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2023MTB世界選手権 にかかるもの

以前こんな記事を書きました

パリ五輪は全部で72人です。男子36人、女子36人。
ランキング枠
大陸枠
そして、世界選手権枠というものがあります。

世界選手権枠。つまり、八月に行われる世界選手権は五輪枠獲得がかかった大会ということです。日本はランキング枠は既に捨て去り、男子は大陸枠を守り獲り、女子は大陸枠に一琉の望みを掛けるという状態ですが、実はまだ他にもルートがあるという話です。

現時点での出場国をシミュレートしてみましょうか。

まずは男子。

ランキング枠19位まで、は毎週更新されていて、来年5月に確定します。
男子ランキング枠(2023/7/11時点)
2人枠
スイス、フランス、イタリア、スペイン、ベルギー、ドイツ、ブラジル、イギリス
1人枠
カナダ、南ア、ニュージーランド、デンマーク、オーストリー、アメリカ、チリ、ポーランド、ノルウェー、チェコ、ルーマニア

ルーマニア(2265)と次点メキシコ(1636)の間には600ポイントの差があるので、あと一年残っていますがこの19ヶ国でほぼ決定の感じです。ただ、2人枠の争いは先週から入れ替わりがあるほどまだまだ熾烈です。日本は……語るもおこがましい状態です(笑)。

男子大陸枠(アジア以外は決定)
アジア・日本(仮) 2022結果
アフリカ・ナミビア(2023 6位) 南ア(1-5位)なれどランキング枠獲得確実
アメリカ・メキシコ(2023 1位)

ランキング枠次点のメキシコは大陸枠確定です。
ここまででアジア大陸を除く2大陸とランキングの19ヶ国がほぼ決定です。残るはアジア大陸枠と世界選手権枠の4枠の計五枠が未定という状況です。
それと特別枠が2枠ありますがこれは世界情勢でロシアかウクライナあたりではないかなと想像しています。

八月に開催される世界選手権でどの国が枠を確保するのか。エリート二枠、U23が二枠です。2022年の結果で見てみると、

男子世界選枠(2022結果よりランキング枠・大陸枠獲得国を除外)
エリート
11位 マーティン・ブルム(ラトビア)
25位 ダニエル・マコーネル(オーストラリア)
次点 39位 カトリエル・ソト(アルゼンチン)

北林力(日本)は75位。枠のない国を漁ると47位ハンガリー・65位イスラエル・67位ウクライナ・71位コロンビア・72位アルゼンチンの選手の次になります。要は昨年の世界選手権の結果をスライドすると25位がボーダーだし、上には六人居るとなっています。マーティンとダニエルもまだ健在で、順当であれば2人が獲得しそうです。とはいえ、可能性がゼロでは無いので頑張ってほしい。 

U23
29位 オスカー・リンド(スウェーデン)
35位 クリス・ファン・ディク(オランダ)
次点 45位 ギリー・ゴネン(イスラエル)

全日本を湧かせた副島達海、松本一成、柚木伸元、鈴木来人は世界選出たらどんくらい走れるのだろう。昨年ワールドカップで鈴木来人が41位になって居るけれど、それを世界選に(ちょーーーー)強引に置き換えると、10イスラエル、29ウクライナ、30コロンビアの次です。四人目。九人目だったエリートに比べるとそんなに遠くないです。いや、少なくとも- 1 Lapくらいでないと遠いですね。

リッキー一人に枠獲得の重荷を背負わせないように、博打要素が多分にあるにせよ、八月の世界選U23は有力選手を最大限突っ込みたいですね。可能性を自ら投げ捨ててはいけないと思うのです。

一方、女子、こちらは男子とは情勢が違います。

ランキング枠(7/11時点)
2人枠
スイス、フランス、オランダ、オーストリー、アメリカ、イタリア、デンマーク、オーストラリア
1人枠
イギリス、スウェーデン、ブラジル、ドイツ、カナダ、ポーランド、チェコ、ベルギー、エストニア、スロベニア、ウクライナ

