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花粉症の特効薬で目の痒み、くしゃみ、鼻詰まりが瞬く間になくなった話

かれこれ15年以上、花粉症に悩まされている。
目の痒みとくしゃみで辛いことこの上ない。
特段薬は服用せず、ただひたすら嵐が過ぎるのを待つ。
無撚糸の今治タオルがティシュ代わりで手放せなかった。

4年前の4月某日、鎌倉裏小町のバー。
そこで花粉症談義に花が咲く。
飛来する前に注射を打つと劇的に症状が治まり、花粉症のことをきれいさっぱり忘れられると半分眉唾な話と思いつつも、帰りに病院名を教えてもらうことは忘れなかった。

明くる日の昼前、病院の待合室で診察を待つ。
「花粉症の注射だね。1月くらいに打つのがベストなんだけどね」と難しい説明もなく、「プスッ」早々に診察が終わり昼過ぎには帰宅の途に就く。
するとどうだろう。あの幾年の苦しみはなんだったのかと思うほど、見事なまでに花粉症の症状が消えた。

これがあれば花粉症の薬はいらないよな。
早速、朝礼の1分間スピーチでこの話しを披露した。
話し終えると、何人かが集まってきた。興味があるのだろう。なんでも聞きたまえ。さあ。

「あのー、それってステロイドじゃないっスか。やばくないっスか」
「筋肉注射だから取り除けませんよ。副作用の説明はありましたか?」
「普通の耳鼻咽喉科ではすすめないはずですよ。何科を受診しましたか?」

おいおい、おまいら。オレを責めるんじゃないよ。

しかし、話しはそこで終わらない。
翌年、花粉の季節到来。目の痒み、くしゃみに耐えきれず、禁断の注射に手を出してしまうのだ。
こんなに楽になる=気持ち良い、ならば大物デュオのボーカルや、プロ野球の無冠の帝王が薬物に頼る気持ちがわかるというもの。いや、わかっちゃだめか。

2回目は効きが悪かった。なぜかはわからない。耐性ができたのだろうか。
また、タオル片手の生活に逆戻りだ。
ただ、朝礼はよほどインパクトがあったのだろう。
「注射、効かなくなったんスか?」

「別にぃ」



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