ケチな話

 先日、お気に入りのTシャツを紛失しました。ユニクロとゼルダの伝説のコラボTシャツです。
 このコラボが発表されたとき、即座に購入した絵柄は2種。
 一つは胸ポケットからエノキダ工務店の看板が飛び出している、エノキダ看板Tシャツです。胸ポケットの中には看板を支えるカバンダのイラストがあり、かわいい。天才的デザイン。
 もう一つはコログのイラストと刺繍が入っているコログTシャツです。紛失したのはこちら。

 このコログTは、たしか2週間ほど前に着た記憶があるのですが、ふと見当たらないことに気が付きました。洗濯の済んだ服の山やハンガーにかけっぱなしになっている服を漁ったりしましたが、見当たりません(私はとても自堕落なので、服を片付けることは稀です)。もちろんクローゼットの中も布団の下も家族の部屋も探しましたが見当たりません。
 うわー、風に飛ばされちゃったのかな、それに気づかずにいたのかな……。と少し落ち込みながらも、ワンチャンユニクロでまだ売ってるのでは?とオンラインストアを開きました。
 結果、コログTは売り切れてる……泣
 悲しいことに、エノキダ看板Tの方はまだ売ってるんだよな……しかも値下がりしてる……。
 確実に手に入らないことがわかった途端、なんだかめちゃくちゃに落ち込んでしまいました。ずーん。落ち込むというよりも、「苦しくなる」が近いかも知れない。

 私はかなり楽観的な人間で、嫌なことがあっても「ま、いっか!」となりがちだし、すぐに忘れてしまうので基本的にいつもハッピーに生きています。でも、その私が割と落ち込んで、丸一日ずーんとなっていた。
 世間の人は大事なものを失くしたらそれくらい落ち込むのは普通のことなのかも? ですが、超楽観人間の私にしては落ち込みすぎなのでした。
 そこで気づいたのです。私は自分が価値があると思っているものを手放すことに異常にショックを受けてしまうと……。

 この「価値あるものを手放すことに強くショックを受ける」性質を生み出すきっかけとなったと思われる過去の事件が以下の通りです。

 ひとつは、「ハエになったチャンチョTシャツ廃棄事件」。
 言わずもがな、私が大好きな「オシャレになりたいピーナッツくん」。このピーナッツくんのアニメにて、相棒チャンチョがハエになってしまう話があります。この回の絵柄がTシャツになったハエチャンチョT、私は発売当時ど〜〜しても欲しくて、これを求めて渋谷のポップアップショップまで買いに行きました。

 さて、このTシャツですが、ある日突然私の手元からいなくなりました。
 母に捨てられていたのです……。
 
もうトラウマもんです。捨てちゃったの?!何で?!

 「なんか子供みたいだったから」

 は!? そう見えたとて人の私物勝手に捨てる!? ……と喉元まで出かかって私が発せたのは「ええ……」の一言のみ。
 そうです、私は家族間でさえも波風を立てたくない八方美人、声を荒らげることなどできない小心者なのです……。
 結局ハエチャンチョTは一度再販されるも手に入らず、その後の再販はなし。完全にトラウマとなりました。

 もう一つの事件、「おれパラチケット事件」です。
 おれパラとは、男性声優さん4名によるライブイベント。確か開催第2回目の出来事だったはずなので、2009年のことです。
 当時鈴村健一さんが大好きだった私は、このおれパラに(まだ幼かったので)母とともに参戦しました。チケットは持った! 忘れ物はないぞ! としっかり確認し、いざ会場の両国国技館へ。
 さぁ、入場! と思いきや、何故か入場できない。なんと、チケットだと思っていたものはチケットに付属していたグッズの引換券だったのです。
 引換券のみ持っていき、肝心なライブチケットは机の引き出しに仕舞ったままにしているという大失態。
 この時、母が当日券を買ってくれ無事会場に入ることが出来たのですが、安くない金額を払わせてしまった後悔が凄まじく、ライブ中ずっと上の空なのでした……。

 こう考えると、ハエチャンチョT事件とおれパラ事件で母との貸し借りはチャラになってる……かな……。

 紛失とは違うのですが、同じベクトルでショックを受けてしまうものがあります。 それは、「まだ食べられる食べ物を捨てる」という行為。
 うちの家族、超大食いの人が一人いまして、基本的に残したものは何でも食べてくれるのです。それに甘えて(?)外食時、家族の一人が「一口食べたいから」という理由で料理を注文することがありまして……。本当にほぼ一口しか食べないんですよ、どうせ食べてくれるからと。
 でも、超大食いの人とはいえ胃袋に限界はあるもので、結局全然手を付けずに残してしまうということがあったのです。その時の私、なんだかお店に申し訳なくて、食べ物に申し訳なくて、農家さんなどの食べ物に携わった人たちに申し訳なくて、泣きそうになってしまいました。
 これも「価値があるものを手放すこと」なんですよね。
 これが辛すぎて提供された食べ物は苦しくても全部食べなきゃ……となるし、飲食店で働けない(残飯を捨てるの無理すぎる)。

 大抵、失ったものは二度と戻ってこないものばかりですね。
 二度と戻ってこないから特大のショックを受けてしまうのかな……と思いきや、そういえば、使いかけのカイロを途中で落としてしまったときも結構ショックを受けていたのを思い出しました。
 すなわちケチなのでは? という気がしてきますね。
 THE 日本人魂、もったいない精神、貧乏性。
 もう苦しくなりたくないので、出来るだけ大切なものは失くしたくないし、外食するときは残したくないのでごはんは少なめで注文したいものです。

以上!


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