夜の公園に集まったりしていた時も、薄暗い中で見る友人の顔は昼間と違うように感じて不安が募り早く帰りたかった。修学旅行の夜も、みんな夜遅くこそこそ話すのを楽しみにしていたようだが、最後にたったひとり眠れなくなる方が数万倍嫌だっ
宇宙人は大阪を選びなよ
前々から、宇宙人が日本に潜伏するなら「大阪」を勧めたいと思っている。
大都市なので紛れやすいというのもあるが、紛れなくても馴染んでしまうと思うからである。体が多少ウロコで覆われていても青色の肌でピンクの大きな耳が付いていても、大阪では誰も気に留めない(それは言い過ぎかもしれない)あるいは受け入れる人がすこしだけ多いのではないかと思う。
つい最近まで「あびこ」という大阪市の端に住んでいた。駅前に