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髪を染めるだけで大葛藤さ

定期的に白髪が気になるようなお年頃になった。いつの間にか。
白髪を染めるって、結構面倒なことで
しかも、かなりお金がかかることなので
これはなかなか、由々しき問題だったりするのだ。

美容室に行って染めるとなると、
せっかくなら、カットしたりセットしたりしてもらいたいので
サラッと一万円を超えてしまう。
若い頃は、まぁどんな髪型でもそこそこ似合ったから、
たまに行く美容室は、癒し&新しい自分の発見が嬉しかった。

だけど、お年頃のせいなのか、
普段の活力不足が顔に出ているのか、
美容師さんの腕でも私の顔は映えなくなってきていて、
事後なのに映えてない鏡の中の自分と対面するのは、
実はかなり耐え難い拷問の様相を呈してきており…。

美容師さんの腕が悪いわけでもないだろうに、
ついつい足が遠のいて、
ここ最近10年くらいは、美容室迷子。
美容室に行くって、ウキウキするものだったはずなのに、
いつの間にか憂鬱な作業。

手がかからないならそれに越したことはない、
くらいの認識になってきていた。

なのに、のに!
白髪さんったら、放っておいたら容赦なく増えて、
ものすごい攻撃力で顔の印象を変える。
「若白髪」と呼んでいたのはいつの日のことだったか
いつの間にか、しっかり白髪。

ちなみに身の回りには、
素敵なグレーヘアを楽しんでいる友人もいるのだけど、
自分はまだ、そこまでは増えていなくて。
いつまでも現実や鏡の中と向き合わないわけにもいかないので、

白髪染めを、いかに憂鬱じゃなく乗り切るか!
という大きな課題に、この週末は挑戦してみることにしたのだ。

何かを無くす、という考えからの脱却

まずは、白髪にフォーカスするのではなく、
自分のなりたい髪色におしゃれ染めする、という意識に
フォーカスを変えた。

これって、新しい考え方ではなく
一般的で当たり前なんだろうけれど、
髪を染める、という行為に一度面倒臭さを感じてしまうと
なかなかそこから脱却できなくて、
髪色を変えるウキウキよりも、
髪染めの面倒さや、美容室に行く憂鬱さの方が
優ってしまっていたのだ。

経済的にも、メンタル的にも、
これ以上美容室は通えないので、
自宅で染めることにした。

だが、いざ、自宅で髪染めをしよう、と思っても、
ここにもハードルがあって、
薬局に行くと、髪染め液の種類がありすぎて、
選ぶだけでぐったり疲れて結局選べないのだ。

なので、
「ときめいたら、ときめくことをやろう
 ときめかなかったら、今回は中止」
という、シンプルな思考で薬局に向かった。

選ぶ、というより、ぼんやり棚を眺めて、
似合うかな、とか
職場ではどうかな、とか
そういう思考を全部排除して
自分がウキウキするかどうか、という基準で髪染め液を選んだ。

頭の思考をストップして、
感覚だけで自分が手に取った髪染め液は、
自分よりも年配?の奥様がパッケージに描かれた
グレーブラウンの落ち着いた色だった。
今までは、
せっかく染めるなら、もっと明るい色にしたいな、とか
でも明るすぎて、似合わなかったらどうしよう、とか
色々考えてしまって、どの色を選んでもモヤモヤしていたけれど、
思考を排除して選んだら、結構意外な商品を手に取っていた。

髪染めは、主人に手伝ってもらった。
一人でやろうとしたら、握力が足りなくて
髪染め液のボトルを絞れなかったのだ(非力)

一人でやっていたら、ここで挫折だったろう。

無事に髪染め液を塗り終わって、
シャンプーも終わって、
髪の毛を乾かすときに、
この染色液の良さに気がついた。

この染色液には、髪染め前用と髪染め後用の
二種類のトリートメントが入っていたのだ。

ドライヤーで乾かしてみると、
ほんのりブラウンになった髪が
ツヤッツヤになっていて、
久しぶりにウキウキした。

白髪がちゃんと染まっているか、とか
髪色はどうか、とか
気にならないくらい、
髪の毛がツヤッツヤになっていて、
必死でマイナスを埋めようとしていた心が
じわーっと満たされるのを
感じたのでした。



#髪を染めた日

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