俳句メモ|型のまとめ(プレバト編)
『プレバト!!』で夏井先生が説明してくださっていた型と句をまとめてみました!
昨年2022年の春頃からちゃんと見始めたので、それ以降の中からとなります。
(敬称略させて頂きます<(_ _)>)
🟧季語+12音のフレーズ
『梅雨夕焼タイムセールへ駆ける父』
(つゆゆやけ たいむせーるへかけるちち)
季語:梅雨夕焼
才能アリ1位(72点)高橋克実
2022/06/09プレバトより
🍀
『夕立や楽譜にカンマ書き入れる』
(ゆうだちや がくふにかんまかきいれる)
季語:夕立
名人10段 フルポン村上
(永世名人に昇格!)
2022/06/02プレバトより
🍀
『雷声や絶島のロンサムジョージ』
(らいせいや ぜっとうのろんさむじょーじ)
季語:雷
名人 キスマイ千賀
(名人5段へ昇格!)
2022/06/09プレバトより
🍀
『夏いよよサンドバッグは歪みけり』
(なついよよ さんどばっぐはゆがみけり)
季語:夏
名人10段 千原ジュニア
(☆獲得ひとつ前進!)
2022/06/23プレバトより
🍀
『緋ダリアや「メール不達」のメール来る』
(ひだりあや めーるふたつのめーるくる)
季語:ダリア
2022年炎帝戦7位 名人6段キスマイ千賀
🌟添削のポイント
「緋ダリアや」⇨「ダリアは緋」
この句の場合は
色の印象を後ろに持ってくる方が、中七下五との響き合いがもっと良くなる。
(ダリアの色は様々だけれど、眼前にあるのは緋色。
様々なメールがある中で「不達のメール」が来る。)
🌟添削後
『ダリヤは緋「メール不達」のメール来る』
(だりあはひ めーるふたつのめーるくる)
2022/7/21プレバトより
🟧12音のフレーズ+季語
『色褪せしフリーペーパー秋浅し』
(いろあせしふりーぺーぱー あきあさし)
(季語:秋浅し)
才能アリ2位(70点)/櫻坂46・小池美波
2022/08/25プレバトより
🍀
『肩ぐるまズシン嬉しや日脚伸ぶ』
(かたぐるまずしんうれしや ひあしのぶ)
季語:日脚伸ぶ
凡人2位(63点)大友康平
🌟添削のポイント
「嬉し」「悲し」など使ってはいけないということでもない。
ただ、感情に「や」をつけるのが大げさ。
🌟添削後
『肩ぐるまズシンと嬉し日脚伸ぶ』
(かたぐるまずしんとうれし ひあしのぶ)
2022/11/17プレバトより
🍀
『立てかけて清しき巻き簾節替り』
(たてかけてすがしきまきす せつがわり)
季語:節替り
永世名人 フルポン村上
(掲載決定!)
2023/02/02プレバトより
🟧句またがり
前半でワンフレーズ+後半でワンフレーズ。
音数は17音だが、言葉の意味が五七五の切れ目にあってない句。
『覚えなき青痣きっと春のせい』
季語:春
五・七・五(おぼえなき あおあざきっと はるのせい)
意味の切れ目(おぼえなきあおあざ きっとはるのせい)
名人2段 森口瑤子
(名人3段へ昇格!)
2023/2/16プレバトより
🍀
『ズル休みさやか駅前純喫茶』
季語:さやか
五・七・五(ずるやすみ さやかえきまえ じゅんきっさ)
意味の切れ目(ずるやすみさやか えきまえじゅんきっさ)
名人10段 キスマイ横尾
(☆獲得ひとつ前進!)
