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2023MTB世界選手権 五輪枠展望のつづき

MTB世界選手権エントリーリスト出ました。
ということで、具体的に見つめ直してみましょう。いやあ、改めて書く必要があるほどの大きな変化がありました。

https://note.com/sumpu/n/nba9aaa3ba0e8

前回のNoteはこれ↑
世界選手権にも五輪枠確保の可能性があるという内容です。

で、今回の世界選手権のメンバーです。

Men Elite 北林力
Men Junior  高橋翔
Men Junior 嶋崎亮我
Women Elite 川口うらら
Women U23 小林あか里
Women Junior 日吉愛華

観客の立ち位置からすると、同一周回完走できるメンバーでなければ選出しない、という選出条件と、渡航費は自費で、というのがなんともちぐはぐなイメージを感じています。渡航費以外のJCF費用負担が選出一人当たりどれほど増えるのかは分からないですが、渡航費は自費でというのであれば、もう少し多く選出しても良いのではないかなと思ってしまったりします。

五輪枠もかかっているのですから。←此処重要

選出人数は六人。男子3人女子3人。レース初日に行われるTeam relayの最小参戦人数です。
6名の基本構成はME,MU,MJ,WE,WU,WJ。6人の出走順番は決まっていないので、各国の戦略が絡み合ってなかなかに面白いです。クラス間で代走が可能で、ME→MU,MJ,WE,WU,WJ。MU→MJ,WE,WU,WJ。MJ→WJ。WE→WU,WJ、WU→WJという関係なので、理論上はWomen Junior六人でもTeam Relay出走可能です(笑)。というかWomen Juniorは代走不可なのでWomen Juniorが居ないとTeam Relayには出られません。日吉愛華の存在はこの面でとても大きいです。

Team Relayは8/9。TISSOTが分かりやすいLive Timingに進化していることに期待。

さて、本題の五輪枠の話ですが、対象はエリートとU23です。男子でその枠を獲りにいけるのはアジアチャンプである北林力のみ。

ランキング枠19位まで、は毎週更新されていて、来年5月に確定。
男子ランキング枠(2023/8/1時点)
2人枠
スイス、フランス、イタリア、スペイン、ベルギー、ドイツ、ブラジル、イギリス
1人枠
南ア、カナダ、オーストリー、デンマーク、ニュージーランド、アメリカ、ポーランド、ノルウェー、ルーマニア、チリ、チェコ

前回考察7/11から変動は有るものの、大量ポイントの入る国内選手権が一通りカウントされたあとでも19位と20位の間には550ポイントの差があるので、この19ヶ国でほぼ決定です。日本は36位。(全日本と八幡浜)x2+αの1094ポイント。国枠は遠いです。

男子大陸枠(アジア以外は決定)は前回考察と変わらず。
アジア・日本(仮) 2022結果
アフリカ・ナミビア(2023 6位) 南ア(1-5位)なれどランキング枠獲得確実
アメリカ・メキシコ(2023 1位)

八月に開催される世界選手権でどの国が枠を確保するのか。エリート二枠、U23が二枠です。エントリーリストから上記21ヶ国以外の選手を抜き出して個人ランキングで並べてみます。

