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ドン二階の後ろからラスボス出しても


強力な人脈を駆使した極秘情報をもとに次々とニュースの真実を斬る有本香さんが、「中国を念頭に置いたウイグル自治区での人権侵害を非難する決議案」が、今国会での採択が見送られたことを糾弾しています。
これを受け、マスコミやSNSでは自民や公明の姿勢を問う意見が紛糾し、一部の議員は自分たちは積極的だったと主張しています。
決議案に関わった人たちの主張の共通する話は「野党は全員賛成した。与党内の意見が纏まらなかった」です。纏まらなかった理由は明白で、確固たる証拠が無い段階で汲汲に決議して良いものか?です。北朝鮮の日本人拉致は1988年に国会内でようやく「拉致の疑いが濃厚」と国家公安委員長の立場から答弁が出てきますが、これは国交のない国に対し警察の権限が及ばない為が理由であり、証拠が無いが理由ではありません。拉致被害者が多くいる日本海側の浜辺の街では「暗くなったら絶対に海に近づいたらあかん」と教えられ、早い段階から北朝鮮の危険性が認識されていました。それでも警察が動けなかったのは警察権限が及ばない国交のない国が相手だったからです。
有本香さん、門田隆将さんは息を合わせてG7サミットでの日本の中国に対する姿勢が際立って弱いことが浮き彫りになったと表現されますが、ならば他の6ヵ国とは違い中国に隣接し、中国の軍事的脅威に常にさらされている日本が「新彊地区の人権と基本的な自由」と人権尊重を要求し世界経済における中国の在り方を協議し続けるG7共同声明を積極的に推し進めたのは何故でしょうか?
G7ホスト国のイギリスは今年の3月に外交安全保障を改訂し、日本を最も緊密なパートナーと位置付けました。2017年、メイ首相が安倍元総理に日英同盟を提言して以来、イギリスが今世紀のインド太平洋を地政学上の競争の中心地と認識し、当該地域の責任を担う国家として日本を認識したからこその改訂です。有本門田両氏がG7共同声明にどの国が積極的だったと言われてるのか不明ですが、共同声明の骨子は「世界的脅威に対する唯一の方法はパートナーや同盟国と協力していく」ことです。これを可能にする方法が自由で開かれたインド太平洋構想です。この成果を持ち帰った菅内閣の仕事を評価せず、今国会内で間に合わなかった中国非難決議をもって全て否定する理由は何故でしょうか?
両名の指弾が広く浸透した暁には今、現実に構築された中国包囲網が「新しい政府」によって霧散してしまうのでしょうか。
有本香さんは対中非難声明の意義をなんの実効性も無いけど「意気込みを言うことにある」と言われます。明確な証拠は無いがこれだけたくさんの証言があるんだからいいじゃんと慰安婦問題を彷彿するような軽いノリで言われます。この程度の曖昧な論旨をドラマチックに衝撃的にラスボスの正体を明かすことで乗り切ろうとしてるだけのヨタ話だと笑い飛ばしてくれる読者が多く居ることを期待します。

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