17位エストニア(1992)から24位ハンガリー(1679)まで300ポイント。まだまだ予断を許さない状況と言えます。スペイン、ポルトガル、ギリシア、南ア、ハンガリーがあと残り一年で何か仕掛けてくるかもです。特に19位ウクライナ(というより、ヤナ・ベロモイナ)というのが気にかかります。

大陸枠
アジア・中国(仮) 2022結果
アフリカ・南ア(2023 1位) 
アメリカ・メキシコ(2023 4位) アメリカ1,2位、ブラジル3位なれどランキング枠獲得確実

日本はここアジ選のエリートを獲らないと五輪に出られないと考えています。では世界選を考察してみましょう。

女子世界選枠(2022結果)
エリート
24位 イングリッド・ヤコブセン(ノルウェー)
44位 ソフィア・ゴメス(アルゼンチン)
次点 46位 ナーマ・ノイマン(イスラエル)
U23
12位 ラクエル・ケロイス(ポルトガル) 今年は卒業
17位 ヴィラ・ブツァギ(ハンガリー) 今年は卒業
次点 32位 ルビー・ライアン(ニュージーランド)
41位 小林あか里(日本)  33位スペイン、35位コロンビア、37位ハンガリーの次。

エリートであれば(最近日本からの挑戦が途切れていますが)40位で走れれば可能性があると見えます。男子に比べてボーダーが低いのは世界を渡り歩く一匹狼選手が少ない傾向もあるかもです。
昨年の世界選手権でランキング枠大陸枠獲得の国を除外すると、あか里は7番目ということになりますね。
これを今年のワールドカップで見てみると

女子世界選枠(2023WCノヴェメスト結果)
U23
8位 セマラ・マックスウェル(ニュージーランド)
32位 王 慧眼(中国)
次点 35位 エスティバリス・サガルドイ・ズンザール(スペイン)
41位 小林あか里(日本) 

ノヴェメストの結果では次点の次、もし、アジ選で中国が勝った場合を考えると次点になります。つまり、スペインの前に入っていれば、アジ選で負けても枠獲得となる位置です。男子に比べれば圧倒的に近いです。

女子世界選枠(2023WCレンツァーハイデ結果)
U23
6位 セマラ・マックスウェル(ニュージーランド)
39位 エスティバリス・サガルドイ・ズンザール(スペイン)
次点 59位  小林あか里(日本) 

トラブってぎりぎり完走でも次点だったりします。スペインはランキング枠獲得を争っていますし、もしかしたら繰り上がることも考えられます。連続して30位台で走っている選手なのであか里の実力からすれば越えられない選手ではありません。

女子世界選枠(2023WCレオガング結果)
U23
2位 セマラ・マックスウェル(ニュージーランド)
38位 エブリナ・エルマネ・マルチェンコ(ラトビア)
次点 39位 エスティバリス・サガルドイ・ズンザール(スペイン)
40位  小林あか里(日本) 

そしてレオガングでは二人前に入れば枠獲得の位置に居ることが分かります。目の前は例のスペインの選手です。

ということで、1戦でも当確の位置に入っていればもっと期待できるのですが、全く目がないという程でもないというのが分かると思います。好調のセマラ・マックスウェル(ニュージーランド)には届かなくても、ラトビアとスペインの選手に勝てば枠獲得です。アジ選で選手層の厚い中国女子に勝つより可能性高いかも、だったりします。みなさんはどう見ますか?

川口うらら世界選エリート(未定)、小林あか里の世界選U23(未定)に加えて、たまかず増やすために速攻で全日本U23チャンプの石田唯も世界選に追加派遣ですかね。

世界選手権枠はランキング枠に左右されるので結果が出て即決定とはなりませんが、五輪枠獲得がかかった大会です。とりあえず、8/9-12の世界選手権に注目しようというテザリング記事でした(笑)。


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