貪欲になりたい

「欲」に対して、少し前までの自分は「汚い」「醜い」「幼い」みたいなことを思っていた。

欲しい物事を公言して、手に入れようとする姿は、「欲張り」に見えた。

でもきっとどこかでそんな人を羨ましく思っていたんだと思う。


24歳も中盤が過ぎたこの頃、自分の欲望が枯渇してしまっている。

欲しいものも、やってみたい事も、程々に潤ってしまい渇きが足りない。

24年も生きていると見えてくるもので、貪欲な人はとても美しく逞しく、魅力的に見える。

今の私の側には、そんな貪欲に見える人達がたくさんいて、羨ましさを感じている。

自分と比べて、というよりは、客観的にみていてとても楽しそうに生きているように見える。きっと楽しく生きている。

なんとなくで満たされている私は、このままが続くのが怖い。

何となくでも一応生きていける世界だけれど、そんなつまらなすぎる人生を送る気はない。


普通であることが怖かった高校時代、私の親友に「私って何でこんなに普通なんだろう」と相談したことがあった。

その親友は、「全然普通じゃないよ笑」とおかしそうに笑っていた。

その時の私には新鮮な言葉だった。

誰かの野望を真似したいわけでも、誰かの欲望を真似したいわけでもない。

私の、私のための、私だけの野望と欲望が欲しい。


自分のことは、きっと一生誰よりもわからない。

思っている以上に自分のことを話すのは難しい。

そう、だからこそそれを語れる人たちは美しいのか。

欲張りになりたい、という欲が、今の私の唯一の欲であることは間違いない。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?