「半径200メートル」に人を集めれば、田舎のまちも「上場」できる〜地方のハコモノが賑わいを産まない理由
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「半径200メートル」に人を集めれば、田舎のまちも「上場」できる〜地方のハコモノが賑わいを産まない理由

小林大輔-#まち上場 で「幸せなまち」をつくる

街づくり、町おこし、地方創生…

日本全国、どんな地域でもその土地を盛り上げようとする取り組みは行われています。しかし結果を出している地域はほんの一握りです。

地方の田舎まちが、東京や福岡のような大都市、あるいは京都のような人気観光地と同じような戦い方をしようとしても、すぐに力尽きてしまいます。

田舎には、田舎の戦い方があるのです。

「まち」の単位を再定義する

まちづくりをしている、という話をすると、

「〇〇市も盛り上げたいんです。」
「僕たちの住む▲▲町も頑張ります!」

と言うコメントをいただくことがあります。

全国で同じような志を持っている人がいると知り、嬉しい気持ちになる一方で、地方のまちづくりを語る上で、〇〇市、▲▲町、といった従来の市区町村単位での変革は範囲が広すぎるとも感じます。

これまでのまちづくりは、行政主導で、まず大きな絵(都市計画)を描くことからスタートしていました。そこから、各地域、エリアに計画を落とし込んでいきました。

しかし、人口減少が進み、都市と田舎の二極化がますます顕著になる中、そうした計画からはあぶれてしまう地域が出てきます。

また、行政主導の「最大多数の幸福」を目指すようなまちづくりでは、どうしても、どの地域も同じような計画に終始してしまいがちです。

これからの田舎まちにできることは、コンセプトを尖らせて差別化したまちづくりを、自分たちで行うこと。

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<とある地域の再生を企み中…>

お金もなく、人も少ない地方の田舎まちが、予算の潤沢な大都市や、放っておいても人が訪れるような観光地と同じ戦略をとることは不可能です。

私の考える田舎のまちづくりは、従来のまちづくりの矢印とは真逆です。小さくはじめ、成功を積み重ねながら、周囲も連鎖的に開発をしていきます。

そのための「まち」の最小ロットは、半径200メートル。

人々が歩いて周遊でき、コンセプトの統一が可能で、経営資源が限られた小さな組織でも始められる範囲です。

半径200メートルのまちづくり
―アクティビティファースト

私たちが「半径200メートルのまちづくり」とセットで推進しているのが「アクティビティファースト」という考え方です。

半径200メートルのまち中に、人が集まる仕掛け(=アクティビティ)を10以上作ることを目指します。

人が集まる仕掛け、アクティビティの例として

・偶然、知人と会う
・買い物をする
・勉強や読書をする
・異業種交流の企画に参加する
・友人とのおしゃべり
・スポーツをする
・エンターテインメントを満喫する
・音楽を演奏する・聴く
・美味しい食事を楽しむ
・夜、恋人とお酒を楽しむ

などが挙げられます。

このようにアクティビティを基本とする考え方を、「アクティビティファースト」と言います。

この考え方の基本となっているのは、都市デザインを推進するアメリカの組織「PPS(Project for Public Spaces)」が提唱するザ・パワーオブ10という考え方です。

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<参考画像>
引用元:https://www.pps.org/article/the-power-of-10

◆10以上のアクティビティが展開されている場所→プレイス
◆10以上のプレイスが集まる地区→エリア
◆10以上のエリアが集まる都市の中心的な市街地→ダウンタウン

このように定義されています。

田舎のまちづくりでまず目指すのは、この、10以上のアクティビティが展開されている、「プレイス」です。

よく、地方の田舎まちで、周囲の環境に馴染まない立派な体育館等のハコモノが作られたものの、うまく活用されないままになっています。

ハコモノが悪いわけではありません。これも、アクティビティファーストの目線で見ると、うまくいかない理由が分かります。

アクティビティが1つしかないからです。

例えば体育館の場合、「運動をする」というアクティビティを終えた後、他にすることがなければ、そのまま帰ってしまうか、別の場所に移動をしますよね。

つまり、そのプレイスから離脱をしてしまいます。

アクティビティが複数あれば、そこに訪れた人がその場所の中で周遊することができるようになるのです。

まちづくりを考える上では、一つのアクティビティを行って終わりとならない、つまり離脱させないような仕組みを考えることが、ものすごく大事です。

最初の目標は、年間1万人。そして、まち上場へ。

田舎のまちづくりは、スモールスタートが基本です。半径200メートルのまちづくり、と言っても一気に完成を目指すのではなく、一つずつ着手していきます。

最初の目標は、年間1万人です。(※延べ数ではなく、人数です。ユニークユーザー数。)リピート率はその次の指標になりますが、ざっくりと月の訪問数が1000人くらいでしょうか。

まず最初の目標を到達したら、次の仕掛けに移ります。そのようにして少しずつ「プレイス」を充実させていきます。

むしろ、まだ未完の風景をあえて残し、余白を設けておくことが、その先の未来を感じさせるという意味で重要であることもあります。

半径200メートルの小さなまちが、賑わい、人が集まるようになると、それに応じて、その周辺の地価が上がっていきます。

これまでは仲介する不動産屋すらなかった土地に、値が付き、流動性が上がり始めます。

私たちはこれを、「まち上場」と名付けています。

まち上場については、また改めてnoteの中で語りたいと思っていますが、半径200メートルのまちづくりの目指す先は、この「まち上場」というわけです。

次回のnoteでは、この「半径200メートルのまちづくり」を実際に行っている事例をご紹介したいと思います。

株式会社SUMUS 代表取締役
小林 大輔

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小林大輔-#まち上場 で「幸せなまち」をつくる
株式会社SUMUS 代表取締役社長。 住宅メーカーに特化した経営コンサルティング事業を行い、500社以上のクライアントをサポートしています。 ライフワークは「幸せなまち」を作ること。noteでは主にまちづくりに関する発信をしていきます。