2022/01/08 千と千尋の神隠しを見た

 おつかれさまです。
 昨晩、金曜ロードショーで千と千尋の神隠しがやってましたね。見た方も多そうだなあと思いますが、今日はその感想を書いてみようかなと思います。

 千と千尋の神隠しの公開当初、わたしは千尋と同じ10歳の少女でした。作品自体、たしか10歳前後の女の子に宛てた映画という触れ込みだったように記憶しています。
 我が家は母親が、熱狂的ではないもののジブリ映画は一通り観るタイプだったので、わたしは耳をすませば(公開当時5歳でした)あたりからのジブリ映画は映画館で見せてもらっていました。
 耳をすませばのリアルな世界観から一変し、もののけ姫でそこそこ怖い思いをしたわたしは、千と千尋の神隠しにもやや警戒していました。
 10歳当時のわたしから見て、千と千尋の神隠しは、やっぱり怖かったです。しかしそれと同時に、楽しいやら切ないやら、とにかく情報が多く、映画館から戻ったあと、母にいくつも質問をぶつけました。
 そんなわたしを嬉しく思ったのか、なんとわたしは千と千尋の神隠しを、映画館で合計4回も見せてもらうに至りました。
 ただ、4度見ても当時はよくわからなかったのが正直なところで、大人になってから見直して、ようやく細かいディテールにも目がいくようになりました。

 そして昨晩、ずいぶん久しぶりに千と千尋を全編見たわけですが、今のわたし自身の生活の軸が仕事であるからか、浮かんでくる感想のほとんどが、油屋をひとつの会社として見てどうかという視点で生まれるものでした。

 油屋って、当然ですが会社そのものって感じで、仕事は決して楽なものではないけれど、共に楽しく働く仲間がいて、ちょっと嫌な上司や、一人だけえこ贔屓されているらしい社員の存在があったり、理不尽な仕事を振られたり、困ったお客さんの対応にバタバタしたり…。
 湯婆婆は人格(といっても魔女だけど…)的にどうかはさておき、社員が手に負えずあたふたしている場面では、必ず自分が前に出てきて対応してくれるし、なかなか良い上司だなあとか。

 この映画でわたしは、リンっていう千尋の教育係にあたる女の子が1番好きなんだけれど、昨日はリンを見ていて、自分は会社の後輩から見て、リンみたいな先輩になりたかったんだなあと気づいてしまいました。
 リンのように!と思ってやってきたことはないのですが、わたしが仕事をしてて、自分が後輩だったらこんな先輩がほしいって思うのが、わりとそのままリンだったりします(あと魔女宅のウルスラちゃんとかもそう)。
 少し蓮っ葉で親しみやすく、いつも自分を心配してくれて、困っている時には駆けつけてくれるし、いざという時には頼りになり、どこかへ行くときには、あなたの帰りを待ってるよと送り出してくれる先輩。

 わたしが今、リンみたいな先輩になれているかなあと考えてみると、やっぱりまだまだで、自分から見て先輩にはもちろん、後輩らにも助けられっぱなしなのですが、ああ、やっぱりああいう先輩になりたいなあって昨日はしみじみしてしまいました。

 いろんな難しい論評もある作品だと思いますが、わたしはリンみたいな先輩になりた〜いと思える映画です。
 あとは、千尋が銭婆のもとへ向かう電車に揺られるシーンも好きですね。
 好き、とはいってもすごく切ないシーンなので、わりとボロボロ泣いてしまうのですが、一度乗ったら帰りの電車はない、行きっぱなしの電車の各駅で降りていく、姿が影の人々を千尋と一緒に見送ったり、遠くに見える一軒の家に干された洗濯物が揺れるのを眺めたり、しんみりしていて好きなシーンです。

 ちなみに、わたしの1番仲の良い女友達はジブリが嫌いだったりします。
 その友達と出会った頃、彼女から「わたしジブリ嫌いなんだけど、そういう話して大丈夫な人?」と聞かれて、この人こと好きだなーって思ったのを思い出しました。
 ジブリに対する意見って、人によってけっこうさまざまで面白いですよね。

 今日はこんなところで。では!

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