観念の反応ラリー

カメはただカメで在る、という昨日の続きです。
不朽の名作『ウサギとカメ』をネタにしましたが、ウサギとカメの戦いというよりも、観念と観念の反応ラリーだよなぁと思いましてね。

最初はウサギの「どうしてカメはノソノソ歩くの？」という素朴な疑問だったかもしれません。
「どうしてって？カメだからです」
で、終わっていたかもしれないですよね。

幼稚園児だった娘と温泉に行った時に、大変ふくよかなお二人連れがいらっしゃっいました。
「どうして（女湯なのに）お相撲さんがいるの？」と、娘が言いました。
それぐらい素朴な疑問としてウサギがカメに「どうしてそんなにのろいのか？」と言葉が出たのかも！と。

娘の一言に「他人様の容姿にあれこれ言うのは失礼！」という観念が、すみれいどのところで反応して「ヒェー」となって、変な笑顔になっていたと思います。
最悪お詫びする心の準備も、秒で完了していました🤣
幼稚園児に「失敬だな君！」とは言わないでしょうけど、すみれいどは大人で親なので、もし気分を害されたとしたらお詫びを！という想定が、自然に起きたわけです。
でもその女性は「たくさん美味しいもの食べるとこうなるんやよーいっぱい食べて大きくなってね」というようなことをおっしゃって、大らかなユーモアに救われました。

その節はありがとうございました😊とお礼の気持ちが、自然に起きてきちゃうんですよねーこれがまた。
実際はもう何年も前のことなのに、です。
これが、物語性のあるエピソード記憶が自然に出てきてしまう、ということなんです。
ウサギとカメの話を始めたはずなのに、です。

話を戻すと、ウサギの側に「自分は跳んだり跳ねたりできるからすごい！ノソノソ歩くカメはダメ！」という観念があったら、バカにするニュアンスを含んだ「どうしてそんなにのろいのか？」という一言だったかもしれません。
カメの「コツコツやってる自分はすごい」が反応します。
「他者をバカにしてはいけません！」がカメにあれば「ウサギを正してやる」が反応します。

ただカメで在ることで十分なのに、グズでノロマな自分はダメ！跳んだり駆けたりできるようになりたい！ウサギをギャフンと言わせたい！と反応が反応を呼ぶから、いつしか復讐物語が始まってしまうんですね。

「どうしてそんなにのろいのか？」と言われたら「カメだからです」でいいんです。
ウサギだって「どうしてそんなに跳んだり駆けたりするんですか？」と聞かれても困るはずです。
知らんけど！ですわ🤣

悩みがちで自責しがちの方の傾向として、カメなのにウサギに合わせて疲弊する、というのがあると思います。
ウサギに悪気なく「一緒にジャンプしよう！」と誘われても「一緒に遊ぶのは賛成だけど、ごめんジャンプは無理！」と言っていいんですよってことです。
スペックが違うことを、素直に認めるだけです。
ウサギ跳びにトライしてもいいんですけれど、ウサギのようには跳べません。
一緒に遊べる別のお遊びを相談しよう！そうしよう！となればいいのに、できないのは、なぜ？？？

実際には、ウサギやカメはマウントを取ったり取られたりは、しないと思います。
ウサギはウサギとして、カメはカメとして、ただそうなだけです。
他の霊長類も比較はするようですけれど、苦しむことは（多分）ないと思います。
比較して苦しむのは、（多分）人間だけだと思います。
比較してただ違いを認めるだけなら、悩み苦しみにはなりません。
他の霊長類にも意味記憶はありますが、エピソード記憶はないと考えられているようです。
過去のエピソード記憶があって、そこから物語を紡いで未来を思い描くスペックは、人間特有のものみたいですね。

意味記憶というのは、例えば「冷蔵庫は食品を冷やして保管するもの」というような記憶です。
エピソード記憶は、娘が幼稚園児だった時に温泉で…のように物語性があるものです。
ざっくり解説ですし、めっちゃ悩んでる種も、もしかしたらいるかもしれませんけれど🤣

そして、残念なことに、記憶をコントロールすることもできないんです。
自然に何かをキッカケに起きてきてしまいますし、残しておきたい都合の良い経験だけをとっておいて、都合の悪い経験は記憶しないように予め選別して格納することも、不可能です。

では、どうしたら物語を紡がずに済むか？というのは、無理な相談なんですね。
なぜならば〜という話は、めっちゃ長くなるので、気が向いたらまた今度😁

写真は2年前のFacebookより。
バラの花びらが落ちたら現れた五芒星。

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