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森の小さな微笑みに目を凝らすと見えてくる ヒヨドリジョウゴの真っ白な羽が咲く 今ずぐ飛んで行きたい はやる気持ちを抑える様に
そよ風と木洩れ陽に瞬く紫の星 秋が進めば赤い実りに 美しい色の変化を魅せるクコ
鬱蒼とした林床に 虫たちの美しい合唱が響き渡る その声にスズムシバナは花開き じっと聴き入っている
こっそり優しい秋風の囁きに たわわなオオケタデは初々しく応え 一つ二つと花開く
水面に浮かぶ 涼しげな孔雀の羽 心の中をじっと見つめる 瞳のような模様で魅了する 美しいホテイアオイ
季節を結ぶミズヒキの 輝く夏と色づく秋 見送り迎え美しく巡る時
優しいピンク色のハナトラノオ 競うように咲く華やかな群生が 過ぎて行く季節を見送る
しっとりした重い空気に溶け込む芳香 気品をまとったハナシュクシャの香りを胸いっぱい吸い込むと 少し美しくなれた気になり 背筋が伸び自然に微笑みが浮かぶ
風が渡り雲が流れ光が揺れる 素直に身を委ねるキバナコスモスの 夕陽色が秋を呼ぶ
広げた花弁から 噴水を立ち上げるタイワンホトトギス 爽やかな秋の風が カラフルな色の魔法をかけて
夏の名残りを多い尽くすクズ 迫力のある蔓の勢い 鮮やかに圧倒する花色 秋の始まりを誇示するように
里山の小さな花火ツルボ 秋の訪れか夏の終わりか 季節の狭間に輝き揺れる
深い紫は真夜中の色 薄い紫は夜明けの色 黄色は輝く月の色 花弁に映して咲いて空を詠むナツスミレ
茂る草木の深い緑に ちらちらと覗く小さな花 可憐な姿に近寄れば びっしりと生えたトゲが見る者を拒む 憂いをまとって咲くママコノシリヌグイ
林床の風景にさり気なく溶け込むアキノタムラソウ 風や光が季節の移ろいを運び 花や虫たちがそれに応えるように 里山は少しづつ秋めいていく
頬染めて次々開く初々しい小花 密かな想いを閉じ込めて真っ赤に熟した種 爆ぜて溢れる花火の姿ハゼラン