Life Is Strange2が出た

※この日記には『Life Is Strange2』チャプター2までのネタバレが書かれています。

3月26日に『Life Is Strange2』(以下『LIS2』が出た。1も大好きだったし、合間に出た『The Awesome Adventures of Captain Spirit』も最高だったので、本当に発売を心待ちにしていた。『あつまれ どうぶつの森』をやりながら

「なんでまだ『LIS2』できないんだろう…」

と考えていた。できていなかった理由は『あつ森』の発売が3月20日で、『LIS2』の発売まで6日もあったからだ。普通。


さて、発売されたので早速始め、今チャプター2まできている。

正直に言って、これまでのどのシリーズよりも進めることが辛い。ただ、物語としてはとてもおもしろい。おもしろいけど本当に辛い。今のこの情勢で気がふさぐところで遊ぶとお腹が痛くなってくる。
少しずつでも考えていることを発散しないとこれ以上進められなくなる気もしたので一旦ここまでの感想とかLISシリーズで考えたことをまとめておくことにする。

・『Life Is Strange』はエピソディックアドベンチャーである

『Life Is Strange』は以下4つのシリーズがある。

①Life Is Strange(以下LIS)
②Life Is Strange Before The Storm
③The Awesome Adventures of Captain Spirit
④Life Is Strange2

時系列としては②→①→④→③。
お話としてのつながりは①と②、③と④がペア扱いで、それぞれのブロックは世界観は一緒だけれど物語で直接のつながりはない。(今の所)

自分がこのシリーズを知ったのは①のときだったけど、これはもう本当に楽しいゲームだった。
主人公のマックスという少女が、ある日時間を巻き戻す能力を手に入れる。その力を使って幼馴染のクロエを中心に様々な人間関係と向き合って人生を変えていく…的な物語である。

ゲームとしてはアドベンチャーゲームでよくある
「これじゃない選択肢を選んだらどうなるのか?」
を、マックスの持つ巻き戻し能力を使って存分に楽しむことができる。なんなら、ある会話で知識を得たら、その知識を持った状態で時間を巻き戻して、自分が知識を最初から持ったかのように会話をする場面が出てきたりする。

いろいろと巻き戻し能力について穴がある部分はあったが、「アドベンチャーゲームでやや無粋とされる『本来自分が選ばないであろう選択』をして反応を見て、本来の選択に戻る」ということを許されているのが面白かった。

女子高生がこんな「巻き戻し能力」を持ってしまったら「うちら最強!」になるのは当然で、結構『LIS』は能天気なところが多かった。いろいろと感情を揺さぶられることは多かったが、それでも時間を巻き戻して「危機を回避する手段」を持っている安心感はあったし、主人公のマックス自身に大きな問題があるわけでもなかったので、『不思議な力を持った女子高生の奇妙な人生の話』くらいだった。

これが、『LIS』の前日譚であり、クロエが主人公となる『Life Is Strange Before The Storm』、この2つとはほぼ無関係の『The Awesome Adventures of Captain Spirit』、『LIS2』になると全く様子が変わってしまう。

そもそも、どの作品にも「巻き戻し能力」が存在しない。ゲームの要素として独自の遊びとしては

・『Life Is Strange Before The Storm』→口喧嘩みたいなのをクロエがする(ただし物語には大きく影響しない)
・『The Awesome Adventures of Captain Spirit』→(自称)超能力で主人公のクリスが問題を解決する(ただし物語には大きく影響しない)
・『LIS2』→主人公ショーンが弟のダニエルと話あったり、弟の超能力を使って問題を解決する(場合により物語に強く影響する)

という感じになっている。

『LIS』の印象が強かったので忘れていたが、『Life Is Strange』シリーズは「巻き戻しができるADV」ではなく、「エピソディックアドベンチャー」であるらしい。そもそも巻き戻しができようが、超能力が使えようが、それ自体は大きな問題ではなく、まず「見せたい物語」があり、それに独自のゲームシステムが乗っているのだろう。思い返せば『LIS』だって「巻き戻し」はできても決定的な場面では選択を戻すことができなくなったりするので、あの力は万能ではない。大事なのはそのゲームを通じてマックスが何を得ていくことかだ。

なので、別に『LIS2』で巻き戻しができないことを理不尽に思ってはいけない。

・『LIS2』の選択が厳しすぎる

理不尽に思ってはいけないと思いながら、『LIS2』を遊んでいると

「巻き戻させてくれーーーっ!!!!」

と頭を抱える場面が多数出てくる。

とにかく、1作めの『LIS』に比べて、境遇がものすごく過酷だと思う。

①そもそもの背景
・主人公のショーンと弟のダニエルはメキシコ家系で若干の差別を受けている
・母親が蒸発してしまっている
②起きてしまう不幸
・不慮の事故で父親を亡くしてしまう
・ダニエルがそれきっかけでサイコキネシス能力を得るが、「自分が守らなくては離れ離れになってしまう」とショーンはダニエルを連れて逃亡することを選ぶ

