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勝手に考察してみた。『カルピス編』

我々世代のカルピスのイメージは、やはり「初恋の味」だろう。白さが清らかさを、甘酸っぱさが青春を連想させる。

そもそも希釈して飲むカルピスは、味や好みをシチュエーションでいろいろと変化をつけられる便利な飲み物だ。
風呂上がりには、薄めが喉の渇きを潤し、誕生日に友達を招いたときは、カレーとともに幾分濃いめを提供し、「あいつの家、金持ちじゃん」的なサブリミナル効果を母親が期待していたかは知る由もない。
夏はカキ氷に原液をぶっかけて食う。あまりの美味さに腹を下すのを承知で、おかわりをせがんだものだ。

幅広い世代で集まった際、話の盛り上がりに欠けたとき、''カルピス子ども劇場で何を見ていたか話"には幾度となく助けてもらった。
合コンで鍛えられたトーク力はこんなところで活かされる。人生、何が功を奏すかわからないもの。若人よ、合コンに行こう。

アルプスの少女ハイジ、フランダースの犬、あらいぐまラスカル、小公女セーラ、ポリアンナ物語などを、見ていた、見ていないで、盛り上がること請け合いだ。ミーティング前のアイスブレイクにも、ぜひともおすすめする。すべったらすみません。

ハイジは、今もCMのキャラとして、ペットとして飼われたアライグマも、外見とは想像もつかないほどのヤンチャぶりで、モラルの欠片もない飼い主に野に放たれ、鎌倉では外来種の最大派閥として繁栄し、人家の軒下に住み着き、タヌキを追い出し、ネコを襲ったりと活動の場を拡げている。
そのことからも、カルピスがスポンサーのこの番組が、娯楽の少ない時代に、いかに見られていたかを窺い知ることができる。

カルピスの人気にあやかろうと、森永コーラス、スコール、アンバサなどが出てきたが強固な牙城は崩せない。コーラスは紛い物の印象が否めず、炭酸飲料のスコールはマイナーながらも善戦。アンバサは日本コカコーラの力を以ってしても、ネスカフェアンバサダーにさえ、知名度は後塵を拝し、アンバサで違い間違われるくらい成り下がった。カルピス強しだ。

居酒屋でもカルピスサワーは、いまや定番で、置いていない店のほうが少なかろう。
足が遠のいているが、鎌倉裏小町の立ち飲み屋で、ウイスキーのハイボールにカルピスが入ったメニューがある。たしか「雪ノ下ハイボール」だったかな。
鎌倉の地名にもあるユキノシタは、白く可憐な花だ。味もネーミングもうまい。

さぁ、今日はポリアンナよろしく、いいこと探しでもするか。

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