今、まちでは自由に遊べる場所が渇望されている
皆さん、まちを楽しめていますか?自由に遊んでいますか?
自宅の敷地内ならともかく、まちの公共スペースでのびのびと自由に過ごせていると感じる人は少ないのではないでしょうか。
あれはダメ、これもダメ。
いつしか公共の空間を使用するルールはいくつも重ねられていき、利用する方も「こんなことやっちゃだめだよね?」と自ら行動を制限してしまっているように見えます。
しかし、本来まちはもっと多くの人に開かれていて、人々が自由に遊べる可能性をもった場所なのです。
公園に見る、公共空間の窮屈さ
不自由で窮屈になっている場所の典型が「公園」です。
本来、法律で決まっている公園での禁止事項はそんなに多くはありません。ざっくりと言うと、「公園の設備や木々などを傷つける行為」と「無許可での販売行為・占有行為」が禁止されている程度です。
※詳細は、都市公園法 第一章の第十一条、第十二条に書かれています。
しかし、実際には、今の公園には数えきれないほどのルールがあります。
・花火禁止
・ボール遊び禁止
・大声禁止
・ペット禁止
・・・その他にもたくさん。
※画像引用:NHK「WEB特集 公園のルール多すぎない?」
地方自治体による公園の管理は、非常に少ない人数で行われています。そのため、一つひとつの問題に対処する余裕もなく、クレームを言う人の意見が重視されている現状です。
結果として、法律では問題のない行為でも、その地域の条例やその公園独自のルールとして禁止されてしまっているのです。
公園に行ったら、ピクニックだってしたいし、キャッチボールもしたい。子ども達だって自由に遊びまわれたほうがきっと楽しいはずです。
しかし、全部だめ。そうなるともう公園に行く意味はなくなります。
公園だけではありません。
今は、「誰かの迷惑になるかもしれない」行為を禁止する傾向はますます強くなっています。
町中のちょっとした段差を見つけては練習していたスケボー少年たちも、ガラス張りのビルの前で踊っていたストリートダンサーたちも、(私の肌感覚ですが)ずいぶん少なくなったな、と感じます。
遊べる場所に、人は集まってくる
遊べる場所がなくなったからといって、私たちの「遊びたい」気持ちがなくなるかと言えば、そうではありません。
子どもだって、大人だって、やっぱり「遊びたい」。
ここでビジネス的に考えてみます。遊びたいけれど、遊べない人たちに場所を提供するとどうなるでしょうか?
そう、人が集まってくるのです。
例えば、「屋台」。東京も福岡も、規制の強化によってそれまでまちの風景を作ってきた屋台の多くが姿を消してしまいました。
しかし一方で、「屋台村」と言われるような施設は大変人気で、観光の目玉にもなっています。
※画像引用 「渋谷横丁」公式サイト
衛生問題や道路の占有など、屋台が規制される論理的理由に納得できたとしても、「外で、皆でぎゅうぎゅうに座って、ワイワイ飲んで食べて楽しみたい」という人の欲は残ります。
その欲が、わざわざお金を払ってでも、家から離れていても、その体験ができるところまで足を運ぶ動機になります。
田舎こそ、自由を、遊びをつくろう。
以前のnoteでご紹介しましたが、千葉県の八街市小谷流にあるホテル「DOGGY'S ISLAND(ドギーズアイランド)」は、愛犬と過ごすためだけのホテルです。
都会では、愛犬と走り回ることも簡単ではありません。東京の人が抱えるその窮屈さに目をつけたわけです。
広大な土地を使い、愛犬と自由にのびのびと遊べることをコンセプトに打ち出し、今大人気の施設となっています。
田舎には、広くて安い土地があります。自然もあります。そして場所にもよりますが都会ほどはルールや規制が厳しくありません。
田舎のまちづくりは、都会のまちづくりとは違います。その場所にあるものを活かして、できることから初めていくべきです。
「遊びたい」
人々のその欲に対して、田舎の自然や自由さは、大きな武器になります。
1人ひとりも、もっと自由に遊んでいい
今このnoteを呼んでくれている一人ひとりも、本当はもっと自分から自由に思いっきりまちを遊んでいいのです。
迷惑、クレーム、通報、周囲の目…。ルールで「OK」と明文化されていないことをするのは憚られる風潮で、無意識のうちに「やりたいこと」を我慢していませんか?
実は、道路や公園、河川に関する法律で禁じられていることは、一般に考えられているよりもずっと少ないのです。
「法律を守ること」「周囲への気遣いを忘れないこと」この2つを守りながら、あなたの遊びをぜひ見つけてみてください。
株式会社SUMUS 代表取締役
小林 大輔
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