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休学日記 6/11~6/16

6/11(月)
 面接に行った。小さな会社だったので、社長室みたいなところでお茶を出され、円卓で話した。雑談のような雰囲気で、面接の出来とかなんとか言う以前に会話が全然弾まなくて気まずかった。何か聞かれて、答えて、向こうがへーみたいな反応をして、その後沈黙。これが何ターンも続く。地獄。なんかもう全部どうでも良くなって、最後の逆質問は「一次面接も全く手応えがなくて正直今なんでここに呼ばれているのかわからないのですが、どこを評価してくださったのでしょうか。」と聞いて、評価してくれたポイントを聞いたのでもちろん褒められて、「なんか褒めてもらいに来たみたいになってすみません。」と言って帰った。ウケてたけど落ちた。私はこんな感じでたまに「もうどうにでもなれーーー!!」と自暴自棄になって、気がついたら全部が終わっていて、なんかうまくいっていたりうまくいっていなかったりする。今回はうまくいかなかったらしい。

 

6/11(火)
 起きて、ゼミに行って、バイトに行って、寝た。タイムラインに骨格別NG服!みたいなツイートが流れてきてストレートの×の多さに死にたくなった。わたしは自分が骨格ストレートであることを本気で(本気と書いてマジで)嫌だと思っていて、プロ診断を受けた時は薄々わかっていたことではあったけれどショックで泣いた。それはブルベ冬が正義だとか骨格ストレートは悪だとかいう世間の言説に踊らされているのではなく、わたしの着たい服をわたしの着たいようにかわいく着るには骨格ストレートであることがかなりの障害だからである。わたしはパフスリーブが好きだし、首が詰まっている服が好き。ふわふわのシフォン素材が好きだし、IラインよりもAラインのスカートが好き。胸はぺったんこのまな板でまったく膨らみがなくてかまわないし、抱きしめたら折れそうな、不健康なくらい華奢な女の子が好き。これはその方がいいとみんなが言うとか女性ならそうであるべきとかではなく、わたしがわたしの意思で好み、そうなりたいと思っている容姿の話です。骨格ストレートだろうがパフスリーブもシフォン素材もAラインスカートも着たって構わないけれど、着たところでわたしの理想にはならない。むしろそこからかけ離れる。それが悔しくて悲しい。
 小さい頃、姉が卯年生まれの乙女座なのがうらやましくて泣いたことがある。生まれてから今まで、自分の力でどんなに頑張っても本気でどうにもならないことに絶望して泣いたのは、干支と星座と骨格が気に入らなかった時だけだ。

 

6/12(水)
 久しぶりに一日中家から出なくていい日だった。ニンニクたっぷりの餃子を昼から焼いて食べた。その後ずっとぼんやりしていたけれど、夕方になって急に一日餃子を食べてぼんやり過ごしてしまったことへの罪悪感と後悔が顔を出し、気がついたらマフィンを焼いていた。この行為が罪悪感や後悔への誤魔化しのためだけに行われたことは明らかで、ESを書くとか卒論を進めるとか、そういうことをした方が良かったなんていうのは百も承知である。お手軽な達成感のために焼かれたマフィンはホットケーキミックスの味がして、一口食べたら口中の水分がなくなった。

 

6/13(木)
 カウンセリングを受けるために大学へ。ついでに思ったより大量にできてしまった水分泥棒のマフィンを友人に分け与えた(合意の上です)。
 カウンセリングはいつも通り。これは必要なことなのかいつも疑問に思う。もう4年近く隔週で受けているにも関わらず、ずっと最初の一言を話し始めるのに変な汗をかく。何を話してどこをゴールにしたらいいのかわからない。ここはそういう場所、とどれだけ自分に言い聞かせてもカウンセリングでも心療内科でも元気ぶってしまう。先生たちってそれさえ込みで見てくれるものなんでしょうか。毎日こんなに死にたいのに、「最近どうですか」の一言に「ぼちぼちですね…」みたいなことを言うのは、どうして?賞味期限が1ヶ月前のサラダチキンを食べた。

 

6/14(金)
 キャリアセンターで模擬面接をしてもらい、笑顔がないこと以外とても褒められたのですが、ならなぜ今ひとつも内定がないのでしょうか。
 休学を決めた去年の夏から大学に行くのが怖くて、ずっと罪人のように下を向いてキャンパス内を歩いていたけれど、最近あまり下を向かずに歩けていることに気がついた。嬉しかったのでローソンでカフェラテを買う。「濃さはどうしますか?」と聞かれて思わず「濃さが選べるんですか!?」と聞くと、店員さんが「選べるようになったんですよ~」と教えてくれてかわいかった。わたしは単純なのでたった1ラリーのプラスアルファの会話でなんだかコミュ強になった錯覚を起こす。店員さんの手腕です。

 

6/15(土)
 面接に行った。手応えがあまりになかったので帰りにねぎしに行きもりもりと食べていたら、お茶を入れにきた店員のお姉さんに「お疲れ様です!気持ちよく食べますね~」とニコニコしてもらって恥ずかし嬉しかった。土曜の昼間に1人リクルートスーツで一心不乱に食べ、麦飯のおかわりまでする女を労ってくださりありがとうございます。
 ちょこちょこ読んでいた『近畿地方のある場所について』を読み終えた。怖かった。

 

6/16(日)
 友達がフリマに行ってみたいと言うので下北沢に行き、カレー食べてフリマ見てかき氷食べてカラオケした。フリマは二人ともあんまり向いてなくて(多分そもそも我々は店を巡るような実地での買い物があまり向いていない。なぜなら決断が遅いし店員さんに話しかけられたくないから)、かき氷が素晴らしくおいしかった。わたしは高くてでかいかき氷が大好き。最近ぼっち・ざ・ろっく!見てるのにぼざろの舞台が下北だということを忘れていて、街中のポスターを見て思い出した。お酒を飲まないで23時まで一緒にいて、帰りの電車で「なさすぎ。かけがえが」と思った(cf. https://x.com/guilty_kyun/status/1715219114741084399?s=46 ゆっきゅんのツイート)。


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