【短編小説】ぼくとみちことカエル道
(もう少し隠れていよう。)
ぼくはこぼれそうになる笑みをかみ殺しながら草かげに身をひそめ、みんなを見ていた。足の速いいっちゃんも、目のいいやっくんも、勘の鋭い幼なじみのみちこも、まだ気づいていない。
ぼくらがいつも遊んでいる、学校の裏手にある秋本のおじちゃん家の山はいくら遊んでも遊び足りないほど面白くて、上がったり下がったりする道も、ちょっとしたほら穴も、山のてっぺんに生えている木も大のお気に入りだ。
つい昨日一人で見つけた、朽ち果てた木の柵の下をくぐって通れる隠れ