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Coupe du Japon MTB 2023 八幡浜 レース展望

私にとって五回目の八幡浜。ですが、歴史はもっと長いです。
日本のMTB XCO頂点を決めるシリーズ戦としてJシリーズが始まったのが2001年。その翌年2002年、この八幡浜でJシリーズの1戦が初めて開催されました。2005年までの四年間はJ2でしたが、2006年からJ1に規模拡大し、それ以降、2020年にアイツの対応で無念の中止を挟みましたが、日本を代表するXCOの大会としてずっと継続開催されています。J3 2戦(2016 TT)、J2 4戦、五輪選考1戦、J1 9戦、CJ-U 6戦、CN1戦(2021)そして、2023年もCJ-Uとして開催されます。

いろいろ開催格式の差もあって今回が何回目と言いづらいのですが、開催年度で21年目、シリーズタイトル戦(J1/CJ1以上)として17戦目となりますでしょうか。

また、八幡浜は五輪との縁も深く、2004年にはアテネ五輪の選考大会がシリーズ戦とは別に開催されたり、2008年、2012年、2016年もシリーズ戦の中でオリンピック選考の大会として他の大会とは別の性格を与えられて開催されていましたね。2020(2021)年、そして2024年は一発選考の形はとらなくなったのですが、また、一発選考の形を取ることになれば5月末開催の八幡浜がまた五輪に関わることになるのでしょうね。

UCIのカレンダーに載る大会としての歴史も長く、2007年にUCI C3、2015年にUCI C2、2016年にはUCI C1、そして2021年にローカルレースとしては最高峰と言えるHC(オークラス)としての開催となりました。レース参戦者関係外の観戦者が特筆して多いのもこの大会の特徴であり、地域に密着してこの大会を大切に育ててきてくださった八幡浜の関係者に対して感謝と賞賛の気持ちでいっぱいになりますね。

2019年の勝者が、キリル(カザフ)とアリアナ(フィリピン)になったのも国際色の高いこの大会の象徴的な出来事でした。彼奴が来なかったら2020東京五輪の日本前哨戦としてどれだけの有名どころが来ていたのか……たらればですね。

野口忍、竹谷賢二、竹谷賢二、白石真悟、野口忍、辻浦圭一、山本幸平、クーパーディラン、山本和弘、山本幸平、斉藤亮、斉藤亮、小野寺健、山本幸平、沢田時(平林安里)、山本幸平、キリル・カゼンセフ、沢田時、竹内遼

高橋いずみ、南部博子、深井薫、片山梨絵、片山梨絵、片山梨絵、片山梨絵、片山梨絵、中込由香里、中込由香里、片山梨絵、末政実緒、小林可奈子、小林可奈子、末政実緒、今井美穂(アリアナ・ドミトリオ)、アリアナ・ドミトリオ、アリアナ・ドミトリオ、橋口陽子、小林あか里

歴代優勝者を見るに、2005白石真悟がまず引っかかりますね。昨シーズン後半からマスターズで岡本紘幸と二人別世界を形成する白石真悟。今、ユースに挑戦し始める少年少女たちが生まれた頃この界隈をブイブイ言わせていた人、だと言うことをどれだけの人が知って観戦しているのでしょうかね。

最多勝利は片山梨絵6勝。山本幸平4勝。幸平は五輪選考の三レースを含む4勝であり、全日本連覇を重ねた二人の勝ち数を見るにこの大会の重みを感じます。

今回のエントリーの中で勝った経験があるのは、男子で沢田時、竹内遼、平林安里(2017 U23混走レースで全体/U23優勝)、女子ではアリアナ、橋口陽子、小林あか里。川口うららが八幡浜で勝ったイメージがあったのですが、2021年全日本U23でした。

さて、昨年も取り上げた話題ですが、この大会は25位までがUCIポイントがもらえる大会です。全日本が10位までですから、エリート-2Lap位で踏ん張っている人も、もしかしたら俺でも獲れるか?と思える大会になります。UCIポイントが持つ意味は今年は特に高く、此処で獲れば来年のエリート残留が確定します。2023年ナショナルランキング80位(予想残留順位)からはずれても、ここで25位1ポイントが獲得できれば残留です。

