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般若心経の「ギャーテーギャーテー」について

玄奘(三蔵法師さん)は旅路でずっと『般若心経』を唱えていたそうです。
『般若心経』のあの最後の部分、ギャーテーギャーテーというところを唱えていたと。

玄奘は翻訳家として有名な方で、生涯に訳した経典は75部1335巻もあるそうです。
なかでも般若心経が有名で、玄奘訳の般若心経が日本では一般に知られています。

しかし、ギャーテーギャーテーというところは、咒(しゅ、陀羅尼、真言、まじないの言葉)で、漢訳されていません。

どういう意味なのでしょう。
日本語訳をインターネット上で探してみました。

たとえばこのような訳が載っています。

往ける者よ、往ける者よ、彼岸に往ける者よ、彼岸に正しく往ける者よ、
菩提よ、ささげ物を受け取り給え

【Wikisource】

「わかった、わかった、ほとけのこころ。
 すっかりわかった、ほとけのこころ。
 ほとけさま、ありがとう」

【ひろさちや訳】

『唱えよ、心は消え、魂は静まり、全ては此処にあり、全てを越えたものなり。』 『悟りはその時叶うだろう。全てはこの真言に成就する。』

【現代語訳版般若心経 般若心経ロック】


般若心経ロックは、だれが書いたのかわかりませんがかっこいいですね!
↓貼っておきましたので、見てみてください!

それに分かりやすいです。

しかし、咒の部分は上に書いたように複雑です。 もともとこの部分は訳さないものだということでしょうか。

ひろさちや訳は、分かる人には分かるのでしょうが、私には難しいです。
一般に「往ける者よ」と訳されているところが、「わかった」と訳されているのも、何か意味があるのでしょうけれど、私には難しいです。

しかし、玄奘が道中で「ギャーテーギャーテー」の部分を唱え続けていたと知り、ひろさちや訳を読んで、玄奘の気持ちは分かるような気がしました。
つまり「わかったわかった」という境地に達したいと願っていたのではないかと考えました。

そういった現在進行形での祈りという意味で捉えた時、DOZAN11の「ギャーテーギャーテー」という曲は大切なことを言っているように思いました。

DOZAN11は、「Lifetime Respect」(2001)のヒットで広く知られるレゲエミュージシャン、三木道山です。
DOZAN11の「ギャーテーギャーテー」の始まりはこうです。

ギャーテーギャーテー行こう行こう
やすらかな世界に
俺の心救ってくれる仏様に会いに

【DOZAN11「ギャーテーギャーテー」】

この歌詞は、先ほどの咒の部分を訳していると私は思います。
DOZAN11(三木道山)はここをとても明るく歌っています。
この力強いお経に合っていると思います。
何より、お経を唱えながら旅を続けた玄奘に合っています。

般若心経ロックを読んでいても思いますが、
悩みがあったり辛かったりする時に唱える前向きな言葉、
般若心経とはそういうものなのではないでしょうか。

DOZAN11訳(!)が私は好きです!

「ギャーテーギャーテー」は、EVISBEATS(エビス ビーツ)の『ひとつになるとき』(2012.7.11)に収録されています。
『ひとつになるとき』は、私が今更言うのもなんですが名盤ですね。このようなALBUMが10年も前に出ていたとは信じられないです。

「ギャーテーギャーテー」は、DOZAN11の『Japan be Irie!!』(2014.11.12)にも収録。
新たに録音されています。

▽「ギャーテーギャーテー」
『ひとつになるとき』より


▽「ギャーテーギャーテー」
DOZAN11『Japan be Irie!!』より
歌詞も書いてくださっています。
楽しいですよ^_^


こちらも載せておきます。
▽般若心経ラップと「ギャーテーギャーテー」
AMIDA(EVISBEATS)歌唱動画


◯「玄奘」2015.8.11〜9.27@龍谷ミュージアム へ行き、玄奘が旅路で『般若心経』を唱えていたことを知りました。



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