これがまずプロローグで与えられる情報。

『LIS』のマックスなんて

・両親の理解を得て芸術学校に入学
・少しいじめられ気味だけど、自分に好意を持ってくれる男の子がいたり心を許せる友人がいる
・序盤で親友(クロエ)の死を目撃してしまうが、時間を巻き戻して事なきを得る

なのに、厳しすぎやしないだろうか…。

そしてさらに、今回プレイヤーはショーンを動かしていくが、

①ショーンの選択によってまわりの人の運命が大きく変わる
②ショーンの振る舞いによってダニエルの行動が変わり、それによってまわりの人の運命が大きく変わる

という要素がある。

①についてはまあ普通のゲームだが、胃に来るのは②だ。

ショーンはダニエルを守ろうとするが、彼も16くらいの少年で、世間から見ればまだまだ子どもであり、自分自身の選択も浅はかになってしまいがちな年齢である。
道中助けてくれる大人に出会うこともあるが、基本的に根無し草の生活を余儀なくされてしまうことばかりで、仮に一人旅だったとしてもプレイしていてかなり疲弊する場面が多い。

頼れる大人がいない旅生活に加えて、さらに彼より幼く、しかし大きな力を持ってしまったダニエルを守らなければいけない。ダニエルのサイコキネシスは普通の人に見られてしまったらパニックのもとにもなるので、できるだけそれも隠さなければいけない。
二人の絆はとても強く、強いがゆえにダニエルはショーンの影響も強く受けてしまう。ショーンが悪い行い(万引や人を騙すなど)をすればダニエルもそれを良しとして倣ってしまうし、ショーンが正しい行いをしてそれに倣ってもそれがまれに理不尽に負けて悪い結果を引き起こしてしまう。
実際、このダニエルに与える影響によって結末が変わってしまうらしい。ひどくない?

ネタバレになってしまうが、チャプター2は本当にえぐい選択が多かった。特に、クリスという少年に出会ってしまったことによる選択は辛いものになった。

クリスをサイコキネシスで助けるが、クリスは「自分に本当の力が宿った」と喜ぶ。(このあたりは『The Awesome Adventures of Captain Spirit』を遊ぶと「なぜそれを喜ぶのか」がよりわかる)
そして、クリスを喜ばせたいと思ったダニエルは、クリスにあわせて自分の能力を発動し、まるでクリスにサイコキネシス能力があるように振る舞ってしまう。

チャプター2の序盤、上記シーンが出てくるが、この後の行動でクリスの運命が大きく変わってしまう。

・ダニエルに「クリスにはサイコキネシス能力がない」としっかり伝えるよう教える
→クリスががっかりするが、ダニエルとの友情を深め自分たちの逃亡を助けてくれる
・ダニエルに「慎重になれ」とだけ言い、クリスは自分自身がサイコキネシス能力を持っていると誤解したままでいる
→自分に能力をあると信じてしまったクリスは、ショーンたちを追いかけるパトカーの前に飛び出して大きく撥ねられてしまう

遊んでいてまさかここまで大きな不幸が起きると思わなかったので、最初自分はクリスがパトカーに撥ねられてしまう場面を見てしまった。
当然、このあとダニエルとの雰囲気も最悪になり、この先の旅がより不安の残るものになっている。

自分の選んだ物語だったとはいえ、ショーンのような子どもにここまで辛い思いはさせられないし、何も知らないクリスを不幸にすることもできなかったので、さすがにチャプター2はやり直した。やり直した結果クリスは事故に合うこともなく、兄弟の絆もより深まる結果に終わったが、

「選択の結果が重すぎる…」

と脱力してしまった。

『LIS』のように巻き戻せたらいいのにとも思うし、ショーンのまわりにもっと助けてくれる大人がたくさんいたらいいと思う。そもそも逃亡なんかしないで済めばよかったのに、いや、もっと言うと母親がいてくれたら、差別がなければ…と考え出すとお腹がどんどん痛くなってくる。


書き出すと一応落ち着いた気がする。きちんとクリアまで見届けたいし、なんなら全エンディング見たいくらいには楽しんでる。ただ本当に吐き出さないと苦しさで遊べなくなってしまう。チャプター3を進めるのが怖い…。

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