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猫②と息子②

今年の3月、我が家に双子の猫が来た。
お姉ちゃんはあんちゃん(猫①)で、
妹はもくちゃん(猫②)。

息子②と寝ているこの子は猫②です。

この2つの生き物はいつもこんな風に寝ている。
猫②が寝ているのは息子②の枕(という名のタオル)で
もちろん、寝始めの息子②の頭部は枕を向いていたはず。

そんなに動きたいなら、起きろよと思う。
でも、息子②は、起きている間はあまり動かないタイプ。
この足と尻を見てもらえば容易に想像できるでしょう。

そんな彼は、なぜだか自己肯定感に満ち溢れている。

何もしないし、めちゃくちゃ怒られているのに
怒られていることだけが、部屋のあちこちに佇む猫たちの抜け毛のように
軽やかに舞い散ってしまうタイプ。
力技で吸い取ってやろうと掃除機を稼働させても、
掃除機の強すぎる排気のせいで
ふわっと舞ってどこかにいってしまう。
そんなタイプ。
身体は重いんだけどね。

昨日の夕飯時にも
「なんかさ、友達と、占い?みたいな診断?みたいなやつやったんだよ。
俺、運動タイプだった」
と。

どんな信ぴょう性のない占いなのか、どんな的外れな診断なのか知らないが
きっと、正しい答えが出ないのは、あっち側の問題じゃなくて、
彼の答えが実態と合っていないからだろう。
私と夫は静かに目をそらした。

夫はそんな息子②が可愛くて仕方がない。

何もできない可愛いベイビーでいて欲しいようだ。

4歳上の息子①は中学3年生。
少しずつ心がマッチョになりつつある片鱗を感じるから
余計にもちもち食感の息子②に癒されたいのかもしれない。

夫だけではない。
私だって、この写真の全体に漂う生ぬるさに癒されている。

だけど、私は母だから、
今日も言わなければいけない。

先生に
「(息子②は)家で宿題をやっていますか?」と問い詰められたこと。
「言い訳が白々しくて笑ってしまいます」と告白されたこと。
「とにかく遅くて、みんなが終わる頃に始まります」と顔をしかめたこと。

そうですね。
本当にこの子はゆっくりと人生を味わっております。

きっと、みんなが終わる頃に始まるのでしょう。

そう信じて、今日もああでもない、こうでもないと言い訳する息子②に
宿題をやらせるべく、私は鬼婆になるのです。





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