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#2 PITVERTISING_スポンサーアクティベーションのアイデア

こんにちは、ヨウです。

今回スポンサーアクティベーションのアイデアで勉強になる事例をみつけたので、Noteに書いていきたいと思います。

タイトル:PITVERTISING

2022年3月に行われたアジア最大の広告賞の一つSpikesAsiaでOOH部門のグランプリを取ったこのアクティベーション。
下の動画は審査員がどんなキャンペーンか理解するために提出するケースフィルム。
初見の審査員が1発で理解してもらえるように作られているので、英語が分からなくても内容が理解しやすいです。

国:オーストラリア
ブランド:UNILEVER
ブランドと製品:REXONA DEODERANT(レセナの制汗剤)
概要:オーストラリアではクリケットはスーパーボールと同等の人気がある。
そんなクリケットをTV観戦しているファンは審判のジャッジを目にするたびにREXONAのロゴから目を離せなくなるアイデア。
このアクティベーションでは、クリケットの審判の『脇』にブランド『REXONA』のロゴを掲出。試合中のほとんどの時間でロゴは映らないが、審判がジャッジをする度に画面の中心にロゴが映し出される。
このアクティベーションはオーストラリアだけでなく、世界中で話題となりバズった。またリーグ戦の期間中の製品売上も10%増という結果をもたらした。
URL:https://www2.spikes.asia/winners/2022/outdoor/

ビックアイデアは何か

このアクティベーション、スパイクスアジアのOOH(Out of HOME,屋外広告)部門では『Breakthrough on a Budget』というカテゴリーでエントリーされ、見事にグランプリに輝いた。
広告賞は世界中で行われており、このアクティベーションも色んな広告賞にエントリーしていたけれども、賞を受賞したのが恐らくはスパイクスアジアが初めてだった模様。

広告賞にエントリーするには、ケースフィルムやプレゼンボードと呼ばれるものに加えて、以下の5項目が明確にした上で、エントリーする必要がある。
・Background
・Isuue
・Objective
・Idea
・Reslut
その上で、グランプリなどを取るには、みんながあっと驚く『BIG IDEA』が必須である。

このキャンペーンはどういうストーリーでエントリーされたのかを考えてみた。

・Background

ユニリーバの『Rexona』は1990年代から30年以上に渡り、世界のスポーツスポンサーシップに協賛を行っている。
有名な例としては、ラグビーのオールブラックスやスプリングボックス、F1のロータスなどがあげられる。
『Rexona』はデオドラントカテゴリーにおいて、他ブランドより効能として協力であり、スポーツ好きな層に向けて、コミュニケーションすることは最適だと考えられる。

・Isuue

近年2つの市場が飽和状態であった。
>オーストラリアのスポーツスポンサー市場
>デオドラントカテゴリーのマーケティングメッセージ
もし『Rexona』がスポンサーシップを通したメッセージをコミュニケーションするときにはメジャースポーツのメインスポンサーでなければ取り上げられないかもしれない。

・Objective

このキャンペーンが『Rexona』がRexona Clinicalが持つプレッシャーの中でも冷たさ(クール)を保つ能力と、審判がハイプレッシャーな場面で冷静さを保つ能力を並行して描いて、伝わるようデザインされた。

・Idea

クリケット・オーストラリアと業界初のスポンサーシップを締結し、クリケットの審判のユニフォームの脇の下に『Rexona』のロゴが掲出された。
通常のユニフォームスポンサーシップと異なり、試合の大部分で隠されているが、試合の劇的な瞬間のみ姿を現す、インパクトあるものとなっている。

・Reslut

BBL(ビッグ・バッシュ・リーグ)の従来のスポンサーシップは、通常数十万円程度とのこと。クリケット・オーストラリアはこのアイデアの提案を受けた時にスポンサーシップの料金を提示することができなかった。その結果、前代未聞の低投資でのリターンを生み出す、非常に割安な取引が実現した。
>リターン 
 ⑴世界中のメディアでの話題化
 ⑵1.35bilionのロゴの視認
 ⑶シーズン中の製品売上が10%アップ

最後に

今回この事例を見つけた時に思ったのは、このアイデアは面白いし、他のスポーツじゃできない企画なんだろうなということ。
種目のことをちゃんと理解しているからこそでてくる企画。
こんなアイデアを思いつけるようになるためにも、Noteにまとめてみた。

ブランド側
『Rexona』の伝えたいメッセージが明確である。
デオドラントカテゴリーにおいて、積み重ねてきたイメージが今回の企画がバズった一因であると思われる。

代理店
アイデアを具現化する力
・脇の下をスポンサーシップにするのって『Rexona』に提案したら面白そう
・どのスポーツがいいかを検討したときに、『競技特性』を理解して、クリケットを選択した。
・このアクティベーションは現地で観ていたとしても、「映像」を通じて目立つアクティベーションであった。また審判の判定という短い時間の動画にできる点もSNSを通じての拡散に役立ったのではないか。

クリケット側
・オーストラリアではメジャースポーツであるけれども、スポンサーシップの単価が数十万円~数百万円単位である。
・これはオーストラリアのスポンサーシップのマーケット規模からしたら少額だと考えられる。
・とはいえ、この提案を受けた場合、どういった権利の付与と値付けを行うのか考えてみたい。
※オーストラリアのスポンサーシップマーケットは$750 milion/year


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