11位 マーティン・ブルム(ラトビア)
32位 ギリー・ゴネン(イスラエル)   WC 42,66,66,72位
65位 PALUMBY Zsombor HUN   CW 47位(2022)
75位 PÉREZ ROMÁN Georwi PUR  WC 36,63位
77位 CONTRERAS Joel Fernando ARG   CW 72位(2022)  CC 3位
91位 DURAN Agustin ARG WCU23 47位(2022)
103位 BOTERO VILLEGAS Jhonnatan COL    WC 22位(2022)
104位 LÓPEZ Luis HON CC 10位
105位 北林力 (日本)  WC 90,91,99位 CC 1位(2022)
111位 LEVI Eitan ISR CN 2位
117位 ULÍK Matej SVK    WC 82,89位
123位 ZALTSMAN Tomer ISR
151位 DAWSON Christopher IRL   WC 62,74位  CN 1位
188位 FANANI Zaenal INA  CC 3位(2022)
193位 TITARENKO Dmytro UKR 
287位 ARIAS CUERVO Diego Alfonso COL CN 1位
305位 MUSUNDI Pressmore ZIM   CC18位
527位 VADER Milan NED
1360位 ENTEZARIOON Mohammadreza REF(難民)     WC 111位
1209位 FARFAN PALOMINO Frank Kelvin PER  WC  95,103位
-位 マチュー・ファン・デル・プール(オランダ)
-位 ペーター・サガン(スロバキア)
-位 JONSSON Kristinn ISL CN 2位
-位 NDUNGU Edwin KEN CC16位
-位 RANA MAGAR Suraj  NEP 

と並べてみましたが、リッキー行けるか、、、という期待より、一発獲得を狙う3人の名前に釘付けでございます。

ランキング11位のブルム(ラトビア) vs マチュー(オランダ) vs サガン(スロバキア)

いや、まじ面白いでしょ。これ。チャリファン的にはマチューとサガンに五輪に出て欲しいでしょうが、ブルムもランキング11位ですからね。単純にトップを追いかけるだけでなく、この3人の位置関係にも目を配るレースになりそうです。

男子U23はパスします。

女子

ランキング枠(8/1時点)
2人枠
スイス、フランス、オランダ、オーストリー、デンマーク、アメリカ、イタリア、オーストラリア
1人枠
イギリス、ブラジル、スウェーデン、ドイツ、カナダ、ポーランド、ベルギー、チェコ、エストニア、スロベニア、スペイン↑

19位だったウクライナが24位まで落ち、次点に南ア、その後ハンガリー、ポルトガル、イスラエルと続きます。まだまだこの辺りは入れ替わりがありそうです。

大陸枠は変わらず。。。
アジア・中国(仮) 2022結果
アフリカ・南ア(2023 1位) 
アメリカ・メキシコ(2023 4位) アメリカ1,2位、ブラジル3位なれどランキング枠獲得確実

女子エリート
38位 ヴィラグ・ブズサキ(ハンガリー)    CW 17位 WC 22,28,42,75位
41位 ラクエル・ケイロス(ポルトガル)    WC 64, 62 77位
46位 ヤナ・ベロモイナ(ウクライナ)   WC 30,35,39,40位
47位 ナーマ・ノイマン(イスラエル)   CW 46位 WC 52,60,65,79位
56位 イングリッド・ヤコブセン(ノルウェー)   CW 24位 WC 41,56,57,67位
93位 ROA MUÑOZ Ana Maria COL
97位 GUTIERREZ Ines ARG
106位 NJEMČEVIĆ Lejla BIH
132位 HYSLOP Stacey ZIM
133位 ROJAS CUBERO Adriana Maria CRC
155位 川口うらら     WC 22位 (2022_U23)
161位 PARTOAZAR Faranak IRI    WCS 51位 WC 54, 58, 67位
162位 YAOYAO Shagne Paula PHI
239位 TEJADA BATISTA Gabriella DOM
271位 アリアナ・エヴァンゲリスタ(フィリピン) CW 67位(2022)
369位 PORRAS Yngrid VEN
398位 CASADEY Josefina ARG    WCS 68位 WC 69, 76位 
442位 MOLINA Michela ECU
-位 AKINYI Nancy KEN
-位 KHANAL Usha NEP 

うららだけではないですが、彼奴の影響もあって世界に出ていない人も多く相対的な力を推し量ることは難しいです。ぶっちゃけワールドカップ20-30位のブズサキ(ハンガリー)とヤナ(ウクライナ)が有力でその2人に絡んでいけたら可能性有りかなというところですね。

