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倉庫育ちの少女が大人になるまでの話

里奈の物語(著者:鈴木 大介)

段ボールをベット代わりに倉庫で寝起き。育児放棄、児童養護施設、家出、ウリ(売春)、ヤクザ。
著者、鈴木 大介のこれまでのルポルタージュ「売春少女」「貧困女子」がベースなっているようで、7歳の少女がアンダーグラウンドに身を置き、這いつくばりながら、18歳の大人になるまでの物語。


この小説を読みながら、昔、自分が夜の世界で生きようと片足つっこんでいたころを思い出していました。
その頃は、人生転落中で何やってもうまくいかない。一度転がりだすと、もう止まらない。運にも見放される。

昼の世界がダメなら夜で生きよう、そう思っていたころ、あるホステスさんが私に言った。

「〇〇さん(私)には、夜は合ってない。昼の世界に戻ったほうがいい」

この言葉は、斜面を転がる私に投げられた救助ロープでした。このロープをつかみ損ねてたら(忠告を聞いていなかったら)、どうなっていたかわからない。

「里奈の物語」の献辞に、

この国に生きる、かつて少女だったすべての女性たちへ、この物語を捧げたい

と書いてあります。
アンダーグラウンドの世界、何を捧げたか読んでみてもいいかもしれません。


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