ユキウサギ

昨日のお天気は荒れていました
雪が降り、風が吹き、雷が鳴っていました
春の芽たちはどうなってしまうんだろうと、心配でなかなか寝つけませんでした
目が覚め窓の外を見ると、目の前にはお日さまが照らす美しい銀世界が広がっていました
急いで庭に出てみると、真っ白な雪景色の向こうから可愛らしいお客さんがやって来るではありませんか
小さな小さなユキウサギです
朝陽を受けてきらきらと煌めく、とてもキレイなユキウサギでした
「おはようユキウサギさん、素敵な朝ですね」
ユキウサギはまん丸の目をくるくるさせて言いました
「春の芽たちを見回わってきたんですよ
心配はいりません、春の芽たちは皆元気です」
驚きました
まるでこちらの気持ちを知っているようじゃありませんか
ユキウサギは面白そうに笑い、ぴょんと一つ飛び上がりました
その拍子にきらりと眩しい光を投げかけ、姿を消してしまいました
不思議なことに足跡はどこにもありません
何事もなかったように、静かに雪が輝いているだけです