2022/10/06プレバトより
🟧中七に季語を置く
『もの言わぬ従弟にサイダー渡す駅』
(季語:サイダー)
才能アリ1位(72点)/本上まなみ
2022/08/25プレバトより
🍀
『街騒に凍てし手の振る誘導棒』
(季語:凍る)
凡人2位(67点)/とろサーモン村田
🌟ポイント:「助詞」と「助動詞」の選択
①「街騒に」の「に」が説明的になるので切り離した方が良い。
「に」⇒切字「や」
②「手の振る」の「の」は手に持っているので「に」。
③「凍てし」の「し」。
「し」は基本的には過去の意味になる。
今持っているとしないと、季語の鮮度が落ちる。
「凍てし」⇒「凍つる」
🌟添削後
『街騒や凍つる手に振る誘導棒』
(まちざいや いつるてにふるゆうどうぼう)
💭夏井先生💭これをやっていたらこれが1位だった。
2022/12/22プレバトより
🍀
『ガード下シメのおでんはクミンの香』
(がーどした しめのおでんはくみんのか)
(季語:おでん)
名人10段 キスマイ横尾
(☆獲得ひとつ前進!)
2023/01/19プレバトより
🟧季語以外の5音+下五に季語を置く12音のフレーズ
(言葉のバランスが取りにくいので難しい型)
『ルミナリエ咥えて外す黒手套』
(るみなりえ くわえてはずすくろしゅとう)
(季語:黒手套)
特待生3級 キスマイ北山
(2級へ昇格!)
🌟ポイント
①上五「ルミナリエ」は季語とは関係ない言葉。
中七下五でワンフレーズ。
これは難しい型だけれど、ちゃんとできている。
②「ルミナリエ」の広い光景・光の感じ、季節の気分も伝わる。
そこでカットが切り替わり、中七で口元のアップ。
「咥えて外す」という言葉に何を?と読者に想像させ、下五で季語で名詞の「黒手套」という言葉を持ってくる焦点の絞り方が見事。
また、前回北山くん自身の反省「詰め込みすぎる」という課題もクリアし、ちょうど良い分量の句になっている。
2022/12/22プレバトより
🍀
『老犬や腹見せ眠る薄暑光』
(ろうけんや はらみせねむるはくしょこう)
季語:薄暑光
才能アリ1位(70点)的場浩司
そのままでgood 👍
上を目指すためのアドバイス
「見せ眠る」に工夫の余地がある。
老犬の哀れな感じも表現できる。
🌟アドバイス句
『老犬は眠る薄暑の腹さらし』
(ろうけんはねむる はくしょのはらさらし)
2022/5/26プレバトより
🍀
『言の葉や追えば消えゆく夏の蝶』
(ことのはや おえばきえゆくなつのちょう)
季語:夏の蝶
永世名人 梅沢富美男
掲載かボツか!?
⇒ボツ!😢
夏井先生の一言💭「永世名人にしてはゆるい」
「追えば消えゆく」が蝶の描写としてありがち。
ここがもったいない。ゆるい。
🌟添削後(①~③)
①『言の葉や追えば夏蝶風に消ゆ』
(ことのはや おえばなつちょうかぜにきゆ)
※消ゆ=消えるという意味
②『言の葉や追えば揚羽蝶は風に』
夏蝶だけだと、ぼんやりとしているが
しっかり描いた方が印象が鮮やかになる。
③『言の葉や追えば黒揚羽は風に』
「黒揚羽」と書いた方が、よりはっきりと映像が見える。
2022/06/09プレバトより
🟧【対句】「〜の〜、〜の〜」
『金秋のローンチ駅のおむすび屋』
(きんしゅうのろーんち えきのおむすびや)
名人10段 キスマイ横尾
(☆獲得ひとつ前進!)
🌟昇格のポイント
季語「金秋」が機能しているかどうか。
💭夏井先生から一言💭
「2つの企みが成功している」
①季語「金秋」の使い方が巧い!
