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出産

コロナ禍の中
母親学級もなし、立会い、面会不可の中迎えた初の出産。
あまり知識も入れず、言葉ではうまく説明できないけれど、
"目には見えない力"で動かされているの感じた10ヶ月。

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母も妹も1ヶ月程の早産を経験していたこともあり、
予定日より3週間早く破水した時には

「え!もう?」という驚きと「やっぱり早く出てくるのね。」と
妙に納得しながら病院へ向かった。

想像しても想像しても想像を超えてくる痛みと共に

生まれてくる赤ちゃんと2人きり
徐々に大きくなる波に7時間一緒に乗った。

どれだけ力を抜いてリラックスして臨めるか、

・眉間にしわを寄せない
・噛み締めずに口を開ける
・手は掴まずにぶらぶら

"いきむ" それだけに力に入るようにとイメージはしていたものの、

実際は目はつむってしまうし、
鼻から吸ってその後痛くて 息を止めたくなってしまい、
意識もヘロヘロで、イメージ通りになんて勿論いかなかった。

助産師さんに「痛みに強いわね〜!とっても静かなお産でした。」
と言われたが、体力が奪われそうで声も出せなかった。

最後に"にゅるん"っと温泉のようなぬるさと共に出てきてくれたことは
覚えていて感動に浸る余裕は全くなく、
「終わった〜!」その安堵感の方が強かった。

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「出産の後も胎盤が出てくるまで気を抜かないで」と妹のアドバイス通り、
グリグリと出産に次いでまだ痛みは続く。

産後1、2日は自分の痛みが強く、身体が疲れきっていて
赤ちゃんにまで意識がいかず、1960gと保育器の中にいてくれた
おかげで私はぐっすり休養を取れた。

そうしている内に胸が岩のようにゴリゴリと張ってきて、
母乳が作り出され始める。

“出産の痛みは何ものにも代えられない”
幾度となく聞いたことがあるけれど
世の中の母たちはどんなお産であっても
この凄まじい痛みを乗り越えているということ
身も持って母の強さを痛感する。

母乳開始と同時に35cm程に広がった子宮は伸縮を始め
また5cm程に戻っていく。
後陣痛を伴いながら1週間でだいぶ小さく、硬くなっていく子宮。
自分の身体の変化に、身体の神秘に頭が下がる。

別退院、初の授乳は生まれてから12日後。
しっかり吸うことができるまでにお互いに"ここ!"というポイントを
見つけられず苦戦をする。
小さいながらに精一杯に口を開けて、顎を上下に動かす姿に
愛くるしいがいっぱいで感動する...そんな初めての感情を抱いた。

妊娠して12kg増えたが
出産後1kgも減らず、体重計に乗って思わず先生に
「えー!!!全然変わってない!
2kgの赤ちゃん産んだのに!なんで〜!」と嘆いた。

入院中、定食1日3食(すんごく美味しい)+おやつ付き生活で
減るどころか私は大きくなった(笑)

母乳をあげ始めて体重が減っていくことを後に知る。

赤ちゃんが生まれて家族も変化した。
まずは6歳の姪。
最初の1週間はジェラシーメキメキで、
誰かが「可愛い。」という度に「私は?」と聞いてくる。
お世話したい気持ちと嫉妬心、複雑な気持ちを経験しながら
積極的にオムツ替えやミルク、抱っこと可愛がっている。

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次に87歳のお婆ちゃん。
食べることや外出に億劫を感じていたお婆ちゃんも
週に一度曾孫が来ると、車を降りた音で玄関を開けて待っている。
抱っこをし続けたい、活力になっている。

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そして飼い犬のシェル。
最初は踏まれたら大変とベビーベッドで仕切りをしていたが
大切なものを扱っているというのが分かるのか、全く近づかない。
誰かが来ると吠え、いつも絶妙な距離で赤ちゃんにくっついている。

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里帰りという選択をして
土日は妹が大変だからと赤ちゃんを夜預かってくれるおかげで夜通し眠ることが出来ている。
ジィジ、バァバも日に日に大きくなる孫を毎日写真に撮り、喜んでお世話をしている。家族みんなで育児をしてくれることがどれだけママの身体にもメンタルにも大きな安心となり助かるか。

夫は、直に会えないけれど1日3、4回のテレビ電話を通して
変顔をしてみたり、名前をたくさん呼びかけてパパなりにあやしている。
生まれた直後から「右手にますかけ線がある!」と手相まで愛する溺愛ぶり、電話の度に「〜に連れて行きたい」が止まらない。

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妊娠発覚からたくさんの人が喜んでくれて、                 生まれてからも自然と笑顔になっちゃう!
子供は本当に 希望で 太陽で 宝物という意味がわかった。
親バカは早々に炸裂し
「可愛い」と「大好き」を朝から晩まで繰り返す。
そんな日々を送っていたら、
出産の痛みを忘れてしまった!
全然思い出せないのだ。

痛かったということは覚えているけれど
どの位の痛みだったかという事は
全く忘れてしまった。
だから世の母たちは第二子、第三子と続くことが出来るのかな…?

それも含めて身体、母の仕組みってすごいなぁと
また身体の知性を拝みたくなる 。

産後、夫が
「赤ちゃんを見ているとまだな〜んにも知らなくて
これから音を聞いたり、いろんな物を見て触って、どこにでも繋がっていく
無限の可能性があるんだなぁと思う。
でもそれって、赤ちゃんだけじゃなくて、まだまだ俺らにもあるのかな?って子供が教えてくれている気がするよ。」と言っていた。

赤ちゃんが運んできたこの流れに乗って
綺麗ごとだけではないが
たくさんの愛とたっぷりの笑いで
母=haha ( ̄∇ ̄)はいつもどこかに笑いを忘れずにいたいなぁ〜!と思う。

初めての育児、戸惑いながらどうしても力は入ってしまうのだろうが

"いつもどこかに笑いを"

出産から2ヶ月経った今、私はそんな想いでいます。

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