昨年は、展望で地元SOHAYA上野亮を予想して見事当ててしまう(笑)という奇跡が起こりましたが、さて今年はどうなるでしょう。

男子エリート

Top 5からは、前年優勝竹内遼、前戦朽木優勝宮津旭、2022全日本覇者平林安里、2021八幡浜勝者沢田時の4人が顔を揃えます。北林力はチェコ・ノヴェメスト→スイス・レンツァーハイデの海外パックで不参加。

UCI大会故の海外からの参戦は、Japan MTB Cupで3位表彰台のリヤド・ハキム・ビン・ラクマン(シンガポール)とフィリピンからの3人、計4人。

リヤド・ハキム(25)はシンガポールのナショナルチャンピオン(XCO/XCC)です。昨年のJapan MTB Cupで3位、安里の後ろ旭の前でフィニッシュをしたことになります。間違いなく優勝候補の一角と言って差し支えないでしょう。また、XCEのワールドカップでは世界を相手にファイナリストになっており、アジアXCEの星とも言える選手ですね。ただ、アジア選手権XCOでは11位。2023年3月のタイでの大会では14位(リッキー+4分)で安定して速いという成績ではないです。

フィリピンからの3人、エドメル・ジョン・フローレス(28)、マーク・ローウェル・バルデラマ(22)、ジェリコ・リベラ(23)はそれぞれフィリピンの1位、2位、6位の選手。エドメル・ジョンはタイの大会でリヤド・ハキムの前10位。ジェリコはアジ選7位、東南亜大会で3位であり、トップ争いは来なくとも同一周回レベルにはいる選手だと考えられます。アジアのレベルなにげに上がってます。

ラテン系、イスラム系の人って、ファーストネームが2つ有るけど、どの名前で応援されるのが良いのでしょうね。……ホセ・アントニオ・エルミダのケースではどの名前で応援しますか? ファーストネームが1つなら迷わないのですが。。。

143 リヤド・ハキム →リヤド
141 エドメル・ジョン →エドメル
142 マーク・ローウェル →マーク
140 ジェリコ
で一応覚えておきます(笑)

朽木でXCCをさくっと制し、そのままXCOも獲ると思われたがトラブルで失速の平林安里。ぶれずに淡々とタイムを刻んでがれがれ登りの朽木で優勝の宮津旭。菖蒲谷でリッキーに食らいつく2位からの体調崩して朽木DNS竹内遼。菖蒲谷ではリッキーお遼に絡めず3位ながら大舞台は強い沢田時。ここにリヤドを絡めて、あとは、UCIポイントランキング日本人1位の村上功太郎に地元パワーも期待して引っかき回してもらいましょうか。

対リヤドに対する優位性と朽木での課題を修正してくると考えて、安里としておきましょう。

注目の25位予想ですが、、、、25番コールは箭内秀平。昨年25位1ポイントホルダーの上野亮は30番コール。ううむ。UCIポイント持ちからでは面白くない?ので、話題性からすると、、、、持たずトップの大橋優、よしこ❤代田和明、マスターズから鞍替え多賀良成、音速の菖蒲師小野良太、菖蒲谷朽木とレポート連続掲載のSOHAYA橋本将吾が昇格第一戦、スキーで世界を渡り歩く八幡浜でよく会うBG8穴田玖舟、あら、ここ八幡浜にはいろいろ縁のある我が同僚山西健司もいますね。

UCIポイント持ち30人を交わして25位を獲りに来るのは穴田玖舟としておきましょう。

男子 U23

NEXT 5 に名前が挙がるメンツの戦いです。

HCはルール上U23の人はU23でもエリートでもどちらにでもエントリーできる大会で、U23は60P、エリートは100P。全体で余裕でトップならエリートで100P獲る方が賢いです。アジ選で獲れず、世界戦で五輪枠獲得となった場合UCIポイントで決まる、と考えたら……という人は今回U23の男子のメンツにはいなかったということですね。