→ローンチというビジネス用語で、「ここから新しいことが始まる」「ここまでコツコツ頑張ってきた」ということが一発で分かる。
→「おむすび」があることで、「豊かな実りの秋」の「金秋」とわかり、響き合わせている。
②調べも、対句の型を使って見えない所に小さな響き合いをつくっている。
2022/11/03プレバトより
🟧並列(言葉を並べる型)
『風呂上がり火照るばあばとアイスの実』
凡人(55点)ももいろクローバーZ・高城れに
🌟添削後
『風呂上がりばあばと私とアイスの実』
「私」のところに名前を入れてもgood 。
『風呂上がりばあばとれにとアイスの実』
2022/07/14プレバトより
🍀
『まず眼鏡次に手のひらすぐ夕立』
永世名人 梅沢富美男
掲載かボツか!?
⇒ボツ!😢
💭夏井先生の一言💭「説明がクドい」
気付いていくリアリティは良い。
何がもったいないか?
⇨「まず」「次に」「すぐ」
これだけ音数が必要か?
🌟臨場感を増やす
🌟添削後
『まず眼鏡おでこ手の平あら夕立』
2022/06/02プレバトより
🔵どうやって型を決める?
さて、冒頭でご紹介した夏井先生のお言葉
💭夏井先生💭
「型というのは詠みたい内容によって決まる」
どうやってその型を決めるのか?は、
番組での添削を見ていると、元の型と変わったりするので、それがとても参考になります。
例えばこちら
🍀
『稽古後のピノは星形星涼し』
五・七・五(けいこごの ぴのはほしがた ほしすずし)
意味の切れ(けいこごのぴのはほしがた ほしすずし)
季語:星涼し
才能アリ3位(70点)酒井藍
🌟さらに上を目指すアドバイス:季語を主役にする。
⇒「星形」と「星涼し」の位置をちょっと離すと季語が主役になる。
手元からアップにする。
🌟添削後
『星形のピノ稽古後の星涼し』
七・五・五(ほしがたのぴの けいこごの ほしすずし)
意味の切れ(ほしがたのぴの けいこごのほしすずし)
2022/07/14プレバトより
「12音+季語」の型
⇩
「季語以外+季語を下五に置いたフレーズ」の型
になっています。
🍀
『冬の星信号待ちのポテト2本』
五・七・六(ふゆのほし しんごうまちの ぽてとにほん)
意味の切れ(ふゆのほし しんごうまちのぽてとにほん)
名人10段 キスマイ横尾
(☆ひとつ後退💦)
🌟添削後
『ポテト2本信号待ちの冬の星』
六・七・五(ぽてとにほん しんごうまちの ふゆのほし)
意味の切れ(ぽてとにほん しんごうまちのふゆのほし)
2022/11/10プレバトより
「季語+ワンフレーズ」の型
⇩
「季語以外の名詞+季語を下五に置いたフレーズ」の型
になっています。
こちらも手元からアップして
最後に季語をもってきて余韻をもたせています。
🍀
さらに
手元からアップして季語で終わればいいのかと言えば
⇩こちらの俳句では
🍀
『小さき手のピクルスつまみ出す小春』
(ちさきてのぴくるすつまみだす こはる)
永世名人・梅沢富美男
💭夏井先生💭もっとやれるのにつまらんところをつついている。
🌟添削後
『ピクルスはパパに小春のハンバーガー』
(ぴくるすはぱぱに こはるのはんばーがー)
2022/11/10プレバトより
梅沢さんの句は、その上の二句の添削後のように手元からアップして最後に季語を持ってきていましたが
掲載はボツに💦
永世名人には要求が高度になってきますね。
梅沢さんのエピソード(お子さんが小さい頃、ハンバーガーのピクルスが嫌いでそれを梅沢さんにあげていた)を聞いた夏井先生は
父と子の光景に焦点をあてて添削されています。
🌈まとめ
型を使いながら、
なにを描きたいのか?ということを中心に考えて詠み、推敲するといいのかな。
そういえば、夏井先生が「自分が書きたいことと対話する」というようなこともどこかの回で仰っていた気がします。
描きたいことに焦点をあてて、情報の整理と分量の調整をして、読者にわかるように詠む。そして、韻律と詩的世界を作る。というところでしょうか。
そのための型と技術ですね。
言うは易し...…。
あとはひたすら作るのみっ😅
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