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犬を飼うということ

3年半年前に、7才になるスタンダードプードルの里親になった。
その1年後に、もう一匹保護犬を迎えいれた。
 
スキンシップたっぷりの生活に様変わりし、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンがカラダの至るところで分泌され、多少溢れ気味であることを実感している。

古より人間の生活において、かけがえのない存在である犬にまつわることわざは多く、「犬も歩けば棒に当たる」「犬の遠吠え」「犬猿の仲」など日本版は少々手厳しい。
 
一方、世界に目を向けると(違ったらごめんなさい)、それだけで映画の原作になり得る、蛇口をひねるように涙腺をゆるませる話がいくつかある。

「虹の橋」「犬の十戒」、そして作者不明だが、世界中に広まっている「子どもが生まれたら犬を飼いなさい」だ。 

「虹の橋」はペットロスの辛さを乗り越えるきっかけを与えてくれるファンタジー。
「犬の十戒」は読んで字のごとく犬を飼うひとへの訓戒。
「子どもが生まれたら犬を飼いなさい」は、その存在が、人生と心の成長に寄与することを端的にあらわしている。

子供が生まれたら犬を飼いなさい。
子供が赤ん坊の時、子供の良き守り手となるでしょう。
子供が幼年期の時、子供の良き遊び相手となるでしょう。
子供が少年期の時、子供の良き理解者となるでしょう。
そして子供が青年になった時、自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう。 
  

しっぽがある娘は11才を迎えた。大型犬なので人間に例えると80才を越えたくらいだろうか。
耳は少し遠くなり、目も白みを帯びてきたが、足腰は問題がなく矍鑠としている。


聡明な彼女は、散歩やオシッコをしたいときだけ、最高の甘え顔で僕にアピールをする。
いつもツンデレにやられている。

それ以外は妻のそばを離れない。入浴中も、トイレのときも、静かにドアの前で待っている。群れのボスが誰かをよくよく理解している。

犬を飼うということは、僕らより命の進む時間が速い彼らを、余命宣告された家族を看取るように、最後まで慈しむことに他ならない。

何よりも、無償の愛を与え与えてくれる存在であるあなたを、簡単に虹の橋に行かせるつもりはない。絶対に。

前述のことわざは、娘と息子に、いつか子どもが産まれたときに伝えてあげよう。

さて、そろそろ散歩の時間だ。















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