2020年3月に見た映画

できればしっかり感想は書き留めたいものだ。


①ミッドサマー

池袋の映画館で見た。
1日の映画の日だったからというのもあるけど、ほぼ満席でびっくりした。
基本的にはカルト側の映画だと思うけど、いわゆる「カルトの中のメジャー」の位置なのか上演前が結構にぎやかで明るい雰囲気で変な感じがした。女の子のグループで来ている人が多かったというのもあるかもしれない。

映画についてはなんとなく前知識はあったけど、

・カルトな村に行った主人公が村に取り込まれそうになるけどなんやかんやあって脱出する

という結末になると思ってたので、ああいう終わり方になるのにびっくしりた。

それと、別に村の一人になるのはともかくとして、思ったよりも物語としてのぺっとした感じなのがびっくりした。
のぺっとしたのは決してつまらなかったとかではなく、気分的には「ウルルン滞在記」とかの旅番組をずっと見ていて、「へぇーホルガ村って怖いところがあるんですねぇー」というという感想に落ち着いたせいだ。
これも別に「物語に起承転結がない」とかそういう話でもなく、なんというか、いろいろな儀式とかについて多く説明がされず、ホルガ村の人たちにとっては「それがあるのが当たり前」であって、本当にただあの村の特別な祭りの日々をとらえたドキュメンタリーみたいな感じがしたせいかなぁと思う。

終わってからいろいろ考察を見ると「あのルーンには実はああいう意味があって…」とか、「序盤から実はクリスチャンの運命は示されていて…」とかもたくさんあったけど、そうなるとなんだか今度は『放送禁止』にも似ているなと思ってしまった。伏線がいっぱいあったらしい。

ちなみに一番ドキュメンタリーっぽいなーと思ったのは、一つの儀式がしている途中に村の別の場所でまた別の儀式がされている、というところだった。わりと序盤でそういうシーンを見た気がするけど、そのとき劇場内で『あっちの儀式めいたなにかについては解説しないんだ?』と思った。

おもしろかったんだけど、やっぱりグロテスクなシーンは気持ち悪かったし、自分が思った以上に「映画を見たときの体験」に「物語で気持ちよく起承転結を得られること」を大切にしていたらしいというのがわかったので、おそらくディレクターズ・カット版は見に行かないと思う。

②クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!

オモコロのかまどさんが『クレヨンしんちゃん』シリーズをおすすめしていたのと、どうやらすごく怖いらしいと評判のアミーゴは気になっていたのでアマプラで見た。

確かに自分に近い人が実は本人ではなく偽物になっていた、というのは怖かった。序盤のよしなが先生とかが変わっていたはわかりやすかったけど、やっぱりしんちゃん一家の中でいつのまにかヒロシとしんちゃんどっちもが成り代わっていて、二人でお風呂に入っていたというシーンは思い返すとぞっとする。よくみさえとかひまわり無事だったな。

自分に似たものが自分の生活を脅かしに来るといえば『us』もあったけど、「目的がわからないもの」って本当に対処法を考えられないから怖いなぁと思った。

自分が小さい頃本気で怖がらせに来るクレヨンしんちゃんのアニメがたま~にあって、あのときも「で?」みたいなオチの話があったような気がする。しんちゃんのホラーって何を目指しているんだろうか。大人を怖がらせないでほしいよね。

③ファウンダー マクドナルド帝国のヒミツ

これもアマプラで観た。

完全なドキュメンタリー映画はたぶん久しぶりだったけどすごくおもしろかった。おもしろかったけど、マクドナルド兄弟がレイ・クロックに乾杯し、マクドナルドという店名を取られて、新しく出した店舗もすぐに畳んでしまったという結末は「ぐぬ~っ」っと胸が痛んだ。

これが映画ならやっぱり「『マクドナルド』はその仕組を作ったマクドナルド兄弟が素晴らしく、フランチャイズ化したレイ・クロックは寄生虫だ!悪だ!誠実にやっていたものが報われる!アメリカばんざーい!」になったんだろうけど、現実に起きた話なのでそうはならなかった。そうならなかったから今日もマクドナルドがおいしく食べられる…。

ラストでレイ・クロックが「マクドナルドという店名を見たとき、これがほしいと思った」って言ったけど、たしかに名前の持つ魅力というか、「他にない魅力がある名前」ってたしかにあるよなと思った。

マクドナルド兄弟の哀愁が強すぎてこの映画を好きというには難しいんだけど、でもレイ・クロックがなにか間違えているのかと言われるとそれについて出てくる言葉もなくて、本当に働くって弱肉強食なんですねヨヨヨ…って思った。なんとなく『100日後に死ぬワニ』のことも思い出した。


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