ただ、図らずも国枠でぎりぎりのところに居るハンガリー、ポルトガル、イスラエル、ウクライナの選手がランキング上位に綺麗に並んでいて、この辺りはお互いを意識してピリピリしていそう。此処で獲っておけば最悪国枠落としても五輪に出られるのですから。そのピリピリの隙間をぬってサクッとうららかに仕留めてもらいたいですね。

そして、女子U23

38位 サマラ・マックスウェル(ニュージーランド) WC 2,2,6,8位
63位 エレフセリア・ジャッチョ(ギリシア) WC 51, 55位
84位 小林あか里(日本) WC40,41,59位 10位(2022/8)
88位 ナオミ・ルリア(イスラエル) WC 49,63位
92位 アナ・サントス(ポルトガル)  WC 27,51位
95位 ヤレラ・ゴンザレス・オバンド(チリ) WC 12位(2022/8)
111位 チェンゲ・アンナ・ボクロス(ハンガリー) WC 37,48,60位
122位 ミア・キャメロン(ニュージーランド) WC 31,38,40,47位
135位 RODRIGUEZ CRUZ Suheily PUR
140位 SALAMANCA PINZON Maria Jose COL
160位 マリア・スコパロワ(ウクライナ) WC 25,34,57位
169位 PHONKLA Yonthanan THA
202位 カタ・ブランカ・バス(ハンガリー) CN 1位 東京五輪4位
265位 VIDAURRE KOSSMANN Catalina CHI
284位 エブリナ・エルマネ・マルチェンコ(ラトビア) WC 38,39位
309位 CAGUA GONZALEZ Laura Camila COL
357位 BENEDETTI VENTURELLA Julieta ARG
500位 WENZEL Liv LUX WC 46位
525位 RIGUAL MORENO Dannielys Valentina VEN

今回8/1次点で国別19位に上がったスペインが来年5月に落ちてきたら

103位  エスティバリス・サガルドイ・ズンザール(スペイン) WC 35,35,39,39位

も世界選U23枠のライバルです。

さて、前回分析ではニュージーランドのサマラは決定として、スペインのズンザールらとの争いになるのでは、と語りましたが、エントリーが決まって見たところ、なんと、カタ・ブランカ・バス(ハンガリー)が出てきています。そう、2021年7月の修善寺の戦いでヨランダ・ジーナ、リンダのスイス1-2-3に続き4位に入ったあの人です。基本的にCXの人ですが、五輪だけはXCに顔を出すようです。

こりゃ、サマラ(ニュージーランド)とカタブランカ(ハンガリー)で決まりじゃん。

ですが、ここで女子エリートを振り返りましょう。筆頭候補にはブズサキ(ハンガリー)を挙げました。つまり、優先の女子エリートでブズサキが世界選枠を獲ればU23のカタブランカは世界選枠対象外になります。更には国枠でハンガリーは現時点20位で、一つ上がれば国枠獲得で、このルートでも世界選U23枠対象外となります。

よって、前回考察で挙げたラトビアのマルチェンコと国枠ボーダー上のスペインのズンザール、それとスペインが上がった代わりに落ちてきたウクライナのスコパロワ、あと、ポルトガルのアナ・サントスに勝てば、ハンガリーの動向に大きく左右されるものの五輪枠獲得の可能性は大きくなります。

8/11であか里がサマラとカタブランカの次に入って次点を決め、8/12にブズサキ世界選エリート枠確保であか里にU23枠が回ってくるというのがドラマチックと言えるでしょうね。

そうなれば、アジア大陸枠は余裕で狙っていけます。ちなみにアジア枠の方が優先なので獲れば世界選枠は放出となります。

ま、そう事が上手く転がらないことは分かって居ますが、あか里がサマラもカタブランカも置き去りで世界選U23枠をがっちり獲得する方向にぶれると良いなぁと妄想しておきましょう。

全日本の観戦記書かなきゃ(笑)

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