重荷を下ろす、迎え入れる
モクちゃん、読みました。
筆無精のぼくは他のお便りに返事を出せていないままだけど、これを放ってはいけない気持ちになって書いています。
モクちゃんが書いてくれた彼との想い出の断片を読むだけでも、大切な猫が逃げてしまったこと、そして帰ってきていないことがモクちゃんの生活と何よりも内面にどれほどのインパクトを与えているか察するに余りあります。
すでにモクちゃんが気づいて書いていたことと重なる部分はあるけれど、ぼくの思ったことを書いてみます。
モクちゃんの愛猫は、このプロセスのなかでは、モクちゃんなのではないかと思っています。
彼がモクちゃんにしてくれたこと、彼がモクちゃんにもたらしてくれたことは、そのままモクちゃんがモクちゃん自身に与えてくれたことなのではないか?
そして、いまモクちゃんは、モクちゃん自身を見失っている。
明らかに、いつものモクちゃんじゃないよね?
モクちゃんが愛猫の姿を見ることを渇望するが故に、愛猫の気配とは違うものに、その姿を見てしまった。
同じように、モクちゃんが過去のモクちゃんを見たまま、今のモクちゃんの姿を、気配を、エネルギーをまっすぐに受け取れていないのではないか?
いまのモクちゃんをいまの姿たらしめるために、愛猫がしてくれたことに感謝を向けるように、愛おしく大切な瞬間として抱き抱えるように、過去のモクちゃんがモクちゃん自身にしてきたことを祝福して感謝を向けたとき、いまのモクちゃんの姿はどう見えるだろうか?
「世界はわたしを愛している。」とモクちゃんは書いていた。
そして、きっと疑うべくもなくモクちゃんは世界を愛しているだろう。
モクちゃんはモクちゃんを愛しているだろうか?
祈りの先にモクちゃんもいるのだろうか?
愛猫と一緒に過去のモクちゃんはひとつの役割を終えたのではないか?
役割を担いきって、重荷を下ろしたとき、過去のモクちゃんと愛猫の彼は軽々しく新たな生活を歩むのではないか?
ひょっこり帰ってきたとき、いまのありのままの姿のモクちゃんはどうやって彼を迎え入れるだろうか?モクちゃん自身を迎え入れるだろうか?
いち早く彼が帰ってきますように
モクちゃんらしさが帰ってきますように
サン
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