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歯槽骨はどこまで回復できるか?  #17

note記事 #15 「歯を残す工夫・片山式暫間固定編」で、
歯科の常識では抜歯と診断される歯を保存するための方法について、その一端を記した。
暫間固定のテクニックは重要であるが、患者さんの家庭療養、オーラルフィジオセラピー(自然良能賦活療法)が決め手となる。

現在の抜歯基準はどうなっているのだろうか?
思うに、40年前からさほど変化は無い様だ。
いや、インプラントがカジュアルになった現在では、
「苦労して重症歯周病の歯を残すより、抜歯してインプラント」が一般的になっているのかも知れない。

部品交換医療の方が結果は早い。
根本的な原因除去療法、生活習慣の中から病因を除去すること無く、歯の修復処置だけが進むから。


重症例の骨の回復

今回は、30代女性の重症例。

30代女性・初診時

あちこち抜けた歯もあり、グラグラの歯も沢山です。
今回はここ、

グラグラで上下左右に揺れる左下奥歯

左下最後方の歯、手前の歯が欠損している
「孤立歯」のケース。
ブリッジの土台の歯だけど、グラグラ、ふらふらの状態。

プラスチックの仮歯を利用して暫間固定と
噛み合わせの修正を実施。

仮歯を利用した暫間固定と噛み合わせ治療


オーラルフィジオセラピー

ブラッシング、ウガイの仕方、禁煙、食べ方・噛み方の工夫、唾液分泌量増加の為のアレコレ・・・等々
家族を巻き込んでの生活習慣改善の結果だ。
もちろん歯科医院サイドの技術も大切だ。

周囲の骨が回復してきた


1年後


骨の回復

骨の回復、歯の移動に合わせた仮歯の調整。
もちろん、そこに至る生活習慣の改善、
オーラルフィジオセラピー(自然良能賦活療法)の効果。

デジタル画像の落とし穴

ここで、初診時の診査・診断における問題点を一つ。
今回提示したレントゲン写真の画像は、
旧来のフィルム式だ。

デジタルレントゲン写真ではカットされてしまう像がある。

片山は「一時避難している骨」と言っていた。

レントゲンフィルムで見ると、骨吸収した黒い部分に
ボンヤリ霞がかかった様な、微かに白い像が伺える。
残念ながら、今回提示の写真では、実際のフィルム画像
の様な緻密な像は表現しきれないが・・・。

また、インドネシアの伝統音楽・ガムランの様な
可聴域を超えた高周波音が脳血流量を増加するという。

この可聴域を超えた音というのもデジタルではカットされてしまうので、デジタル音源でガムラン音楽をいくら聴いても血流に変化は無いということ。

アナログで積み上げた情報や技術を元に、デジタルを上手く融合させることで、デジ・アナ融合、相乗効果が期待できるというものだ。

今後は、デジ・アナ融合の咀嚼運動解析と治療についても
記してみたいと思う。




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