テクニカルな修善寺で全日本U23を制し、朽木XCC3位XCO2位の副島達海でが本命でしょう。菖蒲谷U23世代1位の松本一成、朽木U23世代2位の鈴木来人までの3人で表彰台のイメージ。

846卒業生代表は譲れないとたつーみに対して意地を見せるか高本亮太、本格活動3年目で体格的有利を成績に繫げられれば2つくらい上のステージに上がってきそうな森下尚仁、昨年千葉で皮むけ宣言した日体大山口創平はそろそろ真髄を見せる?か、NESTOチーム加入で成長を見せる長見真左哉、そして、立命館高本亮太の後輩になった九州宮崎産楠皓雅。この年代は、誰もがずるっと皮が剝けてもおかしくないので、良い意味で予想を裏切って欲しいですね。

って終わりません。本当の優勝者候補は別にいます。

150 Seonghun Chun 
천성훈 チョンソンフンは現時点エントリーリスト上一番下にいますが、2022アジア選手権U23の優勝者です。アジ戦の結果のみのポイントでUCIは455位。本来はリストで一番上に居るはずです。アジ選in韓国では功太郎-7分。来人-9分で勝ちました。日本の地元勢が……と言っても直距離だと一成と同じくらいです(笑)。

CJは2018年、2019年と八幡浜でJuniorを走っていて、3位(功太郎優勝)と2位(一成優勝)です。昨年のアジ選in韓国では勝ったけど、日本ではまだ勝っていないとも言えます。来人が9分差を場所を日韓入れ替えてリベンジするかという見方も面白いですね。

ちなみに천성훈は2017年から私とFBのお友達(笑)です。CJは2018年からなので、それより前のCJの結果に乗らないどこかの前座レースでCJを走っていたと思われます。共通のお友達は68人なのでそれなりに日本人のお友達も居る選手ですね。アジ選優勝者の胸を借りましょうか。

英語の綴りはChunですが、ハングル見る限りは発音はチョンです。

ってことで、アジ戦勝者は強いのだ(←リッキー)という思いもこめてチョンソンフンにぶっちぎってもらいましょうか。천성훈씨. 아시아 챔피언십 우승자는 매우 강한 것을 보여주세요.

女子エリート

こちらは100P獲る気満々でU23小林あか里がエリートに参戦です。海外勢はフィリピン、台湾から4人。八幡浜2017,18,19と三連勝のアリアナ・ドミトリオ(フィリピン)はアリアナ・エヴァンゲリスタと日本受けしそうな名前になって来日です。

アジ選では4位にTSAI Ya Yu 蔡雅羽 サイ・ヤユ(台湾)、9位にシェイン・ポーラ・ヤオヤオ(フィリピン)。今年三月のタイカップ#1では、2位サイヤユ、5位アリアナ、9位シェイン・ポーラでした。

外国勢のサイヤユとアリアナ vs. 日本勢あか里と川口うららという構図と、日本のトップは誰だ!! あか里 vs. うららという構図の2つの見方が出来ると思います。五輪枠確保のアジ選ではサイヤユとアリアナもいるので、10月末のアジ選に向けての布石という意味合い(情報戦)もあります。

日本の若い二人が海外勢を翻弄してワンツーとして、さて、どちらが前に来るか。うらら vs. あか里で言うと、一昨年の全日本U23はうららの勝ち、昨年HCでのエリートレースはあか里の勝ち。 全日本七月ではなくシーズン後半10月アジ選にピークを持っていく流れの中で五月の八幡浜。チェコで思った走りが出来なかったあか里、昨年体調を崩してレースから離れる事の多かったうらら。言い訳ネタが多いんですよ(笑)。

ううむ。正直、10月ピークへのそれぞれの考え方で五月がどうなのか全然分かりません。ということで、ドラマ的に強いうららの復活に期待。

女子U23

浜下玲音一人。レース自体は混走で目標持って走れると思うので、完走でUCIポイント60P、エリート3位相当をゲットしましょう。

表紙の絵は女子エリート出走数段とつ1位の佐藤(重兼)みゆきさんです。

4000字 原稿用紙10枚分超えたので つづく


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