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シロと呼んでくれる友達

犬みたいに呼ばれる。

私の大学の同期は、私のことをシロちゃんと呼ぶ。
人見知りだった私が他人に覚えてもらいやすいかなと思い、
高校の限られた友人から呼ばれていたあだ名を
自己紹介のときにふれて回っていた。

シロと呼んでくれる友達に久々に会った。
旦那さんの有休消化一人旅中に、家に招いてもらった。

よく彼女の左側から話しかけてくるという旦那さんへのモヤモヤを聞きながら、
同じく左側を歩いていた自分にハッとした。

彼女は、何も変わらない。
私もそう変わっていないだろう。
私と彼女の関係性も何ら変わらない。
ただ、私は彼女とこれまでと同じように過ごしたければ、
これまでと同じ接し方ではいられないんだ。

近所のスーパーへ、飲み物を買いに行った。

私たちはマスクをつけ、店員さんもマスクをつけている。
店員さんは、透明のガードで囲まれている。
「カードはお持ちですか?」
「ないです」
「もし家にお持ちでしたら、ポイント後付けできますが・・・」

このコミュニケーションが、とても難しい。

「カードあったら、ポイントつけられるって。持ってる?」
「ああ、そういうことか。聞こえへん。」
ポイントカードを出す友人。
苦笑いの店員さん。

悔しくて、やるせなかった。
悔しいと認識する間もなく、
ジュースを袋に入れている途中
誰にも気づかれないように涙を拭った。

誰でもいつでもかかるかもしれない疾患。
あまりにも生活を揺るがす、ありふれた病気。

私はずっと、彼女の右側を